ショルダーバッグやボストンバッグを背負いリュックにする方法はネットに多数ありますが、手提げやトートバッグ・ビジネスバッグをバックパックにする方法は2021年の記事初出以来、現在までほとんど見つかりません。
2WAYなど最初から両方に使えるよう作られた製品は多いですが、そうではなくて、今自分が持っていて使い慣れた手提げを、そのまま2WAYみたいに背負えるようにもしたい。そういう人のために裁縫加工無しの簡単な方法をご紹介します。

ショルダーベルトを買って取り付ける
リュック化するには、カメラバッグ用ショルダーベルトを使います。


片方の持ち手にショルダーベルトのバックルを付け、他方にナスカンをつけて終わりです。持ち手が太くてナスカンが付かない時は、適当なOリングなどを追加してください。

実用前に一度背負って、ベルト長さを調整してください。体格にもよりますが、基本的には、最大長さにした方が背負い易く便利だと思います。
片方のベルトを鞄に掛けながら背負い、両肩背負ってから、他方のベルトに鞄をかければ固定できます。作業は以上で終了です。
カバンがデカすぎるとか、体格が良すぎるとか、持ち手の部分が1つしか無いタイプの手提げ鞄だった場合などで長さが足りない場合は、カラビナロープを1つ買ってショルダーベルトを延長してください。
片方を持ち手に、もう片方にベルトのナスカンを二つともつけて長さを延長できます。以降は持ち手2つの鞄の時と同じです。
作例:MacBookも入れたまま使えて背負えるようにできる
この方法で実際に手提げカバンを背負いに変えた作例として、筆者の愛用MacBookケースをご紹介します。無論、背負って使います。

カフェや出先でもMacbookやノートPCを使って仕事したいけど、ドヤ感を出したくないとか、狭いテーブルでコーヒーをこぼしてもできるだけガードしたいとか、カバンごと1アクションでズバッと開いて使え、パタっと閉じたらそのままバックパックとして背負えるMacBookケースが欲しい時は、同じ方法で自作することができます。

カバンを開けてスリーブケースを開けてMacBookのフタを開けて。。みたいなマトリョーシカ作業が消滅し、一撃で高速に展開格納できるようになります。
この方法をやるには、カバンに入れたまま使えるパソコンケースを使います。このケースのメリットは以下の通り。
- フタを任意の角度で立てることができ、ノートPCを入れたまま使える
- 全面にクッション性があり衝撃吸収できる
- ケース自体が軽い(約370g)


特筆すべきは、入れたまま自在な角度で使えるようにするための機構が極めてシンプルであることです。

そのため重量約370gと大変軽量に機能を実現しており、かつ、壊れにくく、壊れても直しやすいという特徴があります。
ちゃんとクッションも入っており、パソコンの使い勝手を損なわず安全な持ち運びを実現するのにぴったりな製品です。
注意点


このカバンをベースに使う場合、入るノートPCのサイズはA4(約297×210mm)程度までです。内寸は筆者実測で約330×240mmでしたので参考にしてください。
概ね14インチ程度までなら入る可能性が高いですが、購入前によく確認しましょう。
なお、もし他にお気に入りのPC手提げバッグがあるなら、それを流用することもできます。
このカバンはミニマルサイズであるため、収納力が低く傘を運べない弱点があるため、筆者は以下の方法で解決しています。
傘ホルダーを鞄にアドオンしても良い

マムートホルダーという傘ホルダーを装着して、濡れた傘を携行できるよう改造できます。この品は鞄の外側に付けて使います。裏にベルクロベルトが2本あるので大概の鞄取っ手やベルトに付けられます。

手提げなら持ち手のところに、肩掛けリュックやバックパックなら、肩ベルトに付けることもできます。

濡れた傘をよく払ってたたみ、そのまま鞄の外につければ、常に乾いていきます。本来は登山用のドリンクホルダーとして設計された製品なので、悪天候や劣悪な環境に強く、洗濯機で洗える上に非常に乾きやすく、清潔を保てます。

細い傘なら細く、太い物なら太く、巻きついてカバーできるので、どういう折り畳み傘でも対応できます。鉄火巻を作るとき使うようなすまき型の仕組みなので、成形ケース型に比べかさばるということがありません。

巻いてから以降はネックホルダーを掛けておくだけで落ちなくなるので、そこから抜き差しするだけで取り出し収納できます。
雨が降ったらスッと抜いて、電車など乗るときはストっと差すだけです。

脱着は簡単なので、当然ですが本来の用途として登山に持っていくこともできます。写真は大容量のエビアン750mlボトルを格納した時の様子です。
筆者の使い方例

展開するときはカバンを机に置き、ベルトを両脇に流して開いたらそのまま使えます。iPadを使ったサイドカーをやりたい場合は、カバンのへりとベルトのところに立てかけられます。画面タッチもでき、多少カバンごとずらしても崩れず、じゅうぶん安定します。

A4書類が入るメインポケットがひとつあるので、iPad自体をメインポケットに入れて一緒に運ぶこともできます。

充電やその他のケーブルもそのまま挿せますし、ファスナーが2個ついているので充電ケーブルを挿したまま運搬することもできます。
ちなみにポケットのうちひとつは底部に穴が空いているので、例えばスマホを入れたまま通線したりできます。
筆者はスマホを常にズボンのポケットに入れているので使いませんが、スマホをいつも鞄に入れているという人には便利かもしれません。

横長メッシュポケットには、MacBookM1運用記と電力検証 特大モバイルバッテリーのおすすめ で推奨したAnkerの25600mAhモバイルバッテリーがジャストサイズで入ります。
ただしこの鞄は、ペンホルダーは一つしかありません。合計4つのポケットのみです。持ち歩くペンの本数を減らす方法については、工具・アダプタ不要 フリクションにジェットストリーム芯追加DIY をご覧ください。

単に手提げや、片方のベルトのみ肩にかけて肩掛けバッグとしてももちろん使えます。
これを格好良いと思うかどうかは意見の分かれるところだと思いますが、あくまで合成DIYなので、必要なパーツだけ段階的に揃えたりカバンを変えたり、一番じぶんに合ったセミオーダーメイドがいつでもできます。
筆者の場合はこのキメラな組み合わせで、鞄を壁にすることで生まれる隠れ家感、周辺機器が常に手元にあって電源や通信を心配しなくて良いということがミニマルに獲得できています。
自分が部屋にいる時の環境から得られていた気分と、同じものを外でもどこでも超簡単に広げられるので、ちょっと新感覚の楽しさがあります。
使い慣れた鞄が一番

使い慣れた鞄はあるけれど、手提げが重くて面倒に感じることがある人や、ショルダーバッグが自転車に乗るときずり落ちて困るような時は、新しい鞄を買う前に今あるものをリュック化してみるのもひとつの手です。
近年はビジネスバッグにも2WAYやバックパックがかなり一般化してきたので、このDIYは見栄え的にもずっと実行しやすくなってきました。
安易に持ち物を増やすより、自分にとって最も使い慣れたものを活かす事を考えた方が、時に一番便利でミニマルな答えに辿り着く場合もあるでしょう。
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