この記事はベランダ(バルコニー)の手摺に金具を引っ掛け、スノコを付けてカウンターテーブルを手作りする方法の解説です。
筆者の環境では2016年からベランダのテーブルとして設置しており、その間ずいぶん風雨にさらされましたが破損せず使用できています。
総費用は3000~4000円 必要なものはすべてAmazonで入手できますが、スノコはホームセンターで実物を吟味したほうがよりイメージ通りのものができます。

狭いベランダでは普通にテーブルを置くとスペースを圧迫してしまいます。手摺にカウンターテーブルを引っ掛けて浮かせるこの方法だと、テーブルの脚がないのでかなりベランダを広く使えます。
狭いけど眺めの良いベランダ、バルコニー等をもっと活用したいという方のために、工具不要で手間なく設置できるカウンターのDIY方法を記事にまとめました。
天板は既製のスノコを使うので、小さなバーカウンターとしても食事やテレワークもできるテーブルとしても、サイズを自分のバルコニーの広さに合わせてカスタマイズすることができます。
また、テーブルが不要なときも工具無しで簡単に取り外せます。外した後の復旧もワンタッチです。大げさで壊れやすい折りたたみ構造よりずっとシンプルで楽な方法です。
なお建物への加工が無いので、賃貸でも問題なくできます。ご参考ください。

カウンター取り付け手順動画
YouTube字幕ONでご覧ください。金具を手すりに取り付けるところまでは説明書通りなので省略してます。
ベランダカウンターテーブル金具設置の検討と手順
金具の素材を選ぶ
金具の素材はスチールとステンレスがあります。筆者は両方作って試しましたが、それぞれに一長一短あります。主な違いは下記の通り。値段はあまり変わりません。
スチール金具 | ステンレス金具 | |
錆びやすさ | だんだん錆びる | 錆びない |
堅さ(剛性) | 堅い | やや柔らかい |
色 | 黒 | 銀 |
金具の形式 | 一体型 | 2本組分離型 |
組み立て | 簡単 | ちょっと手間 |
ステンレスならまず錆びないのでこれ一択と思うかもしれませんが、スチールの方が剛性が高く頑丈という特徴があります。
スチール製の引っ掛け金具は2本とも互いに固定されており、引っ掛けの幅・位置ともに固定なのでより安定しています。
いっぽうステンレスなら2本分離できるので、手摺の支柱など硬い部分を狙って引っ掛けたい場合は分離型のステンレスの方が融通が利きます。
筆者は両方活用していますが、初めて取り組むなら、支柱の問題がなければスチールを選択することをお勧めします。最初から必要なパーツが一体化しているので、作るのが特に簡単です。
記事ではスチール金物による方法を紹介したのち、ステンレスによる方法も巻末に付録しています。ご参考ください。
①手摺を調べて取付場所を決める
金具は手摺の笠木に引っ掛けるように取りつける仕組みです。水平調節金具が手摺の面の部分に当たるので、自宅の手摺がどんなタイプか事前に見ておきましょう。

金具は、スチールハンガーを使います。
2021.6月現在、スチールハンガーは品薄傾向になってしまいました。品切れの場合は、ステンレスハンガーをご検討ください。記事末尾の付録に組み立て方法を記載してあります。
丈夫なコンクリートや金属の手摺であればそのままでOKです。手摺の厚さは最低9.6㎝、最大22㎝まで対応できます。
自宅ベランダの手摺がガラスやパネルなど脆い材料だった場合は、水平調節金具の部分が丈夫な支柱のところに来るよう調整するか、水平調節金具の先端に軍手を厚く巻き付けるなどして、手摺が破損しないようにします。
②カウンターテーブルの天板を選ぶ
天板はホームセンターに行ってスノコ売り場で好きな大きさを選びます。ヒノキのものが一般的で安く、比較的雨に強いのでお勧めです。

写真は筆者の活用例ですがスノコ長さ60㎝、奥行き45㎝のものです。これでも2名で昼食くらいは楽しめるカウンターテーブルが出来上がりますので、広さの参考にしてください。
奥行きは30㎝だとかなりバーカウンターぽい見た目になって恰好良い雰囲気がでます。
また、奥行き45㎝あると食事のとき便利なテーブルになります。
いっぽう長さは、あまり長いものにする場合は、2セット作って繋げるようにします。載せる物の重さにもよりますが、長さ60cm超にするときは金具をもう1セット追加して加えておいたほうが無難です。
ネジを買う
スノコが用意出来たら、最後に適合するネジ類を買います。
ネジの直径は、あなたが選んだスノコの板のスキマと、金具両方を通る細さの物です。長さは30㎜あれば十分です。これを2本買います。
材質と形状はステンレス製の低頭ネジが最適です。低頭ネジが手に入らない場合は、トラスネジでもなんとかなります。

ネジの直径が決まったら、同じ径の大判ワッシャー(写真のように、外径の大きい座金)と蝶ナットも全てステンレス製でネジと同数ずつ揃えます。
記事の作例では、スノコのスキマが4㎜(M4)程度だったため、M4に適合するネジ、大判ワッシャ、蝶ナットを揃えて進めています。

ネジもワッシャもナットも、ホームセンターで1個口数十円から買えます。スノコを買いに行くとき一緒に、スノコのスキマを通る細さのものを買い揃えましょう。
ホームセンターが近くに無い方は、先述のリンク先から適する径を選択してAmazonで揃えることもできます。
③取り付ける
まずは金具を手摺に引っ掛け、ピッタリ嵌合させて頂部の蝶ナットを締め込み固定します。その後、スライド本体金具を天地逆に取り付け直します。

こうすることで、スノコ天板の奥行き45㎝まで標準金物だけで対応できるようになります。これ以上の奥行きとする場合は、平板金物を100均かホームセンターで買ってきて下記のように取り付けてください。
簡単低コストなので、まずは基本セットだけで済む45㎝以下サイズの物をつくってみて運用し、後からいろいろ拡張を考えた方が失敗が無いと思います。

天板が45㎝以下なら無くてよい
引っ掛け、スライド本体金具を天地逆にし終わったら、スノコを載せ、スノコのスキマからワッシャとボルトを通します。

裏側から蝶ナットを手で締めて固定します。天板奥行き45㎝以下なら、左右各一本、計2本だけで十分固定できます。
ワッシャは多少スノコにめり込むくらい締めこんでも構いません。ネジは座面と板との摩擦力で固定するのが原理なので、軸の部分はスカスカでも何の問題もなくガッチリ固定できます。

天地逆にしたスライド本体金具、あるいは延長に取り付けた平板金物も、このように一緒に通して締めこんでいます。
最後に、水平調節金具を調整して天板が水平になる位置に決め、固定してください。これで完成です。
ベランダの手摺にカウンターテーブルを作って生活を楽しもう

単純なつくりですが水を入れたプランターも乗ります。重い七輪すら余裕で載っちゃいます。めちゃくちゃ頑丈です。カウンターチェアも置くと良い感じになり、生活の幅が広がります。
一時的にどかしたい場合は、金具とカウンターorテーブルごと真上に持ち上げればスポっととれます。戻すときもスポっと被せるだけです。

バーカウンターとして使いたい場合は、 ベランダ電源コンセント無料簡単DIY を使い電源を引っ張ってきて照明の設置を検討してみてください。

ベランダやバルコニーが明るく雰囲気良くなると、室内にいるときも窓の外が明るくなって部屋全体が広く感じられる効果もあり、とても効果的です。
木陰の居場所を作りたい場合は、 縦つっぱり棒で浮かせる収納 格安簡単おしゃれにDIY を参考にしてさらに拡張してみましょう。

また、シャフトの屋外利用には足元に防水フードの設置が望ましいです。
作ったテーブルでテレワークしながらランチを取りたい時は、食事をPCや書類にこぼしてしまわないよう、さらにアームテーブルを取り付けてみましょう。
こうしたながらフードにはアームテーブルが最適です。作り方は アーム付テーブル簡単自作DIY ソファ車ベッドどこでもPC食事OK に載っています。

もしベランダに給湯器があるなら、給湯器のお湯を分岐DIY ベランダ・庭でお湯を使う方法 を使ってそこから直接お湯を取り出せます。蛇口がなくても水もお湯も出せるようになります。
わずか数千円のDIYで、バーをやったり水やりやシャワー、洗濯機や掃除に活用できるようになり、楽しいですよ。

どれもこれもほぼ工具不要ですぐ完成しますから、忙しい暮らしの合間にも少しずつ生活を豊かにしていけますよ。
なお記事写真のスチール金物製品ですが、ホワイトは廃番となりました。現在入手できるのはブラックのみです。ブラックの方が汚れが目立ちにくいので悪くないと思います。
ネジ類はあなたがチョイスしたスノコの隙間と金物の穴両方を通る細さのものが必要です。記事で紹介したのはM4なので以下にリンクを示しますが、直接ホームセンターでスノコと一緒に選んだ方が確実だと思います。
細かいネジを選ぶのが面倒な人は、逆に隙間が4mm以上あるスノコをチョイスしてきてください。そうすればネジは以下のものを買っておくことで足ります。
スノコはAmazonでも買えますが、実物を見て選んだほうが質感や板間隔など気に入る物が安く手に入ると思います。スノコの隙間に付属のネジが通らない場合は、より細いネジを買ってくる必要があるため、出来るだけ現物を見て買った方が良いです。

二人で使う場合は、ベランダに正対するより両側面で向き合うと、鉄道の車窓ぽい位置関係になってわくわくします。試してみてください。
筆者の使っているガススプリングカウンターチェアは丈夫で汚れに強くおすすめです。
2016年から屋外ベランダの奥側に置きっぱなしにして時々使い、多少雨のかかることもありましたが、すでに5年経過して未だ現役です。
稼働部は時々油をさす必要がありますが他は支障なく、かなり丈夫な作りです。
ベランダは手すりが高いので、座高の高いカウンターチェアがあった方が楽しみが広がりますよ。
ふろく:ステンレス金物を使う場合の組み立て方
①手摺を調べて取付金具を選ぶ
ステンレス金具の場合は、下記いずれかを使います。
グリーンガーデン(Green Garden) ステンレス製 プランターハンガー No.80
丈夫なコンクリートや金属の手摺であればそのままでOKです。手摺の厚さが15㎝以上の場合は、かなり割高になってしまいますが下記ワイド型の商品を選択します。
グリーンガーデン(Green Garden) ステンレス製 プランターハンガー ワイド型 No.105
②取付ネジと平板金物を買う
ステンレス金具の場合、スライド本体金具を天地逆にして取り付けることができません。
長さ30㎝程度のステンレスの平板金物を引っ掛け金具1本につきひとつ、買ってきて取り付ける必要があります。

しかしステンレス平板金物はホームセンターやAmazonでは非常に高価です。100均で30㎝程度の物がありますから、これを適当に探してきて取り付けた方が安く済みます。

ステンレス平板金物とスノコの目星がついたら、最後に適合するネジ類を買います。

ネジの直径は、あなたが選んだスノコの板のスキマと、ステンレス平板の穴の両方を通る細さの物です。長さは30㎜あれば十分です。これを金具一本につきひとつ買います。
材質と形状はステンレス製の低頭ネジが適合します。低頭ネジが手に入らない場合は、トラスネジでもなんとかなります。

ネジの直径が決まったら、同じ径の大判ワッシャー(写真のように、外径の大きい座金)と蝶ナットも全てステンレス製でネジと同数ずつ揃えます。
記事の作例では、ダイソーの100均ステンレス平板金物の穴が4㎜(M4)だったため、M4に適合するネジ、大判ワッシャ、蝶ナットを揃えて進めています。
なお、製品に付属してくるネジ類は全てステンレス製で直径6㎜(M6)です。そのまま使えそうならばもちろん流用してかまいません。

とはいえネジもワッシャもナットも、ホームセンターで1個口数十円から買えます。面倒でなければ、スノコを買いに行くとき平板金物も持って行き、径の合う物をその場で決めて一緒に揃えてしまいましょう。
③組み立てる

まずは金具類を仮組みします。最初にスライド本体金具の部分を外して(この金具は使用しません)しまってください。

次に水平調節金具をいったん外し、露出したふたつのネジ穴の裏側にステンレス平板金物をあてがいます。調整して両方のネジ穴にうまく合いそうなら、その位置でOKです。
合わなそうなら、本体金具の先端側の穴一箇所だけ合わせて、奥側は水平調節金具と本体とで挟んで締め込める位置に決めます。

位置が決まったら、ネジ、ワッシャ、引っ掛け本体金具、ステンレス平板金物を蝶ナットで仮留めします。

次に水平調節金具を、ステンレス平板金具を挟むようにあてがい、同様にネジと蝶ナットで仮留めします。

その後先端側のネジをいったん外し、今度はワッシャと引っ掛け本体金具の間にスノコを挟んで素手で力いっぱい締めこみます。

共回りしないよう、ネジの頭を反対の手で押さえながら蝶ナットを締めると良いです。同じ作業をもう一組の金物でも同様に行います。これで組み立ては完成です。



④取付、調整する

組み立てた金具を手摺に引っ掛け、サイズをピッタリ合わせて頂部の蝶ナットを締め込み固定します。

できれば、この頂部蝶ナットを締め込むときはドライバーで共回りを防ぎ強力に締め込んでください。そうするとテーブルの水平をより強力に保てるようになります。

引っ掛け本体金具の垂直部が手摺になるべくピッタリくっつくよう、いったん水平調節金具をひっこめてから頂部の蝶ナットを調整しましょう。なお作業時は、ネジや金具を外へ落とさないようくれぐれも気を付けてください。

次に水平調節金具を伸ばし、引っ掛け本体金具がちょっと浮くくらいで調整します。

最後に、浮いた引っ掛け本体金具を押し広げながら手摺にピッタリはまるよう再度押し込んで完成です。
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