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警戒レベルとは何か 洪水ハザードマップ併用避難計画

警戒レベルとは何か 洪水ハザードマップ併用避難計画

「台風で水害の時テレビで警戒レベル5と言われている地域を見た。警戒を促されても人によって状況は異なるのでは?どう捉えたらいいのか。」

このような疑問を抱いた方はいませんか。警戒レベルは避難を促す指標ですが、どんなタイミングのどういう避難が適切かは個々人の状況によって異なるから、捉え方に困りますよね。

起こりうる状況の違いは事前に調べておけます。最も重要なことは、洪水ハザードマップを見て浸水時の水位を把握しておくことです。

水位が高ければ警戒レベルの早期になんとしても避難せねばなりません。低いならあえて危険な嵐のなかを移動せず、上の階に逃げた方が適切な場合もあると分かります。

この記事では、設計士として日々ハザードマップと向き合い建物設計を行っている筆者より、ハザードマップの水位別に洪水のとき避難か建物を頼るかの判断の目安をお知らせします。

自宅のハザードマップの見つけ方は 洪水ハザードマップとは何か? 内水氾濫も分かる調べ方 をご覧ください。

なお洪水ハザードマップで示された水位に実際になるタイミングとは、警戒レベル5が出た時です。堤防からの越水あるいは決壊です。

警戒レベル4が全員避難(垂直避難を含む)、3は高齢者など移動困難者の避難を促すタイミングです。

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洪水ハザードマップ水位別 警戒レベルの受け止め方

洪水ハザードマップの水位に対する自宅の階数によって、最適行動の基本方針が変わります。この検討段階ではまだ内水ハザードマップは不要です。

下表をご覧ください。洪水ハザードマップの水位を調べたら、自宅の階数が水没階になっていないか確認してみましょう。

洪水ハザードマップ水位水没階(階高さを約2.7mとし、床上1m以上水没する階)
1.0m~1階
4.0m~1,2階
6.5m~1~3階
9.0m~1~4階

例えば水位5.0mのエリアで、自宅が2階建てならば、2階まで水没してしまいます。3階建て住宅やマンションの3階に住んでいるならば、3階以上の階はまだ大丈夫です。

自宅が水没階だった場合 警戒レベル別避難の目安

自宅が水没階に該当しており、上の階への避難(垂直避難)ができないと予想される場合、お年寄りなど移動の困難な家族がいるときは警戒レベル3で避難すべきです。

警戒レベル4の段階では嵐は強く、町のところどころが水で溢れており(どこが最初に溢れるかは内水ハザードマップで予測できます)避難が困難になってきます。

移動の困難な家族のいない場合でも、警戒レベル4までのなるべく早くに避難することが適切です。

逃げ遅れて警戒レベル5になってしまったら、間近に避難先があってなおかつ川が遠ければ、最後は自己判断になりますが避難が間に合う可能性もあります。

このような時のため、ハザードマップに載っている避難先が近いのか遠いのか、経路に問題がないか予め確認しておきましょう。

警戒レベル4以上の段階では風雨が強く、鉄道は止まっており道路も冠水や渋滞が予想されます。避難先は徒歩で1㎞以内の距離にある場所までが現実的です。下図をご覧ください。

江東区洪水ハザードマップ 赤:水位5.0m
江東区洪水ハザードマップ 赤:水位5.0m

図のような場合だと、避難先の建物も下の階はいずれ水没です。しかし垂直避難不可能な水没階の自宅にとどまるよりましです。

1㎞圏内に複数の避難先がある下図のような場合、直近の水没避難先よりも2番手の水没しない避難先の方が適切です。

中央区 洪水ハザードマップ
中央区 洪水ハザードマップ

また、経路の途中が冠水してしまったら避難できません。どこが冠水しやすいかは、内水ハザードマップを見れば分かります。

中央区 内水ハザードマップ
中央区 内水ハザードマップ

このほか、橋も渡れない状況が考えられます。極力経路に橋や内水ハザードがない、1㎞以内の避難先を予め決めておきましょう。

もしこれらの条件を満たす適切な避難先がハザードマップで見つからなかった場合は、他人の建物でも良いので、一番近くの「堅牢で」「水没しない階があり」「入れそうな」建物を前もって見つけておきましょう。

自宅が水没しない場合 警戒レベル別避難の目安

自宅が非水没階だった場合でも、お年寄りなど移動の困難な家族がいる場合は、警戒レベル3で避難すべきです。

移動の困難な家族のいない場合は、基本は警戒レベル4までに避難することが適切ですが、あまりに周囲の風雨や冠水がひどくて危険を感じる場合は、自宅の上階へ垂直避難した方がより安全な場合もあります。

逃げ遅れて警戒レベル5になってしまったら、この時は下手に屋外へ出るよりも上階へ垂直避難した方が安全な場合が大いにあり得ます。

警戒レベル5とは、堤防からの越水あるいは決壊がまさに起きた時です。

川に近い場所から、みるみるうちに町全体が洪水ハザードマップで見た通りの高い水位になっていきますので、垂直避難の方が危険を減らせることもあるでしょう。

このような場合に備えて、あらかじめ自宅には備蓄を用意しておきましょう。決壊による氾濫の場合、水が引くまでに1週間以上かかることもあります。

警戒レベルや河川水位のシンプルな知り方

災害時、市町村レベルの自治体の情報は混乱によって届かないことが多いのが現実です。

インターネットの災害情報サイトもサーバーダウンで繋がらなくなるでしょう。災害時は、シンプルな方法だけが有効です。

確実なのはテレビのNHKで、高位の警戒レベルは確実に知ることができます。停電しても携帯のワンセグで見られるので、操作に習熟しておきましょう。

また、NHKを見ながらデータ放送で河川の水位を常にウォッチしましょう。見るべき河川は、洪水ハザードマップに書いてある河川名になります。

データ放送は誰のどんなテレビでも大抵見れ、無料です。操作方法は NHKの案内資料 をご覧ください。ワンセグでも一部見れます。

常にウォッチし、水位の上昇速度も見ながら予測を立て、早めの避難判断に活かしましょう。警戒レベルや自治体の知らせが遅れても、この水位情報は確実な事実の最新データです。

なお、行政の避難指示が適切に届いた場合はもちろん、それに従うようにしましょう。