2020年10月に新しいiPadAirが発売され、また11月17日には新しいM1チップ搭載MacBookの発売が決まりました。
今iPadAir +キーボードを買うべきかそれともMacBookを買うべきか、悩ましいと思われている方もいるかもしれません。
このような2種の製品で悩む場合、多くの人は製品にスペックや価格だけでなく、家でも外でもどこででもストレスなく使える役割を期待しているものと思います。
当記事ではあえてこの両機種について、「操作性」「携帯性(電力コントロール)」の観点だけに絞って比較するということを試みています。
筆者は既にiPadとWinタブレットを所持し、タッチパネルにタッチパッド、スタイラスペンからBluetoothキーボード、ペンタブまで全て実用で使ってきた経験のある立場です。
きっと、携帯操作性についてあなたの判断の助けとなる検証情報をお伝えできるものと思います。
比較対象はiPadAir(第4世代・WiFiモデル・256GB)に対し、MacBookのうち最も価格の近い新MacBookAir13インチ(256GB)を選択することにします。
記事後半では、同時期に発売された新しい無印iPad(第8世代)とMakBookPro(M1)、iPadPro(M1)の性能も比較に加えていきます。では、見てみましょう。
操作性を比較する
iPadAir(第4世代) | MacBookAir(M1) | |
OS | iPadOS | MacOS |
画面タッチ | 有 | 無 |
トラックパッド | 無(MagicKeyboard増設で有) | 有 |
ApplePencil | 第2世代対応 | 非対応 |
画面サイズ | 10.9インチ | 13.3インチ |
解像度 | 2360×1640 | 2560×1600 |
iPadOSとMacOSの操作性における違い
iPadOSはスマホのiPhoneと近い設計になっており起動が速く、対するMacOSはあくまでパソコンのOSなので起動は比較的遅くなります。
しかし多くの人はスマホを普段いちいち電源ONOFFせずスリープ(画面だけのONOFF)で使うことに慣れていると思います。
同様にiPadやMacBookもスリープで運用すれば、開いた時すぐ使えるという点で大差ありません。どちらもスリープで電力消耗を抑えて運用できるようOS設計がなされています。
問題はOSの安定性にあります。誰しもWindowsにせよMacにせよ、パソコンのフリーズ、不安定、重い動作に悩まされたことはあると思います。最初は良いけど、経年で凄まじくスローになる、あの状態です。
一方でスマホにもそういう不安定な時はありますが、パソコンに比べればずっとましだと感じている人は多いのではないでしょうか。
両者の操作性を比較する時、OSの違いは無視できません。どんなに沢山のアプリや立派な機能が使えても、あなたが望んだ時に素直に立ち上がり、命令通りのことをただ単に素早くこなすという、まず基本的であたりまえのことが不安定になっては意味がありません。
対応アプリの相対的な少なさや細部の機能不足を差し引いても、iPadOSであるiPadの方が動作がつねに安定しており、操作性に優れています。
M1Macのアプリ対応状況と対策
新しいMacBook(M1)は、CPUが変わったために従来のインテルベースアプリがそのままでは必ずしも使えない仕様ですが、主要アプリは移行期間中で徐々に対応しつつあります。
すでにMicrosoftのOfficeやAdobeのPhotoshopなど主要なアプリのいくつかはM1に対応しており、今後も増えていきそうな傾向がはっきりしてきました。
未対応のアプリでもインストールしてみれば、標準のRosetta2というアプリで強制的に動作してくれるので、多くのアプリが動きます。筆者はTeamsというテレワーク的アプリや、Shiftltという画面をiPadのSplitView的に使える旧アプリを、全く遜色なく動かせています。
ですから、例えばすでに所持しているいくつかのアプリも動く可能性が高く、買い直す前に調べて取り組んでみる価値はあると思います。
ちなみに筆者は、リモートデスクトップを使ってWindows PCを遠隔操作することで、旧版だろうがWindows用アプリだろうが、Mac上で使っています。
Rakutenアンリミットなど格安高速ギガフリーSIMが出てきたので可能な芸当になりました。業務に耐える実用レベルです。詳しくは、MacBookM1テレワーク リモートデスクトップ対応状況iPad Surface比較 をご覧ください。
M1MacのiPhoneアプリ対応状況
M1Macでは当初iPhoneや iPad用のアプリが使えるようになるとの触れ込みでしたが、実際はアプリ各社がM1へのインストールを不許可しており数が少ないです。
筆者はiPhone用のAdobeアプリ、Photoshop CameraをM1Macにインストールしようとしましたが、Adobe不許可のためMac用App Storeに出現しませんでした。
そこでiMazingというアプリの無料版を使ってトライしたところ、インストールは成功しましたが、必ずしも動作が再現せず、具体的にはMac内の写真など画像フォルダにアクセスできず実質使用不可能でした。
仮にうまく行っても、タッチパネルとキーボードという根本の操作系が異なるアプリ設計のため、ゲームなど操作が頻繁で高速なものは不向きでしょう。
Photoshopは高いしそんなに機能いらないから、無料のiPhone用Adobeアプリが使えたらいいなーと思っていましたが、筆者の実験した結果は不可というものでした。
M1MacでiPhoneやiPadアプリが使える機能は、ほとんど期待しない方が良いです。
画面タッチ可能かどうかの差がどこまで操作性において重要か
iPadは元来タブレットなので、iPhoneと同じように画面を直接タッチして操作することができます。
MacBookは元よりノートパソコンなので、画面タッチによる操作には対応していません。
筆者はYOGABOOKという、トラックパッドとキーボード、画面タッチとペン全てが使えるWindows機を現在使用していますが実感として、トラックパッドを装備していたとしても画面タッチを使う場面は確実にあります。
製品をタブレットのように寝転んで使うときやキッチンなどで片手に持って片手で操作したいとき、画面を指でタッチして操作したい場面が出てきます。キーボードやトラックパッドのみではやっていけません。
また、端末を家族とシェアしたり人に貸して操作させる場面が多い場合、タッチパネル操作ができた方が融通が効きます。
製品にこうした使い方を強く期待するかどうか、よく考えておく必要があります。
トラックパッドの有無と操作上の必要性
トラックパッドとはキーボードの手前にある平板スペースで、指でなぞると画面上のマウスカーソルが連動するタッチパッド的な仕組みです。
iPadには無いですが、MagicKeyboardを買い増すと付けられます。MacBookには標準装備です。
iPadは画面タッチがてきるので、トラックパッドはどう考えても不要と思う方が多いのではないかと思います。機能的には。
しかし実際にiPadをキーボード運用で文章入力しながら画面タッチするという作業は、やると分かりますがかなり不合理でダサいです。
タッチのたびに手をキーボードから離し、画面を揺らし、再びキーボードのホームポジションを探して手を戻すといった作業が頻繁に発生します。
また、指では文章の修正箇所にカーソルを持って行きたい時、正確にタッチできません。何度も何度もタッチするようなことになります。
もしもこうした、文章や編集などキーボードをかなり使う生産系の作業に製品を使いたいと考えているなら、画面タッチだけに頼ってトラックパッドを捨てるのは早計です。
逆にゲームや映画鑑賞、SNS、読書やネットサーフィンなどショートメッセージや消費系の目的に製品を使いたいと思っているなら、トラックパッドはほぼ不要です。
ApplePencil対応の差
iPadはApplePencilというスタイラスタッチペンを使って、画面に絵を描いたりマウスの代わりに操作したりできます。
MacBookは対応していません。
ApplePencilがいかに先進的で便利、スマートであるかは各所で喧伝されており、枚挙に暇がありません。
ところで、この製品を街中や職場で実際に使っている人を目の前で見かけたことがあるでしょうか。筆者はあまりありません。
マークアップといってPDF文書や写真に注釈を書き込んだり赤丸を書き込んだりできますが、それはむしろ指でやっている人の方を多く見かけます。指なら無くす心配も充電も不要で無料です。
一部のクリエイターが作画に用いるなど、この製品ならではの有効な使い道はかなりマニアックな物になりがちと思います。
筆者の場合は、昔のPCゲームをWinタブレットでプレイする際、マウスの代わりに使ったところ極めて便利でした。細かいゲームキャラを正確にタッチして素早く選択でき、ホバー操作でスムーズに画面移動ができるので、PCゲームを寝そべってプレイするという有りそうでなかなか無かったプレイスタイルを実現できます。
あとの使い道は、このサイトのおもちアイコンを描いたくらいでしょうか。。
というわけなので、ApplePencilのようなスタイラスペンの存在は操作性に優れているというよりは、独特の用途が増えるといった性質のものになります。
あまり宣伝に惑わされず実際必要な機能かどうか、将来対応しているかどうかがそこまで重要なのか、自身のスタイルに照らして冷静に考えておいた方が良いです。
画面サイズ
普段スマホのような小さい画面でもじゅうぶん不足ないのだから、画面サイズはそれほど重要ではなくコンパクトな方が良い、とお考えの方はいるかもしれません。
しかしiPadやMacBookにおいては、スマホと異なり画面サイズは大きければ大きいほど操作性の良くなる場面があります。それはドラッグドロップによるファイル移動とコピペ作業、一部のマルチタスクです。
MacBookやパソコンならばよく複数のウィンドウを開いて、フォルダからアプリへ、ファイルをクリックして直接引きずり便利に移動させたりすると思いますが、こういう時は画面が広い方が双方の画面を同時に広く見られて都合が良いです。
また、あるアプリから別のアプリへコピペして作業するような時、画面が広いと両方のウインドウを開いて置けるので楽です。狭いと、いちいち複数のアプリを切り替えながら作業する手間があります。
iPadの場合はウィンドウ方式ではなく、画面を分割して使う形になりますがおおむね同様のことができ、この時も画面は広い方が便利です。
なお昔はiPadのiOSファイル管理能力はMacOSに比べ弱く不便でしたが、今のiPadOSはMacOSのようなパソコン同様にフォルダを階層構造で閲覧し管理できるようになっており、遜色ありません。
2つ以上のアプリを同時に走らせるマルチタスク(iPadは2つまで)も、画面は大きいほど便利に使えます。しかし必ずしもマルチタスクにこだわる必要のない場面もあります。
例えばPDFや写真を扱いながら、その内容を添付してメールを送りたい時などは、同時に複数の情報を1台の製品に広げられるので画面が大きいほど有利です。
いっぽう動画やSNSをしながらネットサーフィンをしたい時などは、相互のアプリを横断する作業が無いので、無理に一台のiPadやMacBook内でマルチタスクにこだわる必要は実際のところありません。横に置いたスマホで動画を流すなどして同時使用すればそれで済みます。
前者のメールのように会社業務的なマルチタスクが多く予想される場合においてのみ、より大きい画面を選ぶ操作性メリットが強くなるといえます。
ほかに画面関係で特徴的な違いとして、iPadにはデスクトップの概念がないことが挙げられます。MacBookやパソコンなら、ファイルをデスクトップにドラッグして保存したりすると思いますが、iPadのホーム画面はそうした使い方はできません。単にアプリとウィジェットのアイコンを並べておけるだけです。
とはいえ代わりにフォルダというアプリが用意されており、これを画面分割で置いておけばそこをデスクトップのような感覚で使うことができます。実際上はほとんど支障なくPC同様にファイル操作も行えます。
解像度と表示範囲
パソコンは一般的に、解像度が高いほど表示できる範囲が広くなり、相対的に文字が小さく沢山表示できるようになります。
しかしiPadとMacBookの比較においては、ちょっと事情が異なります。例えばSafariなど同じインターネットブラウザを使っても、iPadのサファリとMacのサファリで同じページを見た場合でも基本的に解像度に関わらずiPadの方が文字が大きく、表示範囲は狭くなります。
画像の左はパソコンでYahooのトップページを開き、右はiPadで開いたものです。
御覧のとおりiPadの方が文字が大きく、表示範囲が狭くなりがちです。これは、指でタッチする時選択しやすいようにOSとアプリとが最適化設計されているためです。
次の写真はワードプレスという文書作成画面を開いた時の画面です。同様に、余白的な表示範囲がなく文字が大きくなって表示されます。
もしもiPadでもっと文字を小さく、表示範囲を広くしたいと思った場合は、左上のAAマークを押して文字サイズを変更すると対応できる場合があります。
下記の写真は75%に調整してみたもので、かなり広い範囲を表示できるように調整出来ているのが分かると思います。
ただし全てのアプリやサイトが文字サイズ調整に対応しているわけではありません。
どんなアプリでもパソコンと同程度に小さい文字で多くの範囲の情報を表示しておきたいと考えるなら、MacBookの方を選んでおく必要があります。
操作性の核心的利益
操作性を検討する上で核心的に重要なのは、使う時あなたの手の位置を動かさずに済むよう考えて端末を選ぶことです。
キーボードをよく使う目的があるなら、キーボードのホームポジションから手を離さずに操作を完結できるトラックパッドがあるとかなりスマートになります。
それさえできれば、画面タッチやマウスの優先順位は思ったよりずっと低かったと、きっと使い慣れていくにつれ気づくはずです。慣れればトラックパッドがあって本当によかったとも実感できるでしょう。
一方、立ち仕事など端末をいつも直接手に持って使うことが多いなら、手の位置は常に画面にあるわけですから、タッチパネルが必須で重要になります。他のオプションは後回しで揃えることにしても、意外と不足はないばかりかかえって軽くてスマートになったと気づくでしょう。
携帯性を比較する
iPadAir(第4世代) | MacBookAir(M1) | |
キーボード | 無(KeyboardFolioかMagicKeyboard増設で有) | 有 |
重量 | 753g(458g +KeyboardFolio295g) 1058g( 458g +MagicKeyboard600g) | 1290g |
外形サイズ | 247.6×178.5×6.1㎜ | 304.1×212.4×4.1~16.1㎜ |
バッテリー持続時間 | 10時間(28.6Wh) | 18時間(49.9Wh) |
キーボードの差と携帯性
iPadにはキーボードがありませんが、KeyboardFolioかMagicKeyboardを買い増すと拡張できます。
iPadとMacBookを比較しようとする人なら、iPadにはどちらかのキーボードを付けようとお考えのことと思います。
KeyboardFolioにはトラックパッドがありませんが、MagicKeyboardより優れた長所が3つあります。
1つ目は、MagicKeyboardより重量が約半分の300g以下となる軽量性です。2つ目は、キーがボディと一体で覆われており、隙間にゴミや水が入らない防塵防水性です。3つ目は、キーの構造上タイピングの時に音が鳴りにくい静穏性です。
3つ目の個性は逆に打鍵感が気持ち悪いなどと嫌われることもありますが、作家然と大量の文章を生産するのでもなければそこまで神経質になる必要もないでしょう。
たとえばカフェなどで操作したときに、あまり悪目立ちしたくないと思っているならば隠れた価値の出てくる個性です。
トラックパッドが不要なのであれば、携帯性はKeyboardFolioに多くの優位があります。
重量の差と重心
iPadAir+KeyboardFolio | 753g (458+295g) |
iPadAir+MagicKeyboard | 1058g (458+600g) |
MacBookAir(M1)13インチ | 1290g |
筆者は今現在YOGABOOKというキーボード一体型で690gの製品を使用していますが、寝そべって仰向けで持って使うにはこれでも重く無理があります。
実態としては、仰向けで映画鑑賞などに使うときはキーボードの部分を展開し、腹に支えとして載せて片手で支え使用しています。
その点iPadの場合はキーボードを外して458gまで軽く用いられるので、より携帯性に優位があります。しかし重さというものは単に数値だけの問題ではなく、持った時の重心がどこにくるかがかなり疲労度に影響してきます。
同じ数百グラムでも、スマホのように重心を手でつかめるならばじゅうぶん軽く扱えます。
しかしタブレットのように大きな画面の端っこを持たなければならない場合は、製品の重心から遠く離れた箇所を支えることになるので、重さは数値以上のモーメント荷重として疲労度に影響します。
したがって製品は軽ければ軽いほど優れているとはいえ、持ち方そのものに革新がなければ使い勝手に大差ありません。
どんなに軽くてもサイズの大きいiPadを仰向けや長時間片手使用することが厳しいことに変わりはないです。
458gのiPadであってもスマホのように使うのは難しく、1290gのMacBookであっても重さが致命傷になるような場面はあまりないと思います。
重心を掴むと、タブレットは持ち易くなる
逆をかえすと、ストラップバンドでタブレットの重心を掴んで使用できれば、手の負担は劇的に減少し使いやすくなります。タブレットを選択し、長時間手に持って使用したいと考えているならば、重さを少し犠牲にしても検討するだけの価値はあります。
外形サイズ
多くの人が日常扱う書類のサイズはA4(297×210㎜)あるいはB5(257×182㎜)であり、必然的に持っている鞄もそのサイズが合う物になっていると思います。
これから買うiPadやMacBookも、そうした鞄に入れて持ち出すことになるわけですから、それぞれがA4ないしB5のサイズに対してどんな大きさであるか把握しておいた方が良いです。
iPadは 247.6×178.5㎜ですから、丁度B5ノート(257×182mm)と同じくらいのサイズです。
MacBookは 304.1×212.4㎜なので、A4(297×210mm)とほぼ同じサイズです。
A4やB5のノートが家にあるなら、ショップでなく自宅内や鞄の中で製品の大きさをどう感じるのか、圧迫感あるいは画面の狭さを感じないか、ノートを閉じたり開いたりしてみれば製品の大きさを確実に把握できます。
ところでiPadの場合、拡張キーボードが外形とほぼ同じサイズのカバー(KeyboardFolio 248 × 182 × 13.5mm)(MagicKeyboard 248 × 192 × 15mm)を兼ねていますが、MacBookにはカバーがありません。
持ち運ぶときMacbookを保護したい場合は、一回り大きいサイズのスリーブケースに入れて運ぶことになります。
ケースによっては外周が+15㎜前後大きくなるので、この点を前もって把握しておいた方が良いです。ショルダーバッグなど狭い鞄ぎりぎりでMacBookを持ち運ぶつもりならば、ケースの存在を忘れないで確認しておきましょう。
バッテリー持続時間
最後にバッテリーについて比較考察したいと思います。
まず、iPadではバッテリーの公称持続時間が10時間となっていますが、これにKeyboardFolioないしMagicKeyboardを接続すると、持続時間はもっと短くなるはずです。また、バックライトとトラックパッドを備えるMagicKeyboardの方が、より消費電力は多くなります。
これに関しては定量的なデータがないため具体的に何分短くなるのかはっきりしません。1時間以上も差は生じないと思いますが、影響はゼロではないと認識しておきましょう。
Magic Keyboardにおける電力の問題
初期のMagicKeyboardにおいては異常に電力を消費するケースがあったため、そういう製品にあたるリスクを考慮しておかねばなりません。海外の例ではAppleが交換に応じたようですが、国内での交換例情報がありません。いっぽうで国内においても同様の症状は出ているようです。
この問題は重要度の割に情報が少なく、かなり注意を要するものです。先発のMagicKeyboard購入者がバッテリーを我慢しながら使っている可能性も、問題はすでに解決されており新しい製品なら支障ないという可能性も等しくあります。できればもう少し様子を見た方がよいかもしれません。
また、解決のアナウンスがないまま2021.5.27に新型MagicKeyboardが発売になりました。新型でこの問題が解決されているのかは未知数ですが、確認を待てない人は、この電力の問題があるため安くても旧モデルは避け、新モデルを選んだ方がマシな確率が高くなります。
新しいiPadProM1においては、旧モデルのMagicKeyboardがうまくフィットしない事例もすでに海外で報告されており、なおさら型落ちを避けた方が良いです。
新モデルは、市場で旧モデルと混在して識別が難しくなっています。確実な選定には、下記リンクより自分の機種に合うものをキープしておいてください。新モデルは色が白黒2色から選べるようになっており、リンク先で選択できます。
キーボードのキー配列について
キー配列は日本語(JIS)と英語(US)の2種類がありますが、あなたが会社員ならば会社と同じものに揃えることを強くお勧めします。そうでないなら、好みで選ぶと良いと思います。
筆者は英語配列が見た目好みでしたが、会社はもちろん日本語キーボードでした。長らくモバイルキーボードに英語配列を使っていてブログを執筆していましたが、本当に変換に手こずり不便に苦しまされていた状態です。
なので、Mac購入時は英語のかっこよさに後ろ髪を引かれつつも、冷静に日本語配列を選択することができました。全くストレスがなくなり、英断だったと思います。
MacBookの電力
新MacBook(M1)では、CPUがiPhoneやiPadと同系統(厳密にはiPhoneとiPadはA14などA系、MacBookはM1系です)の省電力タイプになりました。
MacBookAirについては、バッテリー容量は49.9WhとなっておりiPadの28.6Whと比べ1.74倍あります。持続時間もiPadの10時間に対し18時間と1.8倍です。
ちなみに同時発売の新MacBookPro(M1)においてもCPUは同系統ですが、バッテリー容量が58.2Whと、新MacBookAir(M1)の1.16倍で、持続時間は20時間と1.11倍です。
携帯性の核心的価値
外へ持ち出す携帯性を考えるときは、バッテリー容量と電力コントロールこそが核心的価値です。
重さ大きさ頑丈さに目が行きがちですが、いくら数センチ数グラムの差にこだわっても、バッテリーがすぐ切れるようでは重い充電器と面倒でかさばる有線運用が常態化してしまいます。
比較的バッテリーの少ないiPadを選択する場合は、節電のためにセルラーモデルをあえて一度は検討してみてください。
Wifiテザリングは接続手間のほかに、テザリングする両方の端末で常時Wifiを繋ぐことになるので両方の端末が同時に大きくバッテリーを消耗していきます。
セルラー(携帯のSIMカード)モデルなら、iPadが自分でインターネット通信できるようになるのでそうした手間も消耗もありません。
ただし、セルラー対応オプションで端末初期費用が約15000円かかり、通信会社に対して毎月の費用も発生します。
そもそもiPadの場合は、iPhone と異なり電話機能自体ありません。
使っていないスリープ状態のときは、待ち受けもなくバックグラウンド通信も電力の無駄でしょうから、画面オフ時は常に機内モードを使うようにすれば劇的に節電できるでしょう。
一方新しいMacBookのバッテリー容量と電力コントロールについてですが、この製品はAirでもProでも恐ろしく電池が持ちます。
本当に電力の束縛から自由になり、それでいて常にそばにPCのある生活スタイルを必要としている人なら、きっと下記記事を読んでみてください。新しい価値観と自由な世界を楽しめると思います。
総括一覧表で比較する
総括として新iPadAir(M1)と新MacBookAir(M1)、MacBookPro(M1)と、新しい無印iPad(第8世代)とを、操作性と携帯性においてどう異なっているか一覧表でまとめました。優位性のあるものを黄色で塗って表示しています。
操作性に関する総括一覧表
iPadAir(第4世代) | MacBookAir(M1) | MacBook Pro(M1) | iPad(第8世代) | iPadPro(M1)11inch | iPadPro(M1)12.9inch | |
OS | iPadOS | MacOS | MacOS | iPadOS | iPadOS | iPadOS |
画面タッチ | 有 | 無 | 無 | 有 | 有 | 有 |
トラックパッド | 無(増設可) | 有 | 有 | 無 | 無(増設可) | 無(増設可) |
ApplePencil | 第2世代対応 | 非対応 | 非対応 | 第1世代対応 | 第2世代対応 | 第2世代対応 |
画面サイズ | 10.9インチ | 13.3インチ | 13.3インチ | 10.2インチ | 11インチ | 12.9インチ |
表示範囲 | 狭い 文字大 | 広い 文字小 | 広い 文字小 | 狭い 文字大 | 狭い 文字大 | 狭い 文字大 |
携帯性に関する総括一覧表
iPadAir(第4世代) | MacBookAir(M1) | MacBook Pro(M1) | iPad(第8世代) | iPadPro(M1)11inch | iPadPro(M1)12.9inch | |
キーボード | 無(増設可) | 有 | 有 | 無(増設可) | 無(増設可) | 無(増設可) |
重量 | 753g(458g +KeyboardFolio295g) 1058g(458g +MagicKeyboard600g) | 1290g | 1400g | 735g(490g+SmartKeyboard 245g) | 763g (468g+KeyboardFolio295g) 1068g (468g +MagicKeyboard600g) | 1084g (684g+KeyboardFolio400g) 1384g (684g +MagicKeyboard700g) |
外形サイズ | B5 247.6×178.5×6.1㎜ | A4 304.1×212.4×4.1~16.1㎜ | A4 304.1×212.4×15.6㎜ | B5 250.6×174.1×7.5mm | B5 247.6×178.5×5.9mm | A4 280.6×214.9×6.4mm |
バッテリー持続時間 | 10時間(28.6Wh) | 18時間(49.9Wh) | 20時間(58.2Wh) | 10時間(32.4Wh) | 10時間(28.65Wh) | 10時間(40.88Wh) |
結論
操作性については、OSがより安定し、画面タッチとMagicKeyboardを併用できるiPadの方が優れている。
携帯性については、MacBookの方がiPad+Magic Keyboardよりも、特にバッテリー持続時間で優れており安心して持ち出せる。
但し以下4点に留意する
- iPad(iPadOS)を選択しようとする場合、自分が使いたいアプリの中にMacBook(MacOS)でないと使えないものがないか、注意を要する。
- iPadAirを選択しようとする場合、トラックパッドが不要ならばより安いiPad(第8世代)も比較しておいたほうが良い。操作性と携帯性においては、iPadAirと無印iPadとではほとんど違いがない。詳しくは iPadAir4th,MacBookAirM1,Pro,iPad8th 機種横断コスパ比較 を参照。
- MagicKeyboardを購入しようとする場合、消費電力の問題事例に注意を要する。
- iPadはChrome Remote Desktopにおいて特殊キーが使えないこと、エクセルのマクロが使えないことを理解しておく。詳しくはMacBook2020M1はテレワークに使えるのか iPad Surface比較 を参照ください。
今回の比較検討では、以上のような結果となりました。参考にした上で、みなさんの結論はどのようになったでしょうか。
筆者の場合、トラックパッドに未練が残るものの主な用途はブログ執筆と映画鑑賞(三国志)なので性能的には無印iPad(第8世代)で必要十分なのではないか、と思うに至りました。理論上は。
しかし感覚としては、枠が細くて丸ボタンのないiPadAirの方がタブレットぽくなくて格好良く魅力的に感じています。色も緑や青など個性的なものがあり惹かれます。
そしてM1チップ搭載の新MacBookが発売されたいま、電力コントロールに優れたこの製品の携帯性に大変惹かれています。
Macに期待するものは人それぞれですが、筆者は出来るだけ面倒がなくスムーズな操作性携帯性、iPhoneなど他の端末との接続性を期待しています。
そうした中、スマホでいつも悩まされているような電力の問題から解放されるメリットはかなり魅力的に映ります。
誰にとっても一番大切なのは、あなた自身にとって気に入って使える物かどうか、という点が重要だと思います。それさえ叶っていれば、他の仕様は仮にオーバースペックなほど過剰だったとしても、費用をかける価値があるでしょう。
なおMacBookAirの最新2020M1ラインナップ詳細は MacBookAir2020M1 7コア8コア比較検証 をご参考ください。
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