スマホガラスカバー修理 透明雑貨金繕いのコツ

ガラスカバー金継ぎ

安全・簡単格安DIY 現代的”金継ぎ”食器修理のやり方 では、食器を金継ぎ修理する方法をご紹介しました。

金継ぎはなにも、食器専用の技法というわけではありません。ひび割れた陶磁器製の小物やガラス雑貨の修理にももちろん応用できます。

具体的には、壊れた植木鉢や使用済ブタ貯金箱、欠けた珪藻土コースターや箸置き、そしてスマホの割れたガラスカバーなどを金継ぎして繕い、あなたオリジナルのデザインに生まれ変わらせることができます。

金継ぎスマホ

ひび割れ、欠けたこれらの雑貨をお持ちなら、がまんして使うよりも金継ぎでアレンジしてみることにしましょう。

この記事では特に透明雑貨としてスマホガラスカバーを金継ぎ風に仕上げる例を実演します。不透明の雑貨金繕いや食器の金継ぎは冒頭リンク先記事の技法を使った方が楽に安くうまくいきます。あなたの目的に合わせて記事を選択しご覧ください。

スマホの割れたガラスカバーを金継ぎ修理する

植木鉢のような素焼きテラコッタ、陶器、磁器、石器といった不透明な雑貨の修理は接着剤の色自体がそれほど問題になりません。

しかしスマホの割れたガラスカバーのような透明素材を金繕い修理したい時は、接着剤も透明の物を使う必要があります。そうしないと、修理後の表面は金色で綺麗でも、横ナナメから断面の接着剤が透けて見えてしまうからです。

透明雑貨修理に適する接着剤選び

透明雑貨修理に適する接着剤選び

食器修理の時には、修理面が食べ物や口に触れることになるため食品安全性に細心の注意を払って接着剤を見定めました。

しかし雑貨の場合は特に口に触れるわけでもないので、食品安全性を捨ててより簡単に修理できる利便性を追求することができます。

今回の修理用接着剤には、ボンディック(UVレジン)というジェル状の液体プラスチック素材を選択します。

付属のUVライトを照射すると数秒で硬化し、耐熱・耐水性に優れた透明プラスチックとして固まる素材とライトのセット製品です。食品衛生法などの認証は有りませんが、必要もないでしょう。

ボンディックUVライト

便利なボンディックですが、弱点はUVライトが届かないと接着力がゼロであることです。

したがってガラスやプラスチック、フィルムや透明液を封印したいときなど透明雑貨の修理創作には最高の適性を示します。UVライトが透明な雑貨を透過して液体プラスチック塗布面に届き、完全に硬化させられるからです。

瞬間接着剤とくらべ、UV照射するまで固まらないので微調整できる作業性、足りないパーツや欠けた穴を埋められる造形性、隙間に入って硬化することで得られる防水性、硬化後白濁しない透明性が優れており適材です。

欠けたパーツを固定し、または造形する

欠けたパーツを固定し、または造形する
薄白く曇った半月状の部分が欠けた箇所

欠けたパーツをなくさず持っている場合は、ボンディックを塗布して配置し、UVを照射すれば固定化してくっつきます。

しかし細かい破片パーツを大事に保管してある人も少ないでしょう。筆者のスマホカバーも落とした時欠けてしまい、破片は粉々になってどこかへ飛び散ってしまいました。このような場合は不足するパーツをボンディックで造形します。

セロテープを透明型枠に使う

まず、液体プラスチックが流れてしまわないよう側面を透明セロテープなどでせき止めておきます。

つぎに液体プラスチック(UVレジン)を欠けた部分や割れた箇所の接合面に沿って塗布します。ダイソーの速乾UVレジンクリアでも代用できますが、透明性とべたつきの品質に若干劣るため、今回は純正の付属レジンを使うことにします。

UVレジン盛り

今回は割れはなくヒビと欠けのみだったので、欠けの部分のみレジンを盛っています。ヒビには染み込まないので、塗る必要はないです。

塗布したら、透明フィルムを載せてレジン液を薄く広げます。気泡が入ったら爪楊枝でつぶしておいてください。

フィルムは透明で硬く平滑であればなんでも構いません。クリアファイルをハサミで適宜切って作った切れ端がもっとも入手しやすいと思います。

透明フィルム型枠
クリアファイルはザラザラとツルツルの裏表があり、どちらの面を使うかで仕上がりが変わる。ザラザラを使うと仕上がりもザラザラで少し曇った風合いになる。ツルツルは透明に仕上がる。

レジンにフィルムを載せて広げたらセロテープとフィルムごとUVを照射して固め、その後フィルムを剥がします。このように透明素材を型枠代わりに使うのがボンディック応用のコツです。

透明型枠ごとUV照射可能

仕上げに、カッターナイフの刃を寝かせて表面を滑らし、はみ出したレジンを削り取ります。

削り

焦って力むと怪我をするので気を付けてください。削りのコツは、力ではなく回数で削る意識を持つことです。かける力を普段の1/3に減らし、削る回数を3倍に増やすくらいの意識でやるとうまくいきます。

どうせ後で金色を被せるので、あまり神経質にこだわりすぎない方が削りすぎを防げてうまくいきます。

造形補修終了
ボンディックで造形補修完了。薄白く半月状にあった欠けが埋められ無くなっている

削りが終わったら欠け補修は完了です。続いて金継ぎ補修に着手します。

金色を塗布し、表面強化する

アルコール洗浄
できれば塗装前にアルコールで表面をきれいに拭き取りましょう

金繕いには、ゴールドライナーゴールドペイントという道具を使います。皮膚に触れても安全な食器用塗料なので、雑貨の装飾にも便利に使えます。焼成して硬度を上げられるのが特徴ですが今回は焼成は行いません。

材料が余ったら、冒頭リンク先の記事を使って活用することができます。色バリエーションなどについても詳しくは冒頭リンク先記事をご覧ください。

ゴールドライナーはポテッとした厚みのある線の風合いになります。ゴールドペイントはフラットな仕上がりです。

今回のヒビ割れラインのような、かなり細く繊細な線を引く場合はゴールドライナーが適します。

しかし最初は下記の写真のように、力んで上手くいかず太くなってしまうかもしれません。

失敗例

でも失敗しても大丈夫です。この塗料は水性で、失敗したらペーパータオルですぐに全部簡単に拭き取ることができます。いくらでもやり直せます。

失敗も経験すれば、すぐに力の加減とライナー運びが分かって上手く細い線も引けるようになります。チューブの腹ではなくお尻の方を押して塗料を出すのがコツです。

成功例

面塗りの箇所は多めに塗料を出してから、さっき使ったクリアファイルの切れ端で表面を軽くさらうとそれなりに平坦になります。

盛って塗布
フィルムでさらって平坦に

あとは放っておけば、乾燥に伴って自重と収縮でまあまあ平坦に仕上がります。

塗装終了

塗りが終わったら1時間表面を乾かしたのち、ジップロックに乾燥材と同封して一晩乾かした後、オーブンで余熱無し150℃35分焼成すれば完成です。しかし、雑貨によっては焼成できない素材の場合もあるでしょう。

乾燥剤ジップロックで乾かす

基本的に、焼成できるのは良く乾かした素焼き、陶磁器、ガラス、金属、石です。できないのは木材など燃えるもの全般と、高熱に弱く溶けてしまう樹脂やプラスチック類です。今回のスマホカバーの場合も、側面が樹脂になっているため焼成できません。

そもそも焼成の目的はゴールドペイント塗料を硬化して強度を上げることなので、別の方法で強度さえ上げられるならば焼成にこだわる必要はありません。

今回のように焼成できない場合は、ゴールド塗装の表面にボンディックを上塗りして強化すれば目的は果たせます。

しかしゴールド塗料自体も乾燥すればそんなにやわなものではないので、とりあえず上塗りなしで使ってみてから、必要だと感じればさらにボンディック上塗りクリアコートにトライしてみるのでも良いと思います。

乾燥剤ジップロックで一晩良く乾かしたゴールドペイントの表面にレジンを薄く塗ったのち、UVを照射して硬化させます。

上塗りをはみ出さずに塗るのはけっこう難しい。かなり光沢が出るので好みによっては塗らない方がいい

これで強化クリアコートが終わり、金継ぎ仕上げが完成しました。この方法はスマホカバーだけでなく、食器以外の透明雑貨全般に応用できます。

クリアコート完了

あえて目立つ金繕いで、オリジナル雑貨をつくろう

あえて目立つ金繕いで、オリジナル雑貨をつくろう

ひび割れ、欠けたままの雑貨を使い続けるのはなんとなく気持ちのわるいものです。完全に傷を消す修理もなかなか難しく、かといってまだ使えるので買い替えには踏み切れない、そういう歯切れの悪さがあるためです。

そんな時はあえてひび割れ模様を目立たせる伝統技法、金継ぎを使ってオリジナル雑貨として生まれ変わらせてみましょう。

気になりつつもずっと我慢していたひび割れが逆に、この世にふたつとして同じ割れ方をしない自然の紋様デザインとして、あなたの手元に帰ってきます。

なお食器の修理や不透明雑貨の金繕いには、食品安全性を有し微調整の利く 安全・簡単格安DIY 現代的”金継ぎ”食器修理のやり方 の記事にある方法が適しますので、ご参考ください。

ボンディックにはノーマルとEVOの2種がありますが、電池交換容易なEVOの方が便利です。類似品もいろいろありますが、UVライトの波長とUVレジンの性質が合っていないと硬化不良を起こしますので注意が要ります。

ボンディックのUVライトならば、代替品としてダイソーの速乾UVレジンクリアだけが適合しますので、材料費の節約にご活用ください。

今回使ったゴールドライナーですが、現在かなり品薄になってしまいました。割高ですが下記並行輸入品の使用をご検討ください。

ゴールドライナーが品薄で割高すぎる場合、下記のガラス用ライナーで代用できます。焼成温度以外の性能はほとんど変わらないので、使ってみても良いでしょう。逆にいずれガラスにも挑戦したいと思っているなら、なおさら代わりの選択肢になりえます。

なお類似品にヴィトラーユという製品もありますが、これは焼成できないので不適切です。間違えないように気を付けてください。