記事では Liberty Air 2 Pro を代表例にとって扱いますが、同様のボタン制御によるマルチペアリング機構があれば、他の機種でも記事の方法が使えるケースがあります。
Ankerの場合、Life P3、Sleep A10、Life A2 NC、Life Dot2 NCはケースの内外部に操作に必要なボタンがあるので、同様にできます。
Libery Neo 2、Life P2、Life Note、Spirit Dotは仕様でマルチペアリングできません。他の機種にペアリングしたい時は、先に元の機種と接続しないよう手動で解除しておく必要があります。
Anker Soundcore Liberty Air 2 Pro等(以下Air2Pro)は、AppleのAirPodsProに匹敵する性能を持ちながら廉価で魅力的な製品です。
しかし全てがAirPods同等とはいきません。この機種最大の問題がマルチペアリングにあることを、買ってから気づいた人も多いのではないでしょうか。
この記事では以下の内容を扱い、劣るマルチペアリング性能を出来るだけカバーできる使い方をご紹介します。
- マルチペアリングを楽に切替できるショートカットの準備
- Air2ProでiPhoneとMacBook、iPadやAndorid、PC間の複数マルチペアリングを設定する手順
- ペアリング切替の実際のやり方と、注意点、コツをマスターする
Air2Proをもう買ってしまってから、マルチペアリングがスムーズにできないことに失望している方、毎回全手動で長時間かけて繋ぎ直している方、AirPodsとどちらを選ぶべきか迷っている方には、役立つ情報です。ご参考ください。
この記事の内容は、あなたの電話端末がiPhoneである場合にのみ使える方法です。マルチペアリングする他の端末は、MacBookやiPadを例示していますが、WindowsやAndroid、ニンテンドースイッチなど他の対応機器でも構いません。
Anker Soundcore Liberty Air2Proはマルチペアリングできるのか
ウェブ上では微妙に情報が錯綜しているのですが、Air2Proではマルチペアリングの基本形はできます。これは公式製品マニュアルにも手順とともに明記されています。
ただし、Apple独自のマルチペアリング自動切替等はできません。詳しくは AirPodsと他機種マルチペアリング性能比較 SoundcoreLibertyAir2Pro をご覧ください。
マルチペアリングの基本形とは、複数の端末にAir2Proを登録する作業です。これは可能なので、これから手順を紹介します。
しかしマルチペアリング自動切替はできません。例えばあなたがAir2ProでMacから音楽を聴いていて、作業を終えてMacを閉じてiPhoneに音源を切り替えたいと思った時、再度接続操作を手動で行う必要があります。
これは大変面倒な手間です。そこで、この手間を軽減する特製のショートカットが役立ちます。その使い方と、失敗を避けるコツ、Air2Pro特有のクセをこの後詳細に紹介しているので、ショートカットごと持ち帰ってお役立てください。
スマホとパソコン等で音源を切り替える場面なんてある?
筆者の場合は普段iPhoneで音楽を聴き続けていて、執筆作業等をする時Mac(パソコン)を開きますが、その時音源を切り替えます。基本的に、どちらの端末でもYouTubeで音楽等を視聴しています。
切り替えなくても元のiPhoneで音楽を聴き続けられますが、その場合選曲操作の時Macから手を離してポケットのiPhoneを出す必要が生じます。正確には、iPhoneを出して、ロックを解除し、YouTubeを表示して、選曲し、操作して、戻す、です。これが選曲のたびに生じます。
音源を切り替えておけば、こうした一連の手間はほとんどなくなります。スマホで音楽を聴く人は移動中に、Mac PCで音楽を聴く人は作業中に聴く人が多いと思いますが、そうした一連のながら作業的な流れを妨害するものがなくなります。
あなたの暮らしや作業性を支える武器として、手持ちの音楽や音声コンテンツが今まで以上に役立ってくれるようになるでしょう。
マルチペアリング切替ショートカットの準備
マルチペアリング登録した端末間で、接続を出来るだけ簡単に切り替えることができれば、自動切替には劣りますが毎回手動で接続し直すより遥かに便利です。
それには、Apple標準アプリである「ショートカット」の機能が役立ちます。ショートカットについて詳しくは iPhone標準アプリで写真サイズ容量を小さくする設定と解像度目安 の記事中でも言及しているので参考にしてください。iPhoneを買うと最初から入っている、Apple謹製の便利で無害なアプリです。
ショートカットの使用には、ショートカットアプリとiOSの最新版が必要です。うまく動作しない場合は、アップデート後に端末を再起動してください。
準備ができたら、下記オレンジのボタンから、ペアリング切替ショートカットをダウンロードし、許可を与えてインストールしてください。
終わったら、ショートカットアプリから今インストールした「ペアリング切替」を選択し、右上にある青丸に…のアイコンをタップして設定に入ってください。
設定で、「ホーム画面に追加」をタップして、アイコンをホームのどこか好きな位置に配置しておきましょう。
Air2Proでマルチペアリングする初期設定
ペアリングの手順
まず、あなたのiPhoneとAir2Proとをペアリングします。これは製品付属のマニュアルに沿って操作するのと同じです。
先にiPhoneのBluetooth設定画面を開いて待機しておき、Air2Proのフタを開け、イヤホンを取り出さずそのままにしていると、程なくしてiPhone側にAir2Proが表示されるので、タップすればペアリングされます。
ペアリング完了したら、そのままAir2Proを取り出してください。うまく接続できているか、一度音楽を流してテストしておきましょう。
テスト成功したら、ペアリングしたままAir2Proをケースにしまわず、次の手順に移ってください。
ショートカットへの登録
このショートカットを使うには、初回のみ登録作業が必要です。ペアリング状態でケース外にAir2Proがある状態で、ショートカットアプリから上記ペアリング切替の右上にある、白丸に・・・の部分をタップしてください。
するとショートカット内部画面になるので、青い文字で「iPhone」あるいは「Soundcore Liberty Air 2 Pro」と表示されている部分をタップしてください。
選択肢にあなたのiPhoneと、今接続しているAir2Proが表示されるはずですから、Air2Proの方を選択してください。
これで初回登録は終了です。以降はこの操作は必要ありません。
マルチペアリングの手順
上記の登録まで終わったら、一旦Air2Proをケースに戻し、フタを閉めず開けたままにしてください。間違えて閉めちゃった場合でも、また開ければ再開OKです。
次に、マルチペアリングさせたいMacBookを開き、同様にBluetooth設定画面を開いて待機させます。iPadやWindows、Surface、Androidなどでも手順は同じです。
待機できたら、ケースのフタが開いて中にAir2Proが入った状態で背面ボタンを3秒長押しし、Air2Proの白色LEDが片側だけ点滅状態になったらボタンから手を離してください。
すぐさま、あとは同様にMacBook側にAir2Proがまた出ますから、クリックすればマルチペアリングされます。
開ける前の長押しは7秒以下に収めてください。10秒以上長押しするとAir2Proが赤く3回点滅して初期化され、初めからやり直しになります。やり直しは、手動で一旦Air2Playの登録を解除し、また1から手順を再開するしかありません。
これで、複数端末でAir2Proがマルチペアリング登録され、準備が完了しました。
ペアリング切替をやってみる
ペアリングとショートカットの準備が完了したら、早速ペアリング切替をやってみましょう。
さっきまでの手順で、今あなたのAir2Proは、MacやiPadといったマルチペアリングした端末に繋がっていると思います。これを、iPhoneにつなぎ直す切替を例示します。
まず、Air2Proをケースにしまい、フタは開けたままにしてください。また、iPhoneでさっき準備したショートカットアイコンを押せるよう用意しておきましょう。
次に、また同様にAir2Proの背面ボタンを3秒長押し続けたあと手を離すと、Air2Proの白色LEDが片側だけ点滅状態になります。すぐさま先程ホームに置いたショートカットをタップしてください。
これでiPhoneに接続が切り替えられました。全然簡単じゃ無いって?確かに、かなり複雑に感じたかもしれません。でも、慣れれば手動で再ペアリングしていた頃よりかなり早くなります。
戻し3秒押し、点滅したらタップする。これで切替です。iPhoneからMacへまた移すときは、また戻し3秒押し、今度はMac側のBluetoothに登録されたAir2Playをタップです。
初期設定が済んでいるので、Mac側も再度Bluetooth設定画面まで入る必要はありません。コントロールセンターなどに表示されるので、そこをクリックするだけです。
これで二度と再ペアリング登録や解除せずに、マルチペアリング登録を維持したまま切替できるようになります。
注意点と操作のコツ
注意点は、長押しが10秒以上になるとAir2Proが初期化されてしまうことです。初期化されるとLEDが赤く3回点滅します。
なので、操作のコツとしては慣れるまでAir2ProのLEDをよく見ながら操作すると失敗がなくなります。
まずiPhoneやMacBookなど接続したい端末の、さっきのショートカットやBluetooth接続画面を先に待機しておき、それからAir2Playの背面ボタン長押しするようにしましょう。
慣れれば、秒数の感覚でLEDを見ずに操作できるようにまでなります。大体4秒くらい長押し離しすると未接続も初期化も避けられます。
操作のバリエーション
ケースにAir2Proを納め、フタを開けた状態で3秒長押しすればマルチペアリング切り替えはいつでもできます。
しかし例えば、初期設定が終わった段階で、最初にAir2Proのフタを開けると、最後に接続していた端末に、良くも悪くも自動的につながってしまいます。
前回最後にiPhoneにつなげていたものの、今回取り出してすぐにMacに繋げたい時などは、この前回自動接続を阻止して直接希望の端末につなげる操作方法があります。
それには、Air2Proの背面ボタンを長押ししながら、フタを開けてください。開ける前から長押ししていれば、開けてから3秒後ただちに片側LED白色点滅状態になります。
すると、元の端末に勝手につながってしまう自動接続を阻止して、直接マルチペアリング切り替えモードに入れますから、あとは同様の手順で希望の端末に接続できます。
AirPodsとLiberty Air 2 Proどちらを使っていくべきか迷っている方へ
記事では、安価で高性能なAnker Soundcore Liberty Air 2 Pro を使って、出来るだけAirPodsの代わりになるよう、iPhoneとその他の製品間でのマルチペアリング切替をスムーズにやる方法を紹介しました。
この記事の手順を読んで、読者の皆さんはどうお感じになったでしょうか。仮にあなたが今iPhoneとその他のApple製品とのマルチペアリングを検討しているとして。。
面倒すぎてやってられない、と思ったのならば、あなたにこそAirPodsの自動マルチペアリングメリットが相応しいといえます。他にもあるたくさんの固有メリットを下記記事で確認し、最終判断してください。
Air2Proやその他の他社製イヤホンに比べ高額ですが、得られる利便性は無比の価値をもたらしてくれます。仮にいまからAir2Proを売却してでも費用をかける意味があるでしょう。
まあやれるかな、と感じたならば、あなたには選択肢があります。
あなたの価値観に照らして、AirPodsProとAir2Pro等との間にある価格差が、前記の自動マルチペアリングの価値に見合っていると思うならばAirPodsの方に費用を出す価値があります。割高すぎると思うならばAir2ProやLifeP3の方を買ってショートカットを持ち帰り、記事の手順に習熟した方が良いでしょう。
MacやiPadを持っておらず、使うつもりもないならば、Air2Pro等を買ってショートカットを持ち帰り、iPhoneとあなたのWindowsやSurface、Androidとスムーズに切り替えられるようトライしてみましょう。それが最もコスパが良いと思います。
この記事の情報があなたの手間と失敗を回避し、あるいは迷いを晴らす一助となったならば幸いです。
おまけ
当サイトにはあなたのiPhoneに眠った機能を解放する、どこにもない独創的な知恵が満載です。イヤホンの問題が首尾良く解決したら、またきっと読みに来てみてください。きっと、あなたのiPhoneライフがさらに楽しく便利になります。
良きiPhoneライフを!
おまけ2 ノイキャンで迷っている人へ
AnkerにせよAirpodsにせよ、ノイキャン有り無しどちらのモデルにすべきか、今までノイズキャンセリング機能を使ったことがない人は迷うと思います。
これに関しては、ほとんどの場合でノイキャン有りを選択することをお勧めします。
最大のメリットは、ノイキャンを使って周りの雑音をカットすることで、普段から音量を2レベルぐらい下げて聴けることによる、耳の保護効果です。
イヤホンの音量を上げすぎる等による難聴の恐れは、WHOや厚生労働省によって警告されており、注意すべき事象です。今後は、ノイズキャンセル有りが当たり前になっていくでしょう。
読者コメント
マルチペアリング、助かりました。
ありがとうございます!!
お役に立てて良かったです!
ところでこのショートカットは、困った時の再接続用にも使えますので、覚えておくといつか役立ちます。
例えば製品自体の接続エラーで何故か片耳だけ聞こえなくなったとか、音が出なくなった時は、ショートカットを使って、同じ端末に再接続させることもできます。
再接続すると簡易的にリセットされるので、些少なトラブルは簡単に解消できる場合があります。
何事も細かいトラブルはいちいち検索で原因と対策を研究するよりも、再起動した方が早く解決することはよくあることで、このイヤホンにおいてもそれが有効に使えるようになります。
おかげさまでiPhoneとPC間での接続切り替えがスムーズにできるようになりました!ありがとうございます。
ところで私が試した限りでは、ペアリングはイヤホンをケースに戻し、ケースを開いた状態でボタン3秒長押し、でイヤホン側のスタンバイができているようです。(Air2Proのスタートガイドに「別の機器とのペアリング」の項でこの手順が紹介されていました。)
「ボタンを押しながらケースを開ける」とは挙動が変わるのでしょうか。
おや、これは。。
私の方でも、こまさんの言う通りの挙動でしたので、記事を更新しました。こまさんの方法の方がより簡潔で快適です。
なお旧記事の「ボタンを押しながらケースを開ける」操作の場合、挙動が変わって固有のメリットがあるので、その内容は「操作のバリエーション」という段落にまとめてみたのでご利用ください。
これで他の多くの読者も、私も、ますます切り替えがスムーズにできるようになります!この度はお知らせいただき、誠にありがとうございます。