
最近特に、当たらない天気予報に振り回されることが多くなってきた。。と感じている方はいませんか。
予報の技術は進歩しているのに、天気予報が全然当たらないと感じるのには、はっきりした理由があります。
天気は細かい場所や時間帯によって大きく異なるのに、予報はエリアも時間範囲も広すぎるからです。いわば予報の解像度が低すぎるのです。
たとえば東京の天気予報が明日午後雨となっていても、実際は東京の山側で雨、海側は曇りみたいなことが往々にしてあります。
こういう時、予報が午後雨だからと外出を諦めた海側の人は損することになります。これが、当たらない予報に振り回される時の状態です。

お日様や傘のアイコンを地図に示すような天気予報では、予報をエリアごと午前午後夜三段階の大雑把なものにせざるを得ません。
こんな風にあえて予報の解像度を低く大雑把にすることで、テレビなどで短時間に分かりやすく伝えることができているわけです。
でも実際の予報技術は今もっと進んでいます。
あなたが今後当たらない予報に振り回されずに済むためには、もっと解像度の高い情報を、素早く分かりやすく手に入れれば良いのです。無料で。
近年はゲリラ豪雨を始めますます細かいエリア・短時間ごとに異なるまだら模様の天気となることが多くなってきました。
今後は誰しもこうした解像度の高い天気予報に触れられるスキルが必要になってくるでしょう。ぜひ今のうちにここで身につけておいてください。登録不要なので合わなければ綺麗さっぱり削除できます。
未来の雨雲レーダーが見られるアプリ WINDY.com
古くはアメダス、最近なら東京アメッシュやGPVといったキーワードで、雨雲レーダーを見たことのある人は多いと思います。

お日様アイコンと違って、ドットの細かい(解像度の高い)雨雲レーダーならあなたの自宅や旅先など細かいエリアの雨の状態が一目瞭然です。

アメダスや東京アメッシュは過去の雨雲レーダー記録でしたが、未来を予測した雨雲レーダーもネットで「GPV」を検索すれば簡単に見ることができます。
しかし今回紹介するのは、このどれとも異なり決定的に見やすい未来の雨雲レーダーで、WINDY.comというアプリです。
これまでの雨雲レーダーは地図上のカラフルなドットが時間経過の推移に伴いシミュレーションされるというものでした。
WINDYの場合は指定したエリアの雨や雲の量が、時系列の断面図で9日後の遠い未来まで表示されます。

Android、iPhoneどちらもOK WINDYアプリの使い方
WINDYには極めて沢山の機能や表示レイヤーがあり、目的とする予報のほかに波や大気汚染なども見ることができます。面白いのでいずれ見てみてください。
今回は解像度の高い予報に素早くアクセスすることが目的なので、その手順だけをお伝えします。
WINDYはAndroidアプリとiPhoneアプリ両方あります。インストールして使った方が便利だと思いますが、アプリ無しのブラウザベースでも動作します。

初回の起動では単位が選べます。日本なら風速単位はm/sが良いでしょう。GPSは許可しないとかなり手間です。

許可すると上部に現在地予報が表示され、日本列島にカラフルな画面が表示されます。これは風力と風向を表しています。
上部の予報欄をタップすると、画面下に赤いメニューバーが出ます。

赤いメニューバーを出したら目玉のアイコンの「display as ベーシック」という箇所をタップし、さらにグラフアイコンの「Meteog.」をタップします。

これで目的の場所における予報断面(メテオグラム)が表示できました。右にスクロールすることで最大9日後までの予報断面を見ることができます。

現在地以外の予報を見たい時
現在地以外の予報を調べたい場合は、地図を手動で拡大して動かし、目的の地点をタップするか住所を入力します。

さらに地図を動かし、このドット引き出し線の先端白丸がターゲットのエリアに来るように調節してください。今回は豊洲で見ます。
調節できたら、引き出し線の根元にある数値をタップします。すると同様に赤いバーのメニューが出るので、あとは現在地の時と同様に操作すればOKです。
WINDY予報断面の見方
予報断面を表示できたら、さっそく予報を見てみましょう。読み方は下記画像を参照ください。

まずは、最下段の降水量だけ読めれば雨の予測はたちます。
この画像だと、いま21時は曇りだがどんどん厚く重い雲が垂れ込め、翌日午前3時には雨が降り出すと分かります。
表示される雲の画像が実際にどれくらいの雲量を表しているかは、何度か使ってみて感覚で掴んだ方が早いと思います。
ここまでで分かったと思いますが、カラフルな地図の方は使いません。地図は地点を選ぶ時だけ必要で、あとは基本的に予報断面だけ見ていれば足ります。

もちろん、必要ならば地図を引きでみてレイヤーを雨に変えることで、従来のアメッシュやGPVのようにカラフルな地図で雨の動きをシミュレーションすることも可能ではあります。
なお、予報断面はあくまで最新情報に基づくシミュレーション計算の結果ですから、その内容は刻々と変わります。
遠い予報はあくまで参考に、目的の日が近づいたらこまめに予報断面をチェックするようにしましょう。この点は当たり前ですが普通の天気予報と同じです。
WINDYの正確性、的中率
どんなに見易くても、予報の正確性、的中率が低くては意味がありません。
ここでは筆者が実際に見た予報の内容と、当日の結果を交えて正確性、というか解像度高さの一端をお伝えしておきたいと思います。



とはいえ詳しくは実際にお試しください。ここで細かに言葉を重ねる必要性を感じないほどに素晴らしい水準です。
ECMWFとGFSの違い WINDYの使い分け方
WINDYアプリでは、予報にECMWFとGFSという二つの情報元を選択することができます。どちらを使えば良いのでしょうか。
結論から言うと、今日明日の短期予報はGFS、明日以降の中期予報はECMWFを使うのがベストです。面倒臭ければ常にECMWFでも良いです。
ECMWF (Europian Centre for Medium-Range Weather Forecasts) / 欧州中期予報センター は、ヨーロッパの気象中期予報に特化した英国機関から提供される気象予測情報です。
GFS (Global Forecast System) は、NWS / アメリカ国立気象局から提供される気象予測情報です。それぞれの特徴は以下の通り。
ECMWF | GFS | |
正確性 | ○ | △ |
更新頻度 | 約12時間毎 | 約6時間毎 |
正確性は一概に言えませんが、事実としてGFSは2012年ハリケーンサンディの予報において、4日で去ると予報を外しECMWFは7日留まると予報を当てました。
現在はGFSもかなり増強されていますが、一概にどちらが優れているとは断定できない状況にあります。しかし、アプリで切り替えて使ってみるとわかりますが、双方の予報が異なることはたまにあります。
更新頻度は、WINDYアプリ上においてどれくらい頻繁に新しい情報に更新されるかの差です。
ECMWFは頻度が更新頻度がGFSに比べ低いので、予報を外した時のリカバリーが遅いです。
要するにWINDYにおいては、ECMWFの方が実績的により頼りになるものの、GFSの方が直前の予報には強いということです。
ですから、基本的にはデフォルトのECMWFを使い、当日が近づいてきて、天候が予定を左右するほど重要なら念のためGFSに目を通すようにするとベストです。
そんなにこだわらないなら、常にデフォルトのECMWFのままでも良いでしょう。
天気予報の解像度を上げて使いこなそう
一口に明日の東京の天気は何?といっても、実際は東京のどこであるか、明日の何時ごろであるかによって天気は異なります。
あなたが尋ねなければ、予報は大雑把にしか答えてくれません。
しかし聞けば、現代の予報技術はそれに答えられる内容をすでに無料で提供してくれる状態にあります。
記事では無料で簡単にそれを知る方法をまとめました。あなたの役に立つものかどうか、まずは使ってみて確認してはいかがでしょう。

きっと、天気予報に振り回されることが少なくなり、今までより有意義な休日の過ごし方も出来る様になると思います。
なお、このアプリは台風の進路予測にも使えます。台風などによる水害の予測と対策を考えたい方は、 ハザードマップより浸水ナビ 洪水が来る/引くまでの時間の調べ方 をご覧ください。