Ankerは品質に定評のあるモバイルバッテリー・充電器のメーカーで、その製品保証は多くが18ヶ月、会員登録すると24ヶ月と謳われています。
謳うのは簡単なことですが、それが実際に役立つかどうかは実際に保証を受けてみるまで誰にも分からないブラックボックスです。
今回、筆者が購入し使用していた充電器 Anker NanoⅡ 45W が使用約20ヶ月目にして自然故障したため、保証を申請しました。これはその公平な記録です。ご参考ください。
充電器、ある日しずかに息を引き取る
筆者の製品が故障したのはある日突然のことで、単にいつもどおり充電しようとケーブルを刺しても全く充電できなくなりました。毎日使ってきて前日まで普通に充電できていたのに、です。
落としたとか水をこぼしたとか思い当たる出来ごともなく、自然に壊れました。約2年なのでこれがテレビとかならそれ自体問題ですが、モバイルの過酷な環境下で高温発熱する超小型充電器やバッテリーならばさもありなん、といった感想です。
保証を申し込む前に規約を確認する
どういうメーカー保証を受けるときであっても、まずは保証規約に目を通します。いきなり電話をかけても案内してくれますが、まずそもそも大元の保証期限内なのかどうかを知っておいた方が良いのです。
いつ買ったか忘れてしまった時
自分の所持品をいつかったかいちいち正確に覚えている人などいません。筆者もそうです。筆者の場合はAmazonで買ったので、単に自分の購入履歴から検索をかけて見つけ出すことが出来ました。その中には領収書画像も有るので、購入履歴の証明にもなります。
通販で買った製品ならネットのアカウントから購入履歴も見れば解決します。
店舗で買った場合はレシート等を探すほかありません。そもそも実店舗購入の場合、レシートがないと保証自体受けられません。まれに店舗ポイントカードの履歴から購入記録が出る場合もあります。
規約によるとこの製品の保証期間は18ヶ月。Anker会員登録すると24ヶ月と記載されています。筆者が購入履歴を調べたところ、すでに買ってから20ヶ月が経過していました。会員登録はしていなかったので、保証期間を過ぎています。
なのでおもむろにAnker公式サイトにアクセスし、会員登録してから、Ankerヘルプデスクにチャットで修理申請しました。
故障してから保証期間を伸ばすための後付け会員登録になりますが、2023年現在、公式規約には確かにそれを禁止する規定はありません。ちょっと卑劣な気もしますが、完全に規約適合で権限行使できるはずです。結果はどう出るでしょうか?
ヘルプデスクとのやりとり記録
まず、上記のような質問を受けます。筆者の場合はチャットで型番と故障の修理報告、それからAmazonでの購入履歴に記載の注文番号を初めから伝えました。
ふつう、どういうメーカーの故障対応であってもまず最初に再起動・単純な状態から段階的な起動テストを試すことを求められます。こうすることで原因がどこにあるか、問題の切り分けを行っているわけです。
筆者の場合、症状はあらかじめ把握し、他の機器を使っても動作しないこと等問題の切り分けを済ませてあったので、淡々と予想済みの質問に回答していくだけです。
こういう時事前準備がものをいいますし、自身だけでなく相手の時間も無駄にせず済みます。回答後即座に、以下のような返信がありました。
無論、住所を伝えます。
あっという間に手続きは終了し、数日で故障品返送用封筒と交換品が届きました。
なお返送を忘れると次回から保証を受けられなくなります。
家電が壊れた時のコツ
家電が壊れた時、詳しい人は筆者に言われずとも公式サイトやネットを調べ、保証規定を読み込んでおくものです。
そうして規定を受けられる環境を、嘘でない範囲においてじぶんで整備しておいてから連絡すれば、保証は受けるべくして受けられます。なお嘘をついて保証を受けるのは犯罪です。
準備せずにいきなり電話して問い合わせても、相手が色々質問してきてくれるので疑問の解決はできますが、今回のような保証延長後付けの技には気づけず、保証を受けられない、という結論に至っていた可能性は高くなります。
そんなことまで案内する義理はメーカーにはありませんし、ましてヘルプデスクの担当やバイトにはそんな動機すらありません。
面倒でもまずじぶんで保証規定を読み、考えてみることが、あなたがあなたの財産を守るための唯一の方法です。
保証の内容を分析する
今回の保証は手続き5分、処理完了まで4日と、最速の部類に入るものでした。ヘルプデスクの応対もストレスなく、極めて快適な部類です。何の問題もありません。
今回の体験で最も特筆すべきは、24ヶ月の延長保証を受けるための会員登録は、購入後すぐでなくても、後付けでも受けられるという規約上の事実を証明した点です。※2023年現在において。今後メーカーの規約変更により不可能になる可能性があります。
買ってから1年8ヶ月もした後に、しかも故障発覚後に慌てて登録しても、Ankerの延長保証は受けられました。現行規約通りの運用であり、例えばコールセンターの邪悪な担当が裁量で勝手に後付はダメとかいうイジワル問答はありません。秩序が支配しており、至極真っ当です。
Ankerの製品をこれから買おうとしている人だけでなく、すでに持っている人にとっても重要な知見ですから、身につけて必要な時が来たらためらわず行使してください。知識の差があなたの財産を6ヶ月長く、諦めと無知から守ってくれることでしょう。
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