ここではMacでFusion360を使っている筆者が、操作中気づいて解決できたトラブル等を記録しています。検索で来た人は、目次から対応する内容が見つかるか確認してみてください。
スケッチ交点でスナップさせる方法
今目の前に見えている交点に、マウスカーソルを吸い付かせて、そこから図形を作ったり、そこへ図形を移動させたい時は、交点にスナップさせる必要があります。が、してくれない。検索すると公式Q&Aや動画が出てきて、もちろん何の役にも立たない。
という状況で困っている人のために解決法を提示します。
スケッチ編集モードに入るとスナップするのが原則
スナップしたい図形で右クリックし、「スケッチを編集」をクリックし、XYZいずれかの平面を選択するとスケッチモードに入り、スナップが効くようになります。
但しこれだけでうまくいかないケースは非常に多くあります。その場合は続きを読んでください。
スナップするのは同一ブラウザオブジェクト内のみ
スケッチ編集モードに入るとスケッチの一部が消えてしまうとか、入ってもスケッチの色が薄くてスナップしないとかいう時は、各々のスケッチが別々のブラウザオブジェクトに分かれてしまっています。
自分で補助線を引いたのに交点でスナップしない、という時も同様に、補助線が別のブラウザに入ってしまっています。
ブラウザとは、画面左にあるレイヤーみたいな表示のことです。ぶっちゃけレイヤーそのものなんですが、Fusion360界隈は、もったいぶった回りくどい言い方を好みます。
大多数の一般の人にとっては心底どうでもいい、複雑にするだけの言い方と思われますが、無料なので耐えて自分を合わせてください。その方が後々自力で検索する時助けになります。レイヤー=ブラウザオブジェクト です。
交点などでスナップさせるには、どれか一つのブラウザオブジェクト上に図形をまとめる必要があります。
しかし複数に分かれたブラウザオブジェクトを合体統合することは、できない仕様です。代わりに、統合したいオブジェクトをまとめて選択し、新しいブラウザに投影コピーする方法をとります。
まず、コピー元のスケッチオブジェクトをまとめて選択し、右クリックメニューからコピーします。
コピーしたら左上のスケッチアイコンからスケッチ編集モードに入り、そのままControl+Vキーを押してください。
新しいブラウザオブジェクトが生成され、コピーした時と全く同じ位置に、スケッチが貼り付けられますので、ウインドウのOKボタンを押して確定してください。
以降は、交点でスナップします。全ての図形が同じブラウザオブジェクトにコピペされたからです。このままやりたかった図形を描くなり、交点に点を打ってピボットしてから移動するなど思いのままです。
作業が終わったら、右上の「スケッチを終了」ボタンを押してスケッチ編集モードを終了してください。もう一度再開するには、最初の手順に戻ってください。今コピペしたスケッチ上で右クリックし、「スケッチを編集」を押すところからです。
今度は、同じブラウザオブジェクト内に図形が揃っていますから、ちゃんとスナップします。何度もコピペ作業する必要はありません。
自分で引いた補助線との交点でスナップさせる方法
補助線を引くときに、交点などを作りたい相手の図形を右クリックして、「スケッチの編集」を押してから補助線を描き始めれば、今度はスナップできます。
この場合は、今すでにあるブラウザオブジェクトに対して、図形を追記した格好になるからです。
スケッチのクセを理解して進めよう
交点でスナップしなかった理由は、スケッチモードに入っていないことと、各スケッチが別々のブラウザオブジェクトになってしまっているという、2つの原因の複合で起こります。
今後こうした面倒を避けるには、原則としてスケッチを一つのブラウザオブジェクト内で描き続けるように心がけると良いでしょう。
その為には、スケッチを書き足すとき、いちいち元ある図形を右クリックしてから、「スケッチの編集」をクリックして、対象のブラウザオブジェクト内で作業を進める必要があります。
この手順を踏まず、何も考えず左上のスケッチアイコンを押して描き始めると、自動的に新しいスケッチオブジェクトが生成され、統合できない仕様です。
色々不合理で不便ですが、そういうアプリなので仕方ありません。こだわらず進めましょう。
原点の円スケッチが移動できない時の解除方法
Fusion360で原点を始点とした円を描いて、あとから移動できなくなって困っている人に解決法を提示します。
他のサイトで、一致を解除しろとか黒丸がどうとか原点で右クリックとか一致拘束のアイコンをDeleteしろなどと的外れなことを言われて、解決できなかった人むきの情報です。
円を書いた直後は一致拘束アイコンが出現して操作できるけど、保存して開いた後やしばらくすると2度とそのアイコンが出現せず動かせない、出る時と出ない時がある、などと混乱している人にも適する情報です。
他で何十分調べても分からなかったようなことが、ここで1分で片付くのでご覧ください。
左上のスケッチフォルダから編集に入れば一致拘束解除できる
左上の「スケッチ」フォルダからプルダウンし、四角形に小さな赤い錠マークがついたスケッチ上で右クリックし、「スケッチを編集」をクリックしてください。
すると、円の中心にカーソルを近づけた時、ちゃんと一致拘束アイコンが出現するようになります。
あとはこのアイコンをクリックしてからDeleteでも、原点の黒丸で右クリックから「一致を解除」を選択しても、拘束を解くことができ、円を移動できるようになります。
スケッチには編集モードと停止モードがある
こんな面倒の起きる原因は、スケッチに編集モードと停止モードが存在することにあります。これを理解すれば、もう悩まなくて済みます。
一致拘束を解除できるのは編集モードの時だけです。円を書いた直後は自動的に編集モードなので、一致拘束アイコンが出現します。書き終えて他の作業に移ったり、図面を保存して閉じると自動的に停止モードに入るので、一致拘束アイコンは出なくなってしまいます。これが、最初は解除できるのに保存したあとは一致拘束アイコンが出てこなくなってしまう原因です。
停止モードに入ったスケッチ図形に対して、今読んだこの記事の方法やその他の方法によって偶然再び編集モードに入った場合は、また一致拘束アイコンは出現し、解除できるようになります。これが、使っているうちにアイコンが出る時と出ない時があると感じる原因です。
「Fusion360へのログイン時にエラーが発生しました」エラー対処法
Fusion360をインストールし起動したところ、「fusion360へのログイン時にエラーが発生しました」と表示が出て進めなくなった方のために、筆者の解決事例をメモとして残しておきます。
筆者の場合はこのエラーの原因は2つのファイルの破損にありました。端末環境はMacBookAirM1です。
再起動やタイムゾーン、公式のサポート記事やその他記事、再インストールやファイアウォールなど何をやってもダメだった方は、この方法を使うと解決します。まさかのOS再インストールなどといった手段ではないのでご安心ください。
なおWindowsでは使用できない方法です。ご了承ください。
手順1.LoginState.xmlを見つけ出し、削除する
この方法は公式にも案内があるのですが、案内がくそ過ぎて誰も分からなかったと思います。
まず「Loginstate.xml」というファイルを見つけ出します。このファイルは検索にかからないよう、メーカーのAutodeskによって障害がかけられています。手動で探すしかありません。
失敗なく一撃で終わらすために、必ずFusion360を閉じ、Macを再起動してから、下記に沿ってやってみてください。
Finder>「あなたのMacの名前」>Macintosh HD(人によってここも異なる名前の場合があります。ハードディスクのアイコンいずれかが該当するので、探してください)>ユーザ>「あなたのユーザー名」と進んでください。
このフォルダに来たら、Command⌘+Shift⬆︎+.(ピリオド) キーを同時押ししてください。
すると隠しフォルダがグレーで表示されます。あなたのユーザー名直下にある、ライブラリ>Application Support>Autodesk>Web Services と進んでください。
そこに、「LoginState.xml」がありますから、削除してください。まだ終わりではありません。
手順2.NMachineSpecificOptions.xmlの名前を変更する
この方法も公式に案内があるのですが、Toggle Alfredがどうとか撹乱情報が多すぎて核心が隠されているので、誰も分からなかったと思います。Alfredなんて不要です。
まず、さっきLoginState.xmlを削除したFinder画面から、同じAutodeskフォルダ内にある、今度はNeutron Platform>Options と進んでください。
そこに、「NMachineSpecificOptions.xml」がありますから、ファイル名の頭に「backup_」などと付けて名前を変えてください。バックアップだと分かる名前ならなんでも良いです。
これで手順は終了です。Finderを閉じ、アイコンからFusion360を起動してください。お疲れ様でした。気持ちよくアプリを楽しんでください。
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