2021年7月より メルカリShops のメルカリアプリ内サービスがオープンしました。個人法人を問わずネットショップを開設できるサービスで、現時点で競合にミンネ、クリーマ、あるいはベイス、カラーミーなどが考えられます。
メルカリは競合に比べ圧倒的にユーザーが多い、つまり、商品が売れやすいので、有力な候補となる可能性があります。
また、ネットショップ未経験の個人にとっても、メルカリらしさ、つまり匿名性がどうなのか気になるところと思います。
すでにネットショップをやっている人にとってはメルカリShopsの送料・手数料体系が、これから興味のある人にとっては匿名性が、それぞれ核心的に気になる部分と思いますので、その点に絞って情報収集し、競合と比較検証していきます。
なお基本的な内容のコピーは当サイトでは扱いません。公式サイトをご覧ください。
メルカリShopsは匿名でできるのか
個人ショップなら住所・電話番号を非公開にできる
売り手側の匿名性については少なくとも、運営者情報を通常非表示にはできるものの、ユーザーから開示請求された場合は、ショップの運営者情報として住所、電話番号、氏名が開示されます。これはどういうネットショップアプリでも共通の宿命で、特定商取引法によるものでした。
当サイトはでは以前、下記のニュースを紹介し注視していましたが、2022.4月より、個人・個人事業主のショップに限り、住所と電話番号を非公開にしても特商法をクリアできるようになりました。これはかなり飛躍的な進歩です。
2021.10月更新情報
特商法に由来する匿名問題を解決させうる情報が出現しました。メルカリShopsがその恩恵にあずかれるかまだ不明瞭ですが、注視したいところです。
返品処理が起きた時は住所電話番号の開示が必要ですが、それは通常のメルカリ便でも同じです。
なお名前については、公開する必要が残ります。ここでいう名前とは、個人事業者の場合は戸籍上の氏名又は商業登記簿に記載された商号、法人にあっては登記簿上の名称です。要するにほとんどの場合、本名の開示は必要です。
買い手側も匿名で買える
買い手側の匿名性については2022.2月より、メルカリ便を使用することで保たれるようになりました。要するに買う方は通常のメルカリと同じ感覚で購入することができます。売り手にとってはかなりお客さんの裾野が広がるので、素晴らしい発展です。
送料はどうなるのか
送料についても通常のメルカリ便が使えるようになったので、2023最安配送料一覧表﹘メルカリ がそのまま使用できます。
加えて、大量出品やサイズ・色違いをまとめて出品できるサポート機能が加えられました。
さらにクールメルカリ便がサイズ別全国統一料金で使えるようになりました。クール便が匿名で、距離別送料がかからず使えるということです。凄まじく革命的な進歩です。競合が滅亡するかもしれません。
競合との手数料比較
送料体系がまだ不明のため、真の競合が何なのかまだ断定できません。とりあえずハンドメイド系アプリとASP系ECアプリで比較しておきます。Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングといった大口モールECは現時点では比較から外しています。
カラーミーは昔はベイスと似たような料金体系でしたが、今は大口ECのような定額制に変更されました。
手数料表 | 初期費用 | 定額費用 | 販売手数料 | 振込手数料 |
メルカリShops | 0 | 0 | 10% | 200円 |
ミンネ | 0 | 0 | 10.56% | 220円 |
クリーマ | 0 | 0 | 11〜15.4%+42円 | 55〜275円 |
ベイス | 0 | 0 | 6.6%+40円 | 750〜250円 |
カラーミー レギュラープラン | 3,000 | 月4,950 | 0 | 4%〜 決済方法による |
STORES フリープラン | 0 | 0 | 5% | 275円 |
手数料設計から言えることは、ASP系ECアプリではなく、ミンネやクリーマといったハンドメイドアプリを競合として意識しているということです。というか、2022年初頭の矢継ぎ早のサービス改善により、トップになるのは時間の問題となりました。他社は潰れるかもしれません。
その他注意点とメリットまとめ
通常のメルカリとは逆に、古物商許可がないと中古品販売ができません。古物営業法に引っかかるからです。これは、このサービスのクール便の売り手には、ライバルが少なく済むことを意味しています。
中古で、クール便が必要な何か・・そういう商品を見つけられたら、許可証が参入障壁になって有利に商売をできます。
賃貸住まいでないなら、古物商許可を取得するのはそう難しいことではありません。売り物のアイデアがある人は、とにかくすぐに調べてみることをお勧めします。
他に今ある情報を総合すると、メルカリShopsのメリットがあるのは、今農業や食品加工など、クール便を必要とする生産者のかたです。新品ならば古物商許可はもちろん不要です。後続が殺到して何かサービスが改悪される前に、いますぐ始めましょう。
あとはミンネやカラーミーなどすでにハンドメイドかECアプリで安定的にネットショップをやっている人は、乗り換えないまでも並行して始める好機到来です。一刻も早く参入し、広い市場を試す価値があると思います。
ネットショップをやったことがない、小口販売の個人からすると、新品の大量在庫品や、新品未開封のクール便が必要なときだけ有用でしょう。
おまけ 今後の展望に関する考察
当初サービス開始時よりメルカリShopsをこの記事で更新しつつ見てきましたが、当時の予測よりもメルカリの能力はかなり先を行っており、特定商取引法や古物営業法といったしがらみを上手に超えてきました。
はっきりしてきたのは、このサービスは法人や個人事業主の売り手がターゲットだということです。個人の売り手は通常のメルカリ、組織はメルカリShopsと分けていくのでしょう。
ただ、今のところサービスを分けたことのメリットがあまり見えません。このままなら、通常のメルカリと統合して出品時の売り手登録の際に個人とプロとでアカウントを分けるだけでも良さそうに思います。
それにしても他所のサービスではプロアカウントとして有料料金を取りそうなサービスを無料で提供しているのだから、やれる人は大変お得なサービスといえるでしょう。実際、法人や個人事業主は将来的に有料化する確率があると筆者は予測します。だからこそやれる人は早めにやることをお勧めしています。
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