MacBookAirM1 安全な45W高速充電器検証とおすすめ で端的に最高峰45Wコンパクト充電器としてNanoシリーズを推奨しましたが、実は同じAnkerでも僅差で高性能な他のシリーズにAce、Atomがあります。
その違いを記事で一覧表にまとめ、比較優位を有するものを黄色で塗りました。最多優位はNano一択になりますが、他の特徴を優先したい事情のある人は以降の解説を読み検討してみましょう。
Nano,Ace,Atom Anker45Wコンパクト充電器 性能詳細比較
コスト
コストはAnker公式定価表示です。時折Amazonなどセールで1,000円近く安くなることもありますから、あくまで参考です。最安はAtomであり、以降で解説する性能差および最も旧機種であることに起因しています。
重量と体積
45Wコンパクト 充電器比較 | Nano | Ace | Atom |
重量 | 68g | 69g | 85g |
体積 | 54.53立法cm 35×38×41mm | 54.53立法cm 35×38×41mm | 84立法cm 84×50×20mm |
GaN | GaNⅡ | GaN | GaN |
プラグ折畳 | ○ | ○ | ○ |
NanoとAceの重さと体積、外形はほぼ全く同じです。
Atomは前2者より25%重量増、54%体積増というデメリットがあります。
ただしAtomは他よりも厚さが43%も薄く20mmで済むというメリットを備えます。
NanoやAceは非常にコンパクトで便利なものの、カバンや洋服の薄いポケットに入れる場合は厚さが仇になります。そういう場面の多い人はAtomは良い選択肢になります。
一方で薄さがデメリットになるケースを認知しておく必要があります。コンセントがたくさん並んでいるようなタップに刺す時、Atomは5cmという幅広さがあだになり、隣と干渉する確率は高くなります。NanoやAceなら幅3.5cmです。
また、Atomは他に比べて薄いと言っても2cmもあることに留意してください。
GaNとプラグ折畳
なおGaN(窒化ガリウム)とは充電器の発熱を抑えることで結果的にコンパクト化に寄与する原料および技術の総称であり、全部に採用されていますが、Nanoのみ最新のGaNⅡ採用となっています。
※注記:一般に電力を消費する電子回路は、コンパクト化を進めるほど発熱が高まり、排熱処理に苦労するようになる。代表例はCPU。
GaNⅡは回路の向上によりさらなる熱低減とノイズ低減達成とありますが、定量的な比較情報はありません。外形はAceと同じなので、熱低減量は知れていると思います。Ⅱであってもなくても、気にする必要はないでしょう。
※注記:Nanoの分解画像はネットに出回っており、体積の多くを断熱材が占めていることが知られている。断熱しなければ、発熱時に手で持っていられないくらい熱くなる恐れがある。
プラグはどの製品も折り畳めます。持ち運びのことを考えると、プラグを折り畳めない充電器は災いの元としか言いようがありません。必ず折り畳める製品の中から選択しましょう。
USB PDとPPS、PowerIQ
USB PD はUSB急速充電の公式規格で、全機種備えています。PDの能力を発揮させ45W高速充電させるには、以下記事にある100W級のPD対応ケーブルが必要なので注意してください。
PPSはPDの拡張規格で、充電する機器に合わせて適切な電流量を制御でき、過剰な電流や発熱を防ぐことの出来る技術です。
実現すればバッテリーの長寿命化につながるので役立つ技術ですが、充電する相手側の機器もPPSに対応していなければなりません。2023年現時点でそれはGalaxyS21など一部機種に限られます。
よって、PPS対応端末を所持しているので無いかぎり、選択にあたりPPSの有無に必要以上に拘る必要はありません。
PowerIQはAnker独自の電流制御技術ですが、全機種最新の3.0Gen2を備えているので比較検討の必要はありません。
PSE
PSEは電気用品安全法にもとづく安全認証マークの制度で、基準合格品は製品にPSEマークが記されています。3種どれでも表示はあり、適合です。
PSEについて法的根拠等をより詳しく知りたい人は以下灰色の解説を御覧ください。読まなくても問題ありません。
PSEのない製品は違法なのか
基本的に現在、国内でPSEのない一定の電気用品はその製造・輸入・販売および電気事業法第二条第一項第十八号に定める電気工作物設置等の用途(発電、蓄電、変電、送電、配電、電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物)における使用が違法です。
ただしいくらかの猶予措置が存在しており、いま販売等している業者が直ちに全員違法というわけでもありません。
日本国内において正論は言うまでもなくPSE記載製品のみを用いることですが、製造や輸入、販売と一部の使途が違法なのであって、所持や一般人の通常利用は違法ではありません。
よってPSE未記載製品でも、すでに持っているのをただちに捨てるとか、これから買う製品について血道をあげて確認するといった行動は、消費者個人にはまだ不要といえます。(※注記:PSEマークは、それが表示されているかどうかを監視し、違反品を通報告発することに血道をあげる民間の個人が少なくない。)
一般の個人において唯一注意すべきなのは、販売が違法になることで、これはメルカリでの売却不可を意味します。メルカリの規約にも明記されています。(PSE代わりに旧電取法上の表示があれば適法)
IEC
IECについてはIEC 62368-1という国際規格に準拠しており、同じく安全性に関する規格です。特に電波の人体への影響を考慮した規格とされており、寝床で継続的に使うとかそういう人は気にしてみると少しは安心できるかも知れません。
無論、電磁波を気にするなら最も良いのは体に近すぎる場所で長時間使用しつづけないことがベストです。
比較の結論
- 基本的にNanoが45W高速コンパクト充電器の最高峰
- AceはNanoとほぼ同じであり、存在意義が不明。材料費の低減など、企業のコストダウン製品である可能性が疑われる。積極的に選ぶ理由はない
- Atomは多少なりと安く薄いものを探しているなら今なお検討の価値がある
以上となります。あまりにも似たりよったりで多すぎてよくわからない、最近のAnker製品に対する読者の疑問解決にこの記事が役立ったならば幸いです。
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