こないだ回転寿司に行ったら、選べる寿司が恐ろしく減ってた。焼肉食べ放題に行ったら、出てくるのが遅いし品質がひどい。チェーンの値上げや欠品が目立つ。こんな体験を最近しませんでしたか。
食糧の多くを輸入に頼る日本において、インフレ物価上昇時代の外食は非常に高くつくものに、さもなくば安かろう悪かろうの体験に、これからなってゆきます。
とはいえ家庭で外食をやめてしまっては、つまらないし面倒くさいことこの上ありません。
そこで特に割に合わない外食と、そうでもない外食がどれになるのか、インフレ時代を見据えて提言しておきたいと思います。暮らしの設計にご参考ください。
単純安値の輸入外食が死ぬ
結局のところ安い原料と労働力を大量転売することに利益の源泉があったものは、これから単純に死にます。回転寿司、安焼肉、食べ放題、あと外食じゃないですが安い服飾なんかもそうです。
具体的には品質の劣化、欠品、サイズや量の縮小、値上げ、それから人件費にしわ寄せが行ってサービスの低下、これはメニューが出てくるのが遅いとか、働く人が辛そうとか、そういう方向です。
今までと同じお金を払っているのに、食べられるものも、得られる体験も、どんどん悪くなっていきます。あるいは、もっとお金が必要になる、そのどちらかです。
外食が値上げする速度の違いを見る
もっとお金が必要になる、つまり外食店が値上げする場合、サービスを考え直す好機です。コストプッシュインフレで値上げする場合、品質は何もよくならないのに値段だけ上がるためです。
日本は多くの食料を輸入に頼っているので、円安も手伝って最終的に全部の外食が値上げしますが、その速度には差があります。遅いものを今のうち楽しんでおくのは、今だけの最後のチャンスです。
最速で値上げするのは生鮮食品で、具体的には回転寿司です。海鮮依存の外食店が最初に死ぬ。すでにもう厳しいと思います。
ついで、今すぐ家庭で出来るインフレ物価上昇対策 で分析した国際資源価格推移を見ると小麦やコーンなどの、米を除いた穀類がすでに上昇しています。これはパンとかピザとかですが、しかし元の単価が低いので1回の外食あたり価格への影響はそれほどでもありません。
畜肉は意外とまだ上昇していません。これからです。安い焼肉店や牛丼、きんぐとか安楽亭が好きだった人、これは筆者もそうですが、今のうち名残を惜しんでおきましょう。
値上げしても行く価値のある外食・ない外食
値上げは仕方のないことですが、サービスが何も良くならないか悪くなっているのに値上げすることに、不満を持ちながら外食するのはあまり良い体験ではありません。
どの企業も努力して、代わりの食材や味付けで新しいインフレ対抗メニューを出してくれると思いますが、体験してみて不満に感じたら、それを店やSNSにぶちまけるのでなく、自宅で再現できないか試す好機です。
実のところ、冒頭に述べたインフレの直撃をモロに受けるタイプの外食カテゴリーは、ほとんど調理不要で食材をそのまま食べるような代物ばかりです。
ここまで劣化して値上げするなら、もう自宅で手巻きをするなり焼肉するなりした方が、むしろずっと価値を増す時代に、これからなります。
近頃は握りずしキットとかツール、焼肉が特においしく焼けるプレートや焼き鳥機など、エンボス付きの使い捨て手袋など、自宅での調理をおいしく楽しいものにする安価な小品が増えています。家族と外で並んで金を払って不満を溜め込む代わりに、さっさと切り替えてしまいましょう。
子供がいるなら、自宅でお店やさんごっこしたりバイキングを作ると楽しめます。筆者は寿司で時々やってます。
逆に、高級じゃなくても調理が凝っているとか、味付けが特殊なものは、引き続き外食する価値が残ります。例えば片付けの面倒な揚げ物とか、作るのが面倒な多品目のセットとか、冷やすのが面倒な冷たい麺とか、謎なスパイスが多種入ってそうなエスニックとか、そういうものは家でやるより外食した方が引き続き高効率です。
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