名前の分からない物をGoogleで探す方法は逆画像検索といって、昔から簡単無料で存在します。
この記事ではまず、名前が出てこない一般的な物を簡単に検索する2つの方法を、2分で紹介します。
その上で、探すのがもっと難しい物を見つけ出す方法を例示します。
名前の分からない、あなたの遠い思い出の中にしかない品物です。必要な方はご覧ください。
名前の分からない物を探し出す方法
一般的な品物
上記の品のように、誰もがどこかでみた事のある、でも名前が出てこないような一般的な品物は、探すのが非常に簡単です。画像検索を使います。
Googleで、思いつくままにその品物を表現して検索してください。なるべく単語に分けてスペースで空けた方がより良いです。
結果が出たら、上部メニューから「画像」をタップしてください。PC版Googleでも同じです。
すると画像で結果が出ますから、よく見て手がかりがないか確認しましょう。
結果が腑に落ちない場合は、画面をスクロールして「類似の画像」をタップし、探してみてください。画像が多すぎて探しにくい時はメニューから色を選ぶと探しやすくなります。
緑色で絞り込んだところ、上記の結果を得ました。この品物の名前は「バラン」だったと分かります。こんな風に、画像検索を使うと名前の分からないものを探すことができます。
写真やネット上の品物
言葉ではなく、ある画像をもとに別の類似画像を探すことで、画像に映ったものの名前を検索することができます。これを逆画像検索といいます。スマホでもできます。
Chromeブラウザなら標準で、画像を長押しすると「この画像を検索」ボタンが出ますから、押せばできます。
iPhoneでブラウザがSafariの場合は、iPhone標準アプリで画像を使って検索する無料の方法 を使って同様に画像長押しで逆画像検索できます。以下は筆者が撮影した写真です。
この写真を画像検索すると、以下のような検索結果を得ます。似た画像を見つけたらタップすると、その画像が使われたページが開くので、断定できる手がかりのキーワードが見つかります。
今回だと、GYOKO-DORI / 行幸通り とすぐに表示され断定できました。
あなたが写真に撮った品物や場所、あるいはネット上の画像に映った品物も、それが一般的な物である限りは、こうして簡単に探し出せます。
パソコンでやりたい場合は、以下の緑色ボタンからリンク先のGoogle検索窓に、探したい品物が映った写真や画像をドラッグドロップ(画像をクリックしながら引きずり、検索ボックスでクリックを離す)して検索してください。
例えば芸術品やイラスト作品の作者を調べたい時や、じぶんの画像がどこかに流用されていないか調べるとき、拾った写真が合成加工された偽物でないか鑑定したい時などに有用です。
思い出の中の品物を探し出す方法
思い出の中の品物とは、例えば街ですれ違った人が持っていた気になるガジェットやブランド品、あるいは死別した人と大切にしていて今失くしてしまった物など、筆者はおろかあなたの一番近しい人ですら知らない、あなたの記憶の中にしかない物です。
この品物を探し出すのは、冒頭のように簡単にはいきません。どうしても見つけたいという思いがないと、途中で耐えられなくなってしまいます。それでも探したいものがある人は、このまま読み進めてください。
これから、筆者が自分自身の思い出の品を探して実演します。あなたも、じぶんの思い描く品を当てはめて想像しながら読み、次はじぶんでやってみてください。
では始めましょう。思い出の品物を検索するには、大量の画像を超高速で、世界一正確に思い出との一致率を識別できる検索エンジンが必要です。あなた自身の目と心です。
大画面が役立つ
これから取り組む方法は、すごく大量の画像を見ていかねばなりません。スマホでは画面が小さく、画像を1枚1枚スクロールしてみていかねばならないため、実質不可能です。
性能は低くても良いので、パソコンの大きな画面で取り組んでみてください。画面が大きければ、タブレットでも良いです。
記憶を辿る
この画像は便宜上、筆者が探している思い出の品を、分かりやすく記憶に残っている部分だけ表示した物です。もちろん、実際にこういう画像があるわけではありません。頭の中にぼんやり記憶の映像があるだけです。
私事ですが、筆者には新婚旅行で外国クルーズ船に乗り、その船に置いてあったジグソーパズルが楽しかった思い出があります。これはその絵柄の断片的な記憶です。
今から例示のためにこの灯台が描かれたジグソーパズルを探していきます。皆さんにとっては、筆者の探し物が見つかるかどうかの結果は重要でありません。どう探したかの過程、方法が重要なので、間違いや失敗も含めて、長くなりますが一緒に見ていきましょう。
記憶をキーワードに絞り込み、視野を広げる
記憶を出来るだけイメージしたら、その特徴を一般的なことばに置き換えます。冒頭最初に説明した方法と同じです。
ここでは、「灯台」「海」「青空」「雲」「丘」「男性と女性」などでしょうか。
ことばを抽出したら、探す物の特徴を最も強く捉えていると思うキーワードの順に、並び替えてみましょう。皆さんもちょっと考えてみてください。
ここで選んだキーワードでさっきの画像検索をしていくので、ここが一番大事なところです。
最も良いのは、以下のように発想できることです。
「ジグソーパズル」「灯台」「青」「男性」「女性」
今探しているのは、この絵のジグソーパズルです。この絵は空と海が大きかった気がしますが、作品として描かれているのは明らかに、灯台の下で出会う男女です。また、全体として支配的な色彩が何色だったか分かると役立つことは、冒頭最初に説明しました。
探し物をするときは思考が細部に集中しがちですが、常に視野を広く持つことを忘れないでください。
画像検索する
キーワードが優先度順に揃ったら、最初の方法で画像検索します。
ですが、今回のようなケースではもう一つ手間が要ります。このジグソーパズルは外国船に置いてあった外国製品で、ピースの形もいびつな、あまり日本で見かけない物でした。
つまり、探し物は外国製品なので、キーワードは英語に変えておく必要があります。やり方が分からない人は、以下の茶色いボタンからリンク先で左側にキーワードを入力してください。変換言語は上部のボタンで変えられます。
もちろん、あなたの探し物が国産品だったと思うならばこの手順は不要です。そのまま日本語で検索に進んでください。
先程のキーワードは、以下のように翻訳されます。
キーワードがターゲットの言語で揃ったら、最初の方法で画像検索を始めます。以下の再掲ボタンから、検索窓に直接キーワードを打ち込んでください。画像をドラッグドロップせず打ち込むと、普通の画像検索にも使えるようになっています。
まずは、2つか3つ程度の優先キーワードで検索してください。今回だと、「jigsaw puzzle」と「lighthouse」です。すると以下のような結果になりました。
結果が出たら、ザーッとスクロールして目的のものがないか目で探してください。これだけで見つかることもあります。
いくらスクロールしても見つからないと感じる時は、最初の方法と同じように、色を使います。上方にある「ツール」を押すと色を選べるメニューが出るので、選択してください。今回は青です。
すると以下のような結果に変化しました。またザッとスクロールして探します。色は近くなりましたが、いくらスクロールしても全然見つかりません。
どこまでスクロールすればいいかというと、全体的にあまりにもかけ離れてきたとあなたが感じるまで、どこまででもです。たくさん見れば見るほど良いです。素早く大量にみていってください。
しかし、見つかりません。ここが、探し物で2番目に重要な山場です。
色で絞り込んで見つからなければ、この後さらに「man」や「woman」などキーワードを増やして絞り込む・・・ことを考える前に!
視野を広く持って常に画像全体を見渡してください。明らかにあなたの探し物と関係ないノイズが混じっていないか確認しましょう。
もう一度見て考えてみてください。あなたがいつか探し物をするときは、今と状況が違いますから、結論ではなく考え方の過程が重要です。
ノイズは、写真です。探しているのは、手書き風の絵のタッチだったと記憶しています。写真ではありません。写真の検索結果は邪魔です。これで、隠れた重要キーワードに気づくことができました。
「絵」です。これを英語に変換して、新しいキーワード「picture」を得ます。
ノイズを除去する
先程得た「picture」を末尾に加えると、以下のような結果になります。大幅に絵が多くなりました。
しかしこれは、青くありません。キーワードを変えて検索し直すと色の設定がリセットされてしまうのです。なので再度青色で絞り込んでみると、以下の結果となりました。
するとまた写真が多くなってしまいました。しかもpictureを入れる前と大して変わりません。こういう時は青にこだわらず、色の絞りを外して見てみましょう。青は先程さんざんスクロールして探したので。
このように「青」で絞ったり外したり、「picture」もよく考えたらあってもなくても、最初の検索結果と大して変わらないかも知れません。
画像検索のコツは、言葉の検索と違って、絞り込みではありません。キーワードの視野を絞ったり、広げたりを何度も繰り返しながら、全体として視界に映る映像に、探す画像と近いものが多くなるようなキーワードの組み合わせを、試して見つけていくことにあります。
絞ったものを外したりすると無駄な苦労をしているような気分に囚われますが、間違っていませんから、何度も視野を絞ったり広げたり、特に何度も、視野を広げ直すことを恐れず繰り返してください。
さて、青を外してpictureを加えましたが、相変わらずいくらスクロールしても見つかりません。写真のノイズが減っただけです。
絞り込む
ノイズを減らしてから、絞り込みのキーワードを加えます。「picture」を加えた状態で、まずは、「man」を試します。以下の結果となりました。
「woman」も優先度は同じなので、「woman」に変えて試してみます。すると以下のようになりました。
拡大して比較すると、「woman」の方が絵の中に人物が多く、その意味では近いような気もします。少なくとも、思い出の中の絵には、小さくとも人物が中心的に描かれていたことは間違いないのですから。
このあたりからの判断は思い出を持つ本人の心が最優先で重要になってきます。いよいよ、徐々に機械の及ばぬヒトの心の中の探索に入っていきます。
機械に止められても探し続ける
見ていくと、段々記憶と似ているような気のする画像が多くなって来ました。
これらなど、海が大きすぎますが部分は似ているような気がします。似ていると思ったものは、クリックしてみてください。すると、画面の右側に関連画像が出ます。
関連画像はスクロールして下の方までチェックしてください。ここで見つかることもあります。さらに似ていると思った画像があったら、さらに見てみるのも良いです。今回は中央の関連画像が似ていましたが、クリックしても見つかりませんでした。
元のスクロールに引き返し、探索を続けます。途中、下記のような注意書きを機械が表示してきます。まだ画像がかけ離れてはいないと思う場合は、「引き続き他の画像を見る」で探索を続けてください。
それでもどんどん遠く深くまで見続けていくと、以下のような表示が再び機械から出されます。
この表示が出ても、まだ画像の傾向が思い出とかけ離れていると感じない限りは、ここで引き返さないでください。
頑張ってスクロールしながら探索を続けましょう。
ずっとずっと、さらに最後まで見ていくと・・・・・
「未読はありません」この表示が出たら、そこは行き止まりです。この検索ワードでは見つかりません。視野を広げ直す必要があると分かります。
絞り込みを減らす
検索ワードが行き止まりや、あまりに見つからない場合は、あえてワードを減らすのが有効なこともあります。
今回は、あえて「jigsaw」を減らしてみました。すると、若干女性の写真が増えましたがちょっとパターンの違うジグソーパズルの画像も増えました。また、「もしかして:puzzle lighthouse pictures woman」というスペル違いの提案がGoogleから表示されました。
押してみて少しスクロールし確認したところ、提案先は女性の写真がより多いように感じられたので、今回は提案を採用せずこのまま探すことにしました。この辺りはもう完全に探す本人の感覚です。
さあ、気を取り直して、元気を出し、広がった新しい視野でまたやり直しです。どんどんスクロールし、近い画像をクリックして探しては引き返し、を繰り返してみていきます。
すると、おや、これは。。ちょっと灯台が遠くにありますが、画面に占める色の割合と比率は記憶に近いような気がします。クリックしてみましょう。
しかし残念ながら、関連画像にも、さらに画像自体が載っていたウェブサイトにも、手がかりはありませんでした。引き返し、さらに探します。
こんな感じで、どんどん深く見ていっては時折クリックし、ダメなら視野を広げ直してキーワードを入れ替え、探し続けます。。。
すると、物凄く近く感じられるものが!!!色は濃すぎるような気もしますが、人物の小ささや建物の絵の感じ、タッチがこんな感じだったような気がして来ました。
そこでこの画像をクリックしてみると。。
・・・関連画像はかけ離れていました。見つかりません。そこでクリックして出てきた作者名と思しき名前でキーワードを入れ替え検索し直してみます。
・・・ありません。余計に遠くかけ離れてしまいました。かなり近いところまで行ったのですが、今回はダメでした。
見つからないとき
こうして長時間探し続けていくと、段々もう無理なんじゃないか、最初から何かが間違っていて、いくら探しても無いんじゃないか、という気になってきます。筆者はまさにそういう気分になりました。いい加減疲れても来ます。
皆さんは、ここまで読んできて、どう思われますか?確かにいつまで経っても見つからず、見ている方もしんどくなるレベルかも知れません。
しかしはたから見ていると、筆者が見ている画像の全体像、確かめに行っている画像は、すごく近づいて来ていると、思いませんか。
探している本人は集中して視野が狭くなっているので、じぶんを客観的に見ることができません。でも皆さんは今客観的にその様子を見れています。
だからあなたも、これからじぶんの探し物を探し始め、もう無理なんじゃないかと思った時、ここで見たことを忘れずに思い出してください。あきらめないで、きっと、あと少しだと。もうそこまで来ているんだ、と。
方法を変えて試し続けよう
その後何度もキーワードを変えて探し続けますが、見つけることはできませんでした。
それにしても、一番近かったあの画像は気になります。そういう時は、逆画像検索もやってみましょう。
皆さんも、じぶんの探し物をする時は、毎回やると手間で面倒ですが、すごく近いと感じる厳選画像数枚を見つけられたならやってみるべきです。
先程のように作者名と思しきものにワードを変えたり、リンク先に別の画像検索サイトがあればその中を覗いてみるのもありです。とにかく、方法を変えていろんな探し方を試しましょう。
例のリンクを以下に出します。似ていた画像を一旦右クリックでダウンロードしてから画像検索しても良いですし、ウィンドウを並べて直接ドラッグドロップしても構いません。やってみましょう。
すると、以下の結果を得ました。記述を見ていきます。
思い出との一致率99%です。ついに、見つけました。
機械が示したその真の名は、The Lighthouse Keeper’s Daughter / 灯台守の娘
ただちにクリックしてジャンプします。
これが、ずっと、私の探していた品物です。
おまけ
いちどでも探し物を見つけられたら、その後は呆気ないほど簡単に、何度でもいろんな方法で見つけられます。
例えばさっきのかなり近い画像を見つけた時、リンク先のPinterestというサイトをもっとよくみると、似たタッチの作家名「Charles Wysocki」というキーワードを得られます。このキーワードでも、辿り着けます。
さらに結果だけみれば、探していた絵柄は青空でなく雲りでした、また、海はありません。海だと思っていた場所は、空です。筆者はクルーズ船で旅をしていたので、海の記憶が混じったのかも知れません。
結果論に過ぎませんが、あの時「青」にこだわり、絞り込みを外さずにいたら、見つかっていなかったこともあり得ます。
馬鹿みたいに遠回りしたと感じるかも知れませんが、結果をみるまでは、遠い思い出の中でどの記憶が正しいかは分かりません。こうして記憶の中を探し続けた過程がなければ、絶対に辿り着けません。
だから結果だけ見て、最初から逆画像検索やPinterest、インスタや部分検索を使えば一発解決していたかというと、上記のように、全然そんなことはありません。やってみれば分かります。
遠い思い出の品を探し出すには、方法だけではなく、間違いや失敗も含めた過程が重要なのです。
だから、長く失敗だらけのこの記事を書きました。
今回筆者の探し物を助けてくれた機械は、下記のMacBookというパソコンの、一番安いモデルです。キーボードがついていて画面が綺麗、動作が素直で賢い相棒です。
同じメーカーの製品で、もっと安くて探し物に十分な性能があるものは、以下のiPadというタブレットです。
いつかあなたにも、探し物が見つかると良いですね。ここまでご拝読いただき、ありがとうございました。
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