おしゃれで清潔なガラスまな板を使ってみたいけど、刃こぼれや音鳴りの口コミが気になる。あるいはせっかくワクワクして素敵なガラスカッティングボードを買ったのに、刃こぼれ音鳴りの問題を後から知ってしょんぼりしている。そんな人はいませんか。
変な保護シートを被せたらおしゃれなガラスを使う意味がなくなってしまうし、刃こぼれ音鳴りがしないようそーっと切るのもなんだか面倒で、格好がつきません。
ガラスまな板が包丁の刃こぼれや音鳴りを誘引するのは事実です。記事ではその原因をざっと確認し、その上で、ナイフの方を変えるという解決法を提供します。
刃こぼれ音鳴りの原因を解決し、普段のまな板と同様に気兼ねなく包丁を当てられるようになれば、ガラスまな板をおしゃれに活用する道も開けてくるでしょう。ご覧ください。
刃こぼれ音鳴りの原因は硬度
ガラスのまな板で包丁が刃こぼれし、うるさい音鳴りがしてしまうのは、ガラスと包丁が同じ硬さ(硬度5)をしているからです。
物質 | モース硬度 | 実用例 |
プラ、ナイロン | 2 | ブロードナイフ |
ガラス | 5 | まな板 |
焼入鋼 | 5 | 包丁 |
高速鋼 | 6 | プロ用包丁 |
超硬合金 | 8 | ナイフ |
ファインセラミック | 9 | 包丁 |
硬度とは物質の硬さの指標です。詳しくは出典リンク先をご覧ください。硬度には以下の物理的ルールがあります。
私たちが普段使用しているステンレス包丁の刃はほとんどの場合、硬度5 焼入鋼 に相当します。
同じく 硬度5 ガラス のまな板に包丁を使うと、どんなに気をつけていても、双方が傷みます。
とはいえさらに硬い包丁を使ってしまうと、ガラスまな板が傷つき壊れ易くなってしまい危険です。柔い包丁だと逆に、刃こぼれしやすくなってしまいます。
ということは、ガラスまな板を安全に活用するには、ガラスより確実に柔らかい素材で、刃こぼれの心配なく食べ物を切断できる道具を用いれば良いと判ります。早速見てみましょう。
ガラスまな板にセラミック包丁は厳禁
硬度の一覧表をみれば明らかですが、いくら刃こぼれが嫌だからといって、ガラスより硬い刃を当ててはいけません。ガラスまな板の方が傷つくからです。
ステンレス包丁だけでなく、チタニウム、モリブデン、バナジウム、クロム、ハイス、ダマスカス、タングステンカーバイドなど、およそ硬そうなひびきの金属刃は全てだめです。
特にセラミックは極めて硬く、使用すると非常に早くガラスまな板が傷だらけになります。ほとんどのガラスまな板は強化ガラス製になっているので、傷は単に見た目の問題でなく自壊を誘引し危険です。詳しくは以下をご覧ください。
低硬度ブロードナイフを使って削ぎ切る
ブロードナイフは、食卓の目の前で肉を削ぎ切って出すシュラスコ料理の国、ブラジルより届いた硬いナイロンプラスチック製の鋸歯包丁で、硬度2です。
力一杯切り下ろしても、ギコギコ擦っても、ガラスまな板を容易に傷つける心配がありません。
刃は無く、山型の鋸歯で食品を削ぎ切ります。なので刃こぼれの心配もありません。
本来パイ用ですが広刃なので、大きいバーガーや柔らかいひき肉切りにも使えます。包丁並みに大きいので握って力を入れやすく、削ぎ切るのに耐えるだけの強度があります。
なお耐熱は180度なので食洗機使用はOKです。
音鳴りしない
ガラスまな板、カッティングボードが、ステンレス包丁の当たったとき木やプラに比べうるさい音がするのも、互いの硬度が双方ともに高すぎるためです。
ブロードナイフは硬度が2と低く、硬いガラスまな板に切り下ろしても甲高い音がしにくい物性です。
子供用にも最適
ブロードナイフは刃が全く無いので安全性が極めて高く、それでいて見た目の色で他の包丁と簡単に識別できるので、キッチン仕事をやりたがる子供に使わせるには最適な選択肢でもあります。
もちろん最初から子供用と指定されたプラ包丁もありますが、いかにもな着色とキャラクターが印刷されており好みが分かれるところと思います。
どちらかといえば、子供にこそ安物よりも、新鋭の品から安全なものを選びとって与えた方が、技能や物性の理解に役立つと思われます。そういった品なら大人も食卓で普通に使えるので、便利でもあるでしょう。
切れ味の限界と有用性
ブロードナイフの切れ味は、金属包丁にはどうしても劣ります。自宅のステンレス包丁と同じ切れ味を期待することはできません。あくまでサブナイフの位置付けです。
しかし代わりに、安全でピクニックに持ち出しやすかったり、押し寿司型など木製調理器具に直接当てられたり、子供用にできたりなど、サブにピッタリの特性があり、金属包丁に出来ない事がまかなえます。
もう一度、ガラスまな板を使ってみよう
可愛らしく美しいガラスまな板カッティングボード製品はお店にたくさん実在し、100均や3coinsにさえあります。しかし、それが通常の包丁を刃こぼれさせ、うるさい音なりがすることも公然の事実です。
その事を知った時、誰もが次第にカッティングボードとして使うことを諦め、やがて仕舞い込んでしまうことでしょう。
そんな道具をあなただけはもう一度手に取り、ブロードナイフで涼やかに使って見せることができたならば、最初にあなたが思い描いていた素敵なガラスカッティングボードと食卓の風景を、現実に呼び覚ますこともできるでしょう。
お知らせ
動画始めました。内容がマニアックすぎるので、奇跡的に興味と一致した人は字幕ONでご覧ください。
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