外径(JIS) | A呼称(ミリ) | B呼称(インチ) | 俗称 | JIS規格水栓呼称 |
17.3㎜ | 10A | 3/8 | 三分 | ー |
21.7㎜ | 15A | 1/2 | 四分 | 呼13 |
27.2㎜ | 20A | 3/4 | 六分 | 呼20 |
部位 | 最も確率の高い形状 |
給湯器本体 | R:管用ネジ |
古い(ひねるタイプ)蛇口の先端 | W:汎用ネジ |
古い(ひねるタイプ)蛇口の首振り根元 | W:汎用ネジ |
古い(ひねるタイプ)蛇口が壁につながっている部分 | PJ:管用ネジ |
新しい(レバータイプ)蛇口の先端 | M:汎用ネジ |
新しい(レバータイプ)蛇口が壁につながっている部分 | PJ:管用ネジ |
ホース状の水道管(フレキ管)先端 | G:管用ネジ |
R(テーパオス) | G(平行オス) | PJ(給水栓オス) | |
Rc(テーパメス) | ◎シールテープ | × | 〇シールテープ |
G(平行メス) | △パッキン | ◎パッキン | △パッキン |
Rp(平行メス) | 〇シールテープ | × | 〇シールテープ |
ネジ山ピッチ | Mピッチ1.0mm | Mピッチ1.25mm | Mピッチ1.5mm | Mピッチ2.0mm | Mピッチ3.0mm |
W山24=ピッチ1.058mm | △ | △ | × | × | × |
W山20=ピッチ1.270mm | △ | △ | △ | × | × |
W山18=ピッチ1.411mm | × | △ | △ | × | × |
W山16=ピッチ1.588mm | × | × | △ | × | × |
W山14=ピッチ1.814mm | × | × | × | △ | × |
W山12=ピッチ2.117mm | × | × | × | △ | × |
W山10=ピッチ2.540mm | × | × | × | × | × |
名称 | さびにくさ | コスト | 一般的入手性 |
ステンレス | さびない | 高い | 難 |
銅 | さびにくい | 青銅よりやや高い | 難 |
クロムメッキ | さびにくい | 青銅よりやや高い | 難 |
青銅(砲金) | さびにくい | 安い | 容易 |
黄銅(真鍮) | さびにくいが青銅に劣る | 青銅より安い | 容易 |
鋳鉄 | さびやすい | 最も安い | 難 |
自宅内の水道管や蛇口を分岐DIYできるか調べる方法 では、自宅のどの蛇口が分岐DIYできるか見分け、接続口の口径を調べる方法をご紹介しました。
しかし蛇口の口径が分かっても規格が分からないと分岐パーツは探せません。器具を買おうとしてR1/2やM20、呼13やW24山20など訳の分からない呼称に戸惑っている方はいませんか。
この記事では自宅の水栓や給湯器を分岐したり、あるいは浄水器、食洗機、ウォシュレット、ケルヒャー、シャワーヘッド、自動水栓、ホース口金といった器具を接続したい方のために、目的に合わせて絞った規格情報だけを整理してお届けします。

あなたが調べた自宅の蛇口の口径情報と、この記事の規格知識があれば、Amazonやホームセンターでどの器具を選んで買うのが正しいのか分かるようになります。
また、分岐DIYしてみたものの水漏れに悩まされている場合は、この記事を片手に接続口の形状が合っているか再確認し、適切な変換ニップルを買うかパッキン・シールテープを使用し、追いパッキンの手法を利用してみてください。きっと最短距離で解決に近づけるものと思います。
一級建築士
この記事は、現役の実務で新旧水道管を日々扱い、錯綜した規格の面倒臭さとプロ現場での実態を熟知する筆者 デフラグライフより、自身の便利メモも兼ねてお送りします。
配管口径と接続口形状の早見表

面倒極まりないことですが、水道の世界は電気コンセントの世界と比べて規格が統一されておらず、分岐にあたっては口径のほかに形状とその種別を識別する必要があります。
さらに口径そのものについても、単に外径実寸ミリメートルで呼ぶ以外にインチや俗称など規格呼称が乱立しています。
このサイトだけであなたの調査目的が終わるよう、配管分岐目的に絞った情報を網羅的に整理しています。まずは種別の存在を認識した上で、口径の呼称を見分け、その上で形状を確認してみましょう。
配管のネジ種別
早見表を見る前に、「管用ネジ規格」と、「汎用ネジ規格」は全然別物であって、直接は繋がらないことを知っておきましょう。ここを混同したままだと、理解の妨げになります。
例えばG、R、Rc、Rp、PJ、PF、PT、IPS、NPT、A、分、呼びなどといったものは、管用ネジという規格に含まれ、口径を表す数字とともにG1/2や15A、四分、呼び13などど表現され、後述の口径と形状が合えば相互に接続できます。
また、W26やM22といったものは汎用ネジの規格であり、やはり後述の口径と形状が合えば相互に接続できます。
しかし、管用ネジのグループと汎用ネジのグループとでは、基本的に直結はできません。
例えばG1/2は外径21.7mmの管用ネジであり、M22は外径22mmの汎用ネジなので、外径が近いからなんとかなりそうに思えますが、グループが違うので全く適合しません。
水道DIYの配管規格には管用ネジと汎用ネジのグループが存在し、グループが同じだと直結できる可能性があり、異なると直結は無理だと覚えておいてください。その場合は、直結でなく適切な変換パーツを噛ませれば接続はできます。
接続口の口径規格 早見表
例えばG1/2、15A、四分、W26、M22などの数字は、すべて接続口の口径サイズ規格を表しています。型番や説明書から口径を調べた人は、最初にこの呼称や規格の乱立に戸惑ったことと思います。下記の早見表のいずれかに該当するはずですので、確認ください。
型番や説明書が見つからない人でも、ネジ部の直径を測ってから読み進めてください。

ノギスや定規で接続口の直径外径を直接測ります。基本的に、ネジ山の外側外径です。上記写真だと、23mmです。
管用ネジ 口径 公的規格早見表
まず、管用ネジのグループから早見表をご覧ください。
外径(JIS) | A呼称(ミリ) | B呼称(インチ) | 俗称 | JIS規格水栓呼称 |
17.3㎜ | 10A | 3/8 | 三分 | ー |
21.7㎜ | 15A | 1/2 | 四分 | 呼13 |
27.2㎜ | 20A | 3/4 | 六分 | 呼20 |
この表でヨコ並びの同じ行にあるものは全て同じサイズを表しており、単に呼び方が違うだけです。例えば 1/2と四分 は同じサイズを意味しており、どちらも外径21.7mmです。
逆に、例えば行の違う、20Aと呼び13 などとは明らかに異なる径を意味しているので、つながりません。呼び方ばかり複雑ですが、中身は単純にそれだけです。
しかしそれでは、例えば同じ行にある 3/4と呼20 はつながるかというと、これは口径が同じだけで形状が同じとは限らないので、まだ断定できません。口径が同じことは必要最低条件ですが、この後説明する形状も適合させるか、近似させる必要があります。
規格について詳しく知りたい方は、以下灰色の解説をご覧ください。読まなくても、一覧表通り理解していれば問題ありません。
管用ネジの解説
1/2や四分などと呼ばれる管用ネジの公的規格は、蛇口が壁や水道管に取りつく根元や給湯器でよくみられる、配管そのものの口径単位です。文字通り、配管のためのネジ規格です。
外径については、日本の規格であるJISと、米国の規格であるANSIとで異なりますが、その差は家庭の水道DIYに使う程度の太さの管においては0.5mmに満たない僅かなものであり、国内ではほとんどJISなので、気にしなくて良いです。
A呼称は口径をミリメートル単位で呼んだものとされていますが、現在は管のどこの寸法をも指してはいません。例えば15Aとあっても、管の外径も内径も15mmではありません。ただ、15A=外径21.7mmを意味します。
A呼称とは、かつて一般的だった配管規格の内径インチ単位を、ミリメートル単位に換算した上で、換算当時に対応していた外径に合わせた時、残った名残に過ぎないのです。
B呼称は口径をインチ単位で呼んだものとされていますが、こちらも現在は管のどこの寸法も指していません。例えば1/2インチとは12.7mmですが、G1/2などの管ネジは外径も内径も12.7mmではありません。ただ、1/2=外径21.7mmを意味します。由来はA呼称と似たような経緯です。
俗称については、B呼称の分母を8に通分したときの分子の値から来ています。
JIS規格水栓呼称とは、蛇口のJIS規格水栓サイズを表しています。この規格水栓は壁につく根元が管用ネジになっており、そこが呼13なら1/2サイズと決まっています。呼20なら3/4サイズです。
なぜ1/2サイズが呼び13で、3/4サイズが呼び20かというと、単にインチをミリメートルに読み替えて小数を切り上げただけです。1/2インチは12.7mmなので切り上げ13です。3/4インチは19.05mmなので切り上げ20です。
この口径規格について、読者の皆さんはどう思われたでしょうか?大多数の一般のかたにとっては、心底どうでもいい複雑にするだけの呼び方と感じるのではないかと思われます。早見表で見分けてください。
汎用ネジ 口径 公的規格早見表
次に、汎用ネジのグループを解説します。
外径 | ウィット細目ネジ | メートル並目ネジ |
22mm | W22 | M22 |
24mm | W24 | M24 |
26mm | W26 | M26 |
この表でヨコ並びの同じ行にあるものは全て同じサイズを表しており、規格の数値は見たまんまそのまま外径のミリメートルを表しています。例えば W22とM22 は同じサイズを意味しており、どちらも外径22mmです。
逆に、例えば数値の違う、W24とM26 などとは明らかに異なる径を意味しているので、つながりません。
しかしそれでは、例えば同じ行にある W26とM26 はつながるかというと、これは口径が同じだけで形状が同じとは限らないので、まだ断定できません。口径が同じことは必要最低条件ですが、この後説明する形状も適合させるか、近似させる必要があります。
規格について詳しく知りたい方は、以下灰色の解説をご覧ください。読まなくても、一覧表通り理解していれば問題ありません。
汎用ネジの解説
汎用ネジは文字通りネジ一般に使われる規格単位で、数字がそのままネジの外径ミリメートルを指します。
W22山20などは、キッチンの蛇口に浄水器を付けようとしたときに、見たことがある人もいるかもしれません。
あるいは水道DIYに限らずとも、例えばプラスドライバーで締めるような小さな木ネジでも、M5とかそういう記述を見たことがあると思います。その場合は木ネジのネジ山外径が5mmだということです。こんなふうに幅広くネジ一般に使われる規格です。
W22山20などWで表現されるウィット細目ネジは、古い蛇口の先端やシャワーホースの根元などでよく出てくる単位です。
この規格は昔使われていたイギリス由来の物なので、日本では比較的古いタイプの蛇口や先端のキャップを外すと見られるものです。
M22ピッチ1.0やM24ピッチ1.5などメートル並目ネジは、レバーを倒す形式のキッチン水栓や洗面水栓、外国水栓において、やはり先端のキャップを取り外すとよく見受けられる規格です。
メートル並目ネジの規格はアメリカ由来のもので、比較的新しい蛇口の先端でよくあるものです。
数値の部分はミリメートルでなくインチ表示になっている場合もあります。1インチ=25.4mmで換算してください。
ウィット細目ネジとメートル並目ネジを目視で見分けるのは非常に困難です。分からない場合は、ピッチゲージを用いるか、後述の傾向表を用いて推定できます。
ここまでで、調べる接続口の口径がどの外径呼称に相当するか分かったはずです。あとは形状規格を識別すれば完了です。
接続口形状の調べ方と傾向早見表
つぎに、形状記号を推定します。以下の傾向表より推定し、以降の早見表へ進んでください。
配管接続部の形状 傾向表
部位 | 最も確率の高い形状 |
給湯器本体 | R:管用ネジ |
古い(ひねるタイプ)蛇口の先端 | W:汎用ネジ |
古い(ひねるタイプ)蛇口の首振り根元 | W:汎用ネジ |
古い(ひねるタイプ)蛇口が壁につながっている部分 | PJ:管用ネジ |
新しい(レバータイプ)蛇口の先端 | M:汎用ネジ |
新しい(レバータイプ)蛇口が壁につながっている部分 | PJ:管用ネジ |
ホース状の水道管(フレキ管)先端 | G:管用ネジ |

管用ネジ 形状 公的規格接続早見表
まず、管用ネジのグループから再び早見表をご覧ください。

R、G、PJ、Rc、Rp、PF、PT、IPS、NPTなどは、接続口の形状を表した記号です。これは下記の早見表で確認してください。
実際には先ほどの口径記号と組み合わせ、R3/4やG1/2などと表現されます。むろん、形状と口径の両方が適合しないとつなげられません。
R(テーパオス) | G(平行オス) | PJ(給水栓オス) | |
Rc(テーパメス) | ◎シールテープ | × | 〇シールテープ |
G(平行メス) | △パッキン | ◎パッキン | △パッキン |
Rp(平行メス) | 〇シールテープ | × | 〇シールテープ |
稀にPFとかPTという旧記号を目にするかも知れませんが、現在はPF=G、PT=Rです。例えば、PF1/2とあったら、それはG1/2という意味です。
外国製品を使おうとしている人は、IPSとかNPTというアメリカの記号に直面します。基本、IPS=G、ですが、口径の章で解説した通りアメリカ規格なので数字が同じでも外径がJISでなくANSIに依拠し、若干異なります。
また、NPTはRと同じテーパーネジではありますが適合しません。NPTのネジ山角度は60度であり、Rの55度と異なるためです。
それぞれの組み合わせにおいて、記載のシールテープあるいはパッキンが必須です。

◎の組み合わせならまず水漏れの心配は有りません。〇の場合は厚めにシールテープを巻く必要があります。△はオスネジの先端がフラットでパッキンが付けられる形になっていれば繋げられます。
たとえばR1/2とG1/2は、パッキンを併用できる場合に限りつなげることができます。
給湯器の場合、オスがRであっても先端がフラットでパッキンが合うようになっており、メスはRcだけでなくGでも合うことが多いです。

接続部の水漏れに悩まされる場合は、この形状表と前記の口径表を見てパッキンやシールテープを取り換え、後述の追いパッキンを試してみましょう。いずれも極めて安価にホームセンターもしくはアマゾンで手に入ります。
汎用ネジ 形状 公的規格接続早見表
次に、汎用ネジのグループから再び早見表をご覧ください。規格はこれで最後です。

WやMのネジは、例えば山20やピッチ1.0などといった数値が併記されます。これはネジ山のピッチを表しています。
実際には口径数値と組み合わせ、W22山20やM24ピッチ1.0などと表現されます。むろん、形状と口径の両方が適合しないとつなげられません。
Mピッチ1.0mm | Mピッチ1.25mm | Mピッチ1.5mm | Mピッチ2.0mm | Mピッチ3.0mm | |
W山24=ピッチ1.058mm | △ | △ | × | × | × |
W山20=ピッチ1.270mm | △ | △ | △ | × | × |
W山18=ピッチ1.411mm | × | △ | △ | × | × |
W山16=ピッチ1.588mm | × | × | △ | × | × |
W山14=ピッチ1.814mm | × | × | × | △ | × |
W山12=ピッチ2.117mm | × | × | × | △ | × |
W山10=ピッチ2.540mm | × | × | × | × | × |
ウィット細目ネジの山とは1インチあたりの山数を表しているので、例えば20山だと1インチ=25.4mmを20で割った割った値、1.27mmがピッチになります。
メートル並目ネジの場合は、分かりやすくそのままピッチを×1.0mmなどとミリメートル単位で表現されていることが多いです。
表で△の組み合わせにおいては、ピッチが近いため、家庭の水道DIYにおいてはネジ全長が短いので適合させられる可能性があります。まずパッキンで試し、無理でも追いパッキンとシールテープを併用すれば、多くは接続できるでしょう。
規格を揃える方法
万全を期すならあらかじめRとGなど異形状を変換する「ニップル」というパーツを使うと良いです。
しかしプロの工事でも、例えば給湯器に接続されている管(フレキ管)は多くの場合G平行メスの規格であり、一方給湯器の側はRテーパオスなので互いに形状が異なっているにも関わらず、異径変換ニップルを噛ませずそのまま接続してあったりします。
要するに、完全適合◎にこだわらなくても早見表〇か△ならとりあえず付属のパッキン付きで繋げてみて、ダメならシールテープを併用することにすれば安くかつミニマムに済みますし、実際そんな風に接続されている例もたくさんあるということです。
給湯器のお湯を分岐DIY ベランダ・庭でお湯を使う方法 では、この事実を応用してR1/2給湯器とG1/2分岐パーツ(チーズ)を変換ニップルなしで直結する方法を実演しています。参考にしてみてください。

ちなみにニップルなどの継手には形状だけでなく管径を変換できるものもありますので、覚えておくと使い道があります。上記の記事ではR3/4給湯器をG1/2洗濯機口金に変換する場合に対応するため、異径チーズという継手を使って管径を変える例として応用しています。

雄ネジのニップルと逆に、雌ネジの異形変換パーツもあります。ぶっちゃけ、変換パーツ自体は探せばなんでもあります。重要なのは変換したい規格をこの記事で出来るだけ正しく把握してから購入に踏み切ることです。
水漏れ対策のコツ 追いパッキンとシールテープの使い方
早見表を使い、なんとか一見つながったように見えるのに、やっぱり水漏れしてしまうという人は、追いパッキンとシールテープを検討してください。
基本的に、テーパー(R、Rc、Rp、PT、NPT)以外の管はパッキンを締め込んで止水する原理です。ですから、ネジを奥深くまで締め込むことで、パッキンを圧着できるかどうかが成功を左右します。
Wネジ山22とMネジピッチ1.0 とでネジ山ピッチが0.27mm違うとか、GとPJで0.745mm外径が違うからといって、そんな僅かに適合しない程度で即水漏れとはなりません。
僅かに適合しなくても、ネジが奥まで進んでパッキンを締め込めれば良いのです。なので、ネジが進みにくく奥まで届いていない場合や、オスネジが短すぎてパッキンが浮いてしまっている場合は、径の適合する追加の追いパッキンを入れると解決します。
ネジがスカスカの場合はシールテープを併用しますが、あくまでパッキンを締め込むことを目指してください。
テーパーネジの場合でも、先端がフラットになっていれば同じ原理で、パッキンを圧着できると止水が成立します。
水道管分岐パーツ 素材による違い
Amazonだと気づかないかもしれませんが、分岐パーツを求めてホームセンターに行った人なら、同じパーツでも様々な素材があることに気づき、躊躇したことと思います。
素材による違いについては下記の早見表で大枠をつかみ、あなたの目的に合わせてチョイスしてください。結論としては器具の入手性からいって黄銅か青銅を推奨します。
なお、どの材料も家庭での水温や洗剤にはおおむね大差なく耐えられます。熱湯もOKです。
名称 | さびにくさ | コスト | 一般的入手性 |
ステンレス | さびない | 高い | 難 |
銅 | さびにくい | 青銅よりやや高い | 難 |
クロムメッキ | さびにくい | 青銅よりやや高い | 難 |
青銅(砲金) | さびにくい | 安い | 容易 |
黄銅(真鍮) | さびにくいが青銅に劣る | 青銅より安い | 容易 |
鋳鉄 | さびやすい | 最も安い | 難 |
コストについては、ステンレスが高く黄銅が安いといっても、実際上はパーツ一つにつきわずか数十~数百円の差にすぎません。
しかし形状ラインナップが豊富で一般的にホームセンターやAmazonで入手性がよいのは、安く加工性の良い物質である黄銅や青銅の製品が大半になります。
入手性を優先した方が楽に目的のDIYを達成できると思いますので、あまり高級な素材にこだわらず黄銅か青銅を使えば良いと思います。
その他の注意点

水道パーツでのクロムは、青銅をクロムメッキしたものです。青銅に比べ滑らかで美しい光沢仕上げになっています。
反面、汚れや指紋が目立ちやすく清掃の面倒な素材です。こだわる方や店舗向きであり家庭でのDIYには推奨しません。

ダクタイルに代表される鋳鉄管は比較的さびやすく、家庭での露出配管DIYにはあまり適しません。埋設など隠蔽部の配管むきです。
一番安い材料なので、異種金属併用による錆のリスクをよく理解した上でなら使うメリットもありますが、ナット付きチーズなど気の利いた便利な形状の製品がAmazonやホームセンターにあまりなく、入手性に劣ります。
なお銅、青銅と黄銅など異種金属を組み合わせると腐食の原因となりえますが、水に溶けたわずかな酸素と電位差で進行するためその速度は遅いです。
自宅の接続口の素材があらかじめ分かれば組合わせない方が良いですが、見た目でそうそう分かるものでもないと思います。
飲み水や埋設配管にするのでもない限り家庭でのDIYにおいてそこまで神経質になる必要もないでしょう。

ただし、しいて言えばステンレスと鋳鉄管の組み合わせは、鋳鉄が一方的にかなり錆びやすくなるので避けた方が良いです。

ちなみにPP(ポリプロピレン)や塩ビなどの樹脂はお湯に適さないものもあるので気を付けてください。一般に、灰色の塩ビ(VP)管はお湯に使えません。

樹脂の中でも茶色のHT管か、架橋ポリエチレンであればお湯も問題ないですが、架橋ポリエチレンは分岐パーツ(継手)が高価で入手性が乏しく家庭のDIYではお勧めしづらいところです。
自宅内水道管を分岐活用しよう

水道工事の世界は一般にあまりなじみがなく分かりにくいと思いがちですが、記事で必要な情報だけ見るようにすれば理解は難しくありません。
知ってみれば、電気のコンセントをタップで分岐するような感覚で水道もまた自分で分岐DIYできる可能性のあることが分かったと思います。
ぜひ、水道を分岐して出来ることを把握し、自宅のDIYに活かしてみてください。あなたの自宅に眠っていた利便性のポテンシャルを伸ばし、暮らしをさらに快適にできるでしょう。
実際に給湯器からお湯を分岐して、ベランダや庭で使う方法については実践編 給湯器のお湯を分岐DIY ベランダ・庭でお湯を使う方法 をご覧ください。
自宅を見回して分岐できそうな蛇口や水道管を調べたい時は、調査編 自宅内の水道管や蛇口を分岐DIYできるか調べる方法 に戻って参照ください。
おまけ:一番簡単な水回りDIYは何?
最も簡単で効果の高い水回りDIYは、食洗機とトイレのウォシュレットです。興味のある方は、以下の記事をご覧ください。
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