格安簡単にウォシュレットDIYできるか判定する方法と実例

あれば便利だけど無くても我慢できる、ウォシュレットは多くの人にとってそんな位置付けのアイテムでしょう。

必要性は尻のトラブルが起きた後はっきりしてきます。拭き残しが最近気になるとか、痔とか、産後や手術後といった出来事の直後です。

ウォシュレットは当サイトが紹介してきた水回りDIYの中でも、最も簡単であり、かつ、家族や来客からも喜ばれやすいものです。

格安簡単にウォシュレットDIYできるか判定する方法

記事では、総予算15,000円前後、作業1時間程度で終わる簡単なウォシュレットDIYの方法が、そのままあなたの自宅トイレで再現できるかどうか、判定する方法を解説します。

判定は15分で終わりますから、予算感が良ければとりあえず記事を読んでみましょう。作業手順は、最も正確で間違いのない情報源である公式サイト情報を片手に、難しいところや注意点を筆者が解説しています。

読んでみて自分にも出来そうだとイメージできたら、週末に届くよう手配しておき、スマートにDIYして見せると、家族や友人からのあなたへの評価も上がるかもしれませんよ。

この記事の著者

この記事は、ベランダ給湯器から直接お湯を分岐して取り出したり、手洗いを自動水栓化したり、食洗機排水を洗濯機排水口に濾過配管して流したりなどの水回りDIYを実践してきた建築士の筆者 デフラグライフよりお送りします。

自宅トイレを格安簡単にウォシュレットDIYできるか判定する

自宅トイレを格安簡単にウォシュレットDIYできるか判定する

メジャーとスマホを持ってトイレに行き、以下のチェックリスト全てに合格するか確認してください。

□トイレが風呂と一体になっていない

トイレと風呂が同じ空間の中で一体になっているタイプのユニットバス等の場合、絶対にウォシュレットを付けてはいけません。水や湿気による感電のリスクが高すぎるからです。

□トイレにコンセントを用意できる

初めからトイレにコンセントがあった人はOKです。3口タップとかで分岐しても勿論かまいません。

□トイレにコンセントを用意できる

コンセントの無かった人は、トイレ電源がないときのコンセント増設格安簡単DIY を使って、DIYで用意できるか試してみてください。

このDIYは1,000円くらいで簡単にできるので、まずは単独でやってみて成功させましょう。焦ってウォシュレットと同時に買い、コンセント増設できないと後から気づいたら投資が無駄になってしまいます。

□便座が自分で外せる

□便座が自分で外せる

便座は2本のネジで裏側から留まっています。顔をつっこむか、写真のようにスマホカメラを自撮りモードにしてトイレの床壁に立てかけ、便器の裏を見ながら、ネジを留めているナットを手や工具で回して外せそうか、ちょっと試しに緩めてみてください。

便座外し
記事内イラストの出典(共通):東芝公式説明書

多くのトイレで、このネジのある場所は狭く、スパナやモンキーレンチといった工具はうまく回せないことも多いです。

その場合は素手か、プライヤーやペンチで頑張ってみましょう。ちなみに、記事で紹介する製品の場合はこの部位のナットを付け外しするためのボックスレンチという工具も付いて来ます。

□水道管が分岐できる

便器から伸びた水道管を辿り、壁と繋がっている部分を探してください。

水道管が壁に繋がる部分には、止水栓と言って緊急時に手元で水を止められるパーツが付いています。その止水栓の形状を観察してください。以下6種いずれかの形状であれば簡単に分岐できます。

□水道管が分岐できる

基本は画像の3タイプですが、実際は画像のように管が直角に付くアングルタイプ以外に、真っ直ぐ付くストレートタイプがそれぞれ存在するので、合計6種のパターンがあります。

実際にウォシュレットを取り付けるときは、画像で丸印の付いている箇所の袋ナットを外して、三又の分岐金具(チーズ)を取り付け、トイレタンクとウォシュレット本体それぞれの給水ホースを付けて水を分配する格好になります。

ウォシュレットを取り付けるとき

止水栓が見当たらない時は、配管が消えていった壁の内側、つまり壁点検口の中や、手洗いカウンター扉の中に隠れている場合もあるので、管を辿って良く探してみてください。

ちなみに筆者の自宅の場合はかなり特殊で、以下写真のような灰色のバンドが付いていました。

灰色のバンド

この場合はバンドは無視して止水栓を見ます。するとバンドの右側に、画像で見たようなホース接続口の袋ナットが観察できるのが分かると思います。

この形状は蛇口ハンドル型のストレートタイプに該当する例で、DIYはOKと判定できます。

なおこの灰色の謎バンドを興味本位で外すとホースと袋ナットが分離して水がぶちまけられます(ました)。

管の太さはほぼどのトイレも同じ

日本のトイレホース接続口形状と管径はほとんど同じ(G1/2)に統一されているので、止水栓形状が前記6種のいずれかに適合していれば管径はまず問題ありません。

管の太さはほぼどのトイレも同じ
三又の分岐パーツ(チーズ)。記事で紹介する製品には初めから適合サイズのものが付属します。

製品の説明書によってはPF1/2などと表記されている場合もありますが、これはG1/2と同じ意味の旧記号です。

心配な人は 自宅内の水道管や蛇口を分岐DIYできるか調べる方法 のトイレ蛇口の欄にある方法を使って、測っておきましょう。

測った寸法が規格のどれに該当するかは、R1/2、G1/2とは何か 水道分岐DIY規格早見表と水漏対策法 を使って判定できます。今回だと1/2径であれば問題ありません。

万が一にも3/4径だった場合でも 3/4異径チーズ を使えば変換できますし、仮にそれ以外でも同じ記事を使って変換することは可能です。

□分岐のスペースがある

止水栓の形状が6種いずれかに該当しても、ホース接続スペースが狭すぎると頓挫します。止水栓と既存ホースが繋がっている部分が、最低15cm以上あるかメジャーで測ってください。

取り付ける新しいホースは直角には曲げられませんが、ここが15cmあれば追加パーツなしで対応できます。

15cmない場合でも、多くは G1/2エルボ を使えば解決できます。その他のケースは R1/2、G1/2とは何か 水道分岐DIY規格早見表と水漏対策法 を使って研究が必要です。

□便器とトイレのサイズが合う

以下全ての必要寸法が範囲内に納まるか確認してください。

□便器とトイレのサイズが合う
□便器とトイレのサイズが合う
□便器とトイレのサイズが合う

メーカーによって必要寸法は多少異なりますが、これは廉価な後付けタイプとしてはコンパクトな部類の値ですから、家にウォシュレットが出来るスペースがあるのか確認する参考になります。

他の具体的な使いたい製品が決まっている人は、その製品の型番で検索して説明書に書いてある必要寸法を確認してください。

ウォシュレットが出来るスペース

ちなみにこの製品の場合実際の外形寸法は全幅489mmで、便器のセンターから左:約279mm、右:約210mm となっています。

先程表示したトイレ空間の必要寸法はそれぞれ左:300mm 右:280mm でしたから、多少の余裕寸法が見込まれています。

なので、多少であれば必要設置空間寸法を下回っても、設置できる可能性があります。

取り付け手順を先に見ておく

取り付け手順を先に見ておく

チェックリストが全てOKだった人でも、買う前に取り付け手順を先に見ておきましょう。失敗を避けるには、事前に出来そうかどうか確認しておくことが大切です。

取り付け手順は色んな流儀がありますが、最も正確で失敗がないのは、公式サイトにある製品説明書通りに素直にやる事です。

ここではリンク先の公式説明書に沿って、特に難しいところや注意点を筆者が解説しますので、一緒に見ていきましょう。

他の使いたい製品が決まっている人は、品番で検索して説明書を閲覧してください。付け方の原則と重要注意点は大体共通なので、記事は参考になると思います。

外した便座の下は汚れている

外した便座の下は汚れている

古い便座を外すとかなり汚れが溜まっている場合があるので、事前に洗剤を用意しておきましょう。写真画像はあえて割愛します。

ほとんどの製品説明書では最初に元栓を閉める手順になっていますが、元栓や止水栓を閉める前に、まず最初に便座を取り替えた方が、便座下の汚れを取る時、トイレの水とペーパーがそのまま使えるのではかどります。

便座の位置合わせが一番悩む

便座の位置合わせが一番悩む

便座の前後位置はある程度調整が利くため、しっくり来る位置に悩む人もいるかも知れません。座りながら何度も試していると、作業に時間がかかってしまいます。

便座の先端は、男性が座って小をするとき最も汚しやすい部位

便座の先端は、男性が座って小をするとき最も汚しやすい部位であるため、写真のように、可能な限り便座の先端内側と、便器の先端内側とを合わせる位置にしておくことを推奨します。

便座の先端内側と、便器の先端内側とを合わせる位置

そうすればひっかけて汚す確率を最小化しておけます。多少の座り心地の差よりも、多くの時間的衛生的メリットをもたらすでしょう。

元栓は閉めなくても作業できる

元栓は閉めなくても作業できる

上記画像は水道元栓の一例です。一方、下記の写真は先程までチェックで見ていた、トイレにある止水栓の一例です。

止水栓

止水栓は文字通り手元で水を止められる水栓なので、止水栓を閉めれば、水道の元栓は閉めなくても問題なく作業はできます。

マイナス溝や内ネジの場合はマイナスドライバーで最後まで締め込み、蛇口の場合は見たまんまひねれば、水を止められます。

キッチンや洗濯機など他の機器を止めずにDIY

元栓を閉めずに止水栓の操作だけで作業できれば手間が省けて、キッチンや洗濯機など他の機器を止めずにDIYできるメリットがあります。

デメリットは止水栓が壊れていたり閉め方が甘かったりすると水がドバッと出てパニックになる点です。この点は、事前に止水栓を閉めてからトイレの水を流してみて、水が止まっているか確認しておくことでクリアできます。

手順はどちらでも好きな方を選択してください。筆者は知人の戸建てで、元栓を閉めずに作業完了したことがあります。賃貸の場合は階下へ漏水させると問題が非常に大きくなるため、元栓を閉める安全な選択を取ってください。

古い水道管を外した時、パッキン等がくっ付いて残る場合がある

古い水道管を外した時、パッキン等がくっ付いて残る場合がある

古い水道管をロータンクから外した時など、接続口にパッキン等が張り付いて残ることがあります。パッキン等は必ずしも黒単体でなく、青や、白の大きくて硬い物(ストレーナ)の場合もあります。

古いパッキン等が残っていると新しいホースが付かなかったり、漏水の原因になるので、よく観察し、手でパリッと取りはがしてください。

ホースと電源コードは浮かせておく

ホースと電源コードは浮かせておく
上向きに取り付けるのがコツ

取り付けたホースや電源コードの長さが余ったからといって、そのまま床に這わせておくと、あとで掃除の時邪魔になって不衛生です。コード類はとりあえず簡単な方法で浮かせておきましょう。

今回は便器が部屋の中央にあって配線を壁づたいにモールする方法が使えないので、産業用広幅マジックバンドでトイレの配管にくくりつけておく程度が、跡が残らず、得られる効果と費やす時間のバランス的に妥当だと思います。

必要ならば漏電ヒューズを付ける

必要ならば漏電ヒューズを付ける

手洗い付きロータンクなどで、コンセントに水がかかる確率が高いと感じる環境の場合は、漏電ヒューズ を付けておけば万一の漏電時に自動で電気をシャットオフでき、安全性を高めておけます。

実際プロの現場でも、例えば大規模なオフィスやホテルなど公共性の高い建物では付いているケースも多いので、今度トイレに行った時は観察してみましょう。

漏水したら

前のパッキンが接続口に残っていたのに気づかずはがし忘れて二重になっているとか、新しい付属のパッキン自体を入れ忘れているとか、袋ナットの締め込みが甘い時は接続部から水漏れします。

落ち着いて再度止水栓を閉めてから、パッキンや締め込みを解決しましょう。

機能を確認して安く買う

機能を確認して安く買う
古いトイレも素敵に早変わり

説明書と記事で手順をイメージできたら、具体的な製品選びを始めましょう。

2021年現在においては、記事で扱った 東芝のウォシュレット が、Amazon口コミ数人気、Amazon最安価格帯、使える機能ほぼ全部入りと三拍子揃っていておすすめです。

この製品ならば記事で確認した寸法も手順もそのまま適合で、必要なホースや分岐栓もセットです。筆者も使ってますが余計な機能ボタンがないのでコンパクトで操作しやすく、無難です。以下では機能についてざっと説明します。

節電系機能について

節電系機能について

節電系機能としては、「暖房便座オンオフと温度調整」「温水オンオフと温度調整」「節電モード」があります。

暖房便座や洗浄水の温度を、オフも含めて手元ボタンで切り替えられるので、夏場オフにするなど快適簡単に節電できます。

節電モードは待機時の便座と湯温を下げて節電するモードと、夜間など4〜8時間の範囲でオフにする節電モードがあります。節電モードによりオフになった場合でも、便座に座ると自動起動します。

基本機能について

基本機能について

「お尻・ビデ・ムーブ(水の放射が前後に動く)」の水放射スタートボタン、「水勢調整」「ノズル位置調整」のほかに、「脱臭」「ノズル掃除」機能が付きます。

「脱臭」は、便座に座ると自動的に起動するオート脱臭ですが、オフにもしておけます。

その他特徴について

その他、ポンプ内蔵のエアイン気泡洗浄とか、お尻とビデの二段ノズルとかいった特徴も多く備えていますので、詳しくは公式サイトをご覧ください。

付属品と工具について

付属品と工具について
マイナスドライバー兼用スパナ
写真左のマイナスドライバー兼用スパナは、説明書に無いですが付属してきました。

マイナスドライバー兼用スパナ、便座外し工具等のツール、止水栓からトイレとウォシュレットに水を分配する分岐栓、新しい替えのホース2本、必要数のパッキンなど、必要なものは最初から製品にセットで付いてきます。

新しい部品や工具を調べたり買わなくても、この製品セットだけでほとんど作業を完結させられるでしょう。

モンキーレンチやマイナスドライバーはあれば便利ですが、無くても薄いコインやプレート、ペンチ等で代用できる場合があります。

家族にも役立つ簡単ウォシュレットをDIYしよう

家族にも役立つ簡単ウォシュレットをDIYしよう

ウォシュレットのDIY取り付け手順情報はネットにもYouTubeにも山ほどあり、どれも分かり易いものです。とはいえ最も簡潔にまとまっていて、正確無比なのは、公式サイトの説明書だと言えるでしょう。

記事では手順情報を公式サイト説明書に譲り、説明書にない難しいポイントや注意点のみをお知らせしました。両方に目を通せば、ウォシュレットのDIYが簡単に自分にもできそうか、判断できるのではないかと思います。

あとは値段さえ良ければ、じゅうぶんDIYの検討候補に値するでしょう。この製品ならば分岐栓やホースなどもセットなので、いちいち適合サイズを調べる手間も省けます。お店やホテルのように一段と快適になった自宅のトイレを、楽に確実に、手に入れましょう。

今回のウォシュレットが成功し自信がついたら、親戚や友達で欲しがっている人にアドバイスしたり、あなたが代わりに調べ取り付けてあげたりしてみても良いかも知れませんね。きっと、とても喜ばれると思います。もちろん、このサイトを紹介してくれても筆者は嬉しいです。

以下の記事もいずれご覧ください。あなたの自宅に眠っていた水道管という財産のポテンシャルを解放し、生活をもっと楽しく便利にできる方法がたくさんあります。

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