
自宅のトイレにウォシュレットを付けたいけれど、電源が無い。賃貸だから工事はできない、あるいは業者工事は高額で面倒だという方は、DIYで設置できないか検討してみましょう。
この記事では、トイレや廊下、階段、玄関などにコンセント電源を必要としている方のために、照明を分岐するかアンダーカットを利用してコンセントを設置する方法を紹介しています。
ウォシュレットに限らずとも、トイレその他にコンセントがあると地味に便利な場面があります。

消臭機器、アロマ、空気清浄機、夜間電灯がまぶしすぎる場合のために足元灯など間接照明、絵やタペストリー飾りを照らす照明、ルンバのホームベース、ヒーターや暖房マット、扇風機のような空調、床掃除用の掃除機や、充電器置き場などに活用できるようになります。
予算は1000円以下、作業は30分で終わります。建物をどうこうするわけではないので、賃貸でも実行できます。条件が良ければ、早速やってみましょう。
一級建築士
この記事は、これまでに複数の家庭用電気DIYアイデアを提案し、また業務で建築用最新の各種電気設備を知る立場にある、一級建築士の筆者 デフラグライフよりお送りします。
トイレ等の照明に分岐ソケットを付ける

トイレや廊下・階段・玄関等に電源コンセントを作る最も簡単な方法は、照明に分岐ソケットという品を付けてコンセントを増設する方法です。
分岐ソケットを使うと、従来の電球をそのまま使用できてなおかつコンセントが側面に増えますから、そこに延長タップケーブルを付けて壁伝いに下ろしてやれば、電源コンセントの出来上がりです。
トイレ等の照明を調べ、適切な器具を買う
まずは、コンセント設置したいトイレ、廊下、階段、玄関等にある照明が分岐できるかどうか調べます。電球を覆い隠しているカバー(ランプシェード)を逆時計回りに回して外し、以下のどの形状に似ているか判別してください。
電球タイプ

大抵の家によくあるタイプです。スイッチを切って冷ましてから電球を外し、口金のサイズを確認してください。実際上は刺さっていた電球のほうの外径を測った方が楽です。
大抵の場合外径26mm(E26)、あるいは17㎜(E17)です。よほど凝ったデザインの家でもない限り、11㎜(E11)はなかなかないでしょう。
E26であれば、分岐ソケットがそのまま使えます。
E17あるいはE11だった場合は、それぞれに適合するE17用変換ソケットかE11用変換ソケットを噛ませ、そのうえで分岐ソケットを取り付けてください。
シーリングタイプ

トイレや廊下、階段では稀ですがブタ鼻のような形状をした引っ掛けシーリングという形状だった場合、シーリング分岐ソケットを用いて元の照明を使うまま側面にコンセントを増設できます。
器具一体型タイプ

賃貸でたまにある、LED器具と電球が一体型になったタイプです。このタイプは電球ごと器具を外すといきなり電線が露出します。
このタイプは家庭のDIYで安全簡単に分岐することができません。以下の記事からアンダーカットを利用する方法を試みてください。
トイレや廊下・階段・玄関の電球照明が分岐できなかった場合 アンダーカットを利用する

最近の器具一体型照明を装備しているような家は最新の仕様になっていることが多く、この場合アンダーカットと言ってトイレ等のドアの下端と床の間に10㎜前後の換気用スキマがある確率が高いです。
廊下や他の部屋のコンセントなどから延長タップケーブルを伸ばし、このアンダーカットを通して通線するのがベターな方法となります。
試しに通線してみてドアの開閉に支障なければ、安価なモールで整線すれば簡単で十分納得のいく出来になりますから、あきらめずやってみましょう。
ケーブルをモールで整線する

照明を分岐、あるいはアンダーカットから通線できたら、延長タップのケーブルをモールというプラスチックのケースでカバーしましょう。
ケーブルが壁伝いに露出したままでは、見た目にあまりにも仮設感が出すぎて落ち着きません。何より掃除の時邪魔です。
逆にモールでカバーしてやるだけでかなり本格工事のように見栄えがするようになりますから、ぜひ設置して効果を実感してください。

モールは100均でも、ホームセンターでもあります。設置ルートの長さを測って必要数を調達し、壁に貼り付けていきます。
100均のものは接着力が弱いため、瞬間接着剤薄塗りなどで補強しましょう。

ロックタイトは国内ではネジの緩みどめ剤として知られていますが、世界的な接着剤のブランドでもあります。 特にハケ付きタイプが便利。
チューブと異なり極めて薄く塗れるので、瞬間接着剤を強力固定目的でなく貼って剥がせるちょっと強めの仮留め剤として応用できます。

ホームセンターのものは色が幅広く選べます。

カーブのところはカーブ専用パーツがありますが、そこまでこだわらなくても露出のままの方があとで抜き差しするときなど融通が利き、見た目もそんなに気にならないと思います。
とりあえず大まかな直線部分だけモールするようにすれば、家庭のDIYにおいては楽に安くコスト手間と効果のバランスを取れると思います。不足があればあとで買い足しても良いでしょう。
安全性の配慮

トイレや玄関は水場であるため、分岐したタップは水がかからないよう床からちょっと浮かせた壁面などに固定しておくのが望ましいです。
安全性に特に配慮したい場合は、漏電ヒューズを設置しておきましょう。
ご家庭に小さな子供や動物などがいる場合などは、ケーブルを引っ張られて断線などしてしまう可能性もあるため設置しておく方が良いです。
できるだけ安く簡単な方法からトイレ等の電源を試してみよう

記事では分岐ソケットかアンダーカットを使い、トイレ等にコンセントを増設する方法をご紹介しました。
コンセントがないからとウォシュレットや機器をあきらめる必要はありません。むしろ逆に、コンセントが無いと思い込んでいた空間に簡単に電源を増設できると知ったら、他にもいろいろな器具を取り付けて暮らしを豊かにすることも考えられるようになります。
このような発想で他にもあなたの家に眠る電源ポテンシャルを活かしてみましょう。ベランダや庭に電源を増設する方法については、 ベランダ電源コンセント無料簡単DIY の記事をご覧ください。
おまけ 男性が座って小をするメリットが増えれば、座ってするようになるかも!?

電源を引き、朝のトイレを座ってしながら同時に電動ヒゲソリで髭を剃れば時短になります。ヒゲはトイレに流せます。絵的にちょっとあぶないスタイルなので、鍵はかけたほうがよいです。
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