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傷カビ汚れ、刃こぼれに強いまな板素材の探し方

白いプラスチックのまな板が、傷汚れては捨てる、を繰り返していると段々考えたくなるのが、もっと良いまな板への買い替えです。

でもどの広告を見てもいいことしか書いてないし、どの比較と口コミを見ても一長一短あって、まな板選びは意外と時間がかかります。一体、どれが真の根拠ある価値で、どれが宣伝文句に過ぎないのか、見分けがつきません。

傷カビ汚れ、刃こぼれに強いまな板素材の探し方

そこで記事では、まな板素材の選び方をステマやセールストークでなく、物性=物質の物理的な性質によって自力で見極めるという方法を解説しています。ご覧ください。

この記事の著者

この記事は、18年間にわたる一人暮らしでひたすら自炊してきた筆者 デフラグライフが、一級建築士として素材を物性で使い分け、経年劣化をつぶさに見てきた立場より、確実合理的な方法としてお届けします。

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まな板の最重要機能とは何か

まな板の最重要機能とは何か

まずは、果てしないステマと広告の海の中で何度も無駄な買い物をしない為に、まな板の最重要機能が何なのか改めて確認してみましょう。

もちろん求める機能は人それぞれですが、一旦筆者が代表的と思われる機能を例示して進めます。

買い替えるまな板に欲しい機能
  • キズ汚れにくく長持ちする
  • 食洗機が使えて楽に衛生的
  • 熱い食品、匂いの強い食品を載せて支障ない
  • 包丁が刃こぼれせず切り易い

まな板の機能は、上記以外にも音、滑り、重さ、反り、乾き、抗菌、見た目、漂白可否、削り可否など様々あります。しかしこうした要素は全て対策が効くか、そもそもキズ汚れにくければ解決する副次的な価値に過ぎません。

時折、副次的な価値の方をことさらにアピールしてくる広告もありますが、優先順位の本質を見失ってはいけません。

包丁が刃こぼれせず切り易い

中でも最も重要なことは、包丁が刃こぼれせず切り易いことです。

こんな当たり前のことでも、傷汚れて汚くなったまな板を買い替えようとすると、傷つきにくさだけに注目したり広告の他のスペックに目を取られ、置き去りになってしまう事があるため、気をつけましょう。

刃こぼれさせにくい素材とは何か

まず、まな板が包丁の刃こぼれを招くかどうかは、広告やスペックに関係なく、硬度という物性で決まります。単純に、包丁と同じ以上に硬度の高い、硬い物質は、包丁をすぐ刃こぼれさせます。

クチコミやオススメ記事の真偽とも関係なく、物質には 物の本質=物性 が初めから備わっており、その性質を逃れられません。

まな板素材の硬度とその他性能比較表

物性比較表耐刃こぼれ耐食洗機耐熱耐臭耐汚耐傷
硬度1××××
プラ硬度2××××
ゴム硬度-××
ガラス×硬度5
ステンレス×硬度4-6
包丁硬度5
エラストマーはゴムに準じます。出典:硬度一覧物性一覧

家庭のステンレス包丁は多くが硬度5なので、硬いガラスとステンレスのカッティングボードは使えないことがはっきりしています。それがどんなに衛生的で理想に思えても。。

一方で木、プラ、ゴム(エラストマー)素材は硬度2以下と低く、包丁をなかなか刃こぼれさせません。しかし今度は、まな板自身の方が硬度が低いので容易に傷つきカビ汚れていってしまいます。

この世に存在しない

つまり、包丁を刃こぼれさせず、かつ、まな板自身が傷つかない物質は、この世に存在しないことが分かります。両立しない矛盾した価値ということです。

刃こぼれさせず傷つかないまな板を探すこと自体ナンセンスで、決して見つからないし、それをうたう商品がもしあったら、距離を取る必要があると分かります。

自然の物性を活かすと、良い買い物ができる

自然の物性を活かすと、良い買い物ができる

欲しいものに両立しない価値がある時は、最優先機能を物性=○の物質で確保してから、その他機能をスペック表示された人工技術で補うように探すと、最速で良い買い物が出来ます。

まず最初に確認した最優先機能=耐刃こぼれを、物の本質である物性:によって叶えます。それが出来るのは、木、プラ、ゴムだけです。

そして矛盾した価値の方=耐傷は、諦めて視点を変えるのが正解です。広告で「傷つきにくい」とか「傷つかない」などとあれば、それは逆に「刃こぼれさせ易い」ことを意味しているか、さもなくば偽証の可能性があるためです。物理の法則に反するからです。

視点の変更

そもそも傷つきにくいまな板を探したのは、傷から汚らしくカビ汚れるのが不衛生だったからだと思います。ならば、傷はついてもカビ汚れにくいものを探す、という視点の変更をすれば良いわけです。

その上で最後に残された、木、プラ、ゴムが物性で満たせない物性=「×」の各性能については、それを補うよう人工的に改善したものを探し出せば、それが最短距離で価値を見失わず良いまな板を見つけ出せる方法となります。

良いまな板の資質
  • 木、プラ、ゴム(エラストマー)いずれかの素材
  • 傷ついてもカビ汚れにくい特性
  • 食洗機と耐熱と臭い対策が人工的に改善された製品

ただ、探せば分かりますが家庭で容易に入手できて廉価なものの中で、プラとゴム、エラストマーは十分な耐熱性能のあるものが見つかりません。もともと石油から生まれ、熱に弱いという物性を逃れられないからです。

改善されていてもせいぜい130度程度で、これでは食洗機はOKでも、熱い食品の油脂や調理器具を触れさせられません。

魚など常温以下のものしかさばかない、という環境ならばプラ、ゴム、エラストマーのものから、最新人工技術でなるべくカビ汚れにくく強化されたものを探すことが、良い選択になります。

木製

よって、温故知新の古典素材、木製を最新人工技術で強化したものを探すことが、刃こぼれしなくて家庭での調理熱に耐えうる素材として有力な探し場所ということに絞られます。

木材は最終的に燃えますが、しかし耐熱性は高いという物性があります。可燃性と耐熱性は別の物性で、熱伝導率によって大まかに識別できます。詳しくは 食器調理器具素材の選び方、使い分け目安【素材の物性比較表】 をご覧ください。

ちなみに最近建築基準法が見直され、木材の防火性能は昨今幅広く見直されています。

物性を理解すれば、迷いはなくなる

物性を理解すれば、迷いはなくなる

記事では、まな板を取り巻く雑多な情報の中から、何が本質的な情報と価値なのかを物質の物理的性質=物性によって見極める方法を紹介しました。

全ての願望を満たすパーフェクトな素材が存在しない以上、大切なのは最優先機能を見失わない事と、それに合う物質をまず選ぶ事です。

そして残された欠点の方を、人工の技術で補い強化したものを選ぶことが、最善の物を選び取り、無駄な場所を探す手間を省く結果へと導いてくれるはずです。

おまけ:物性スキルの応用

例えばあなたに特殊な事情があって、変わった包丁を使いたいとか、どうしてもガラスとかステンレスみたいな特別なまな板を使いたいなどといった場合は、また条件は変わってきます。

オリジナル優先順位を満たす物質を探したい人、まな板だけでなく他のものも自分で考えてみたい方は、以下ふたつの記事をご覧ください。あなたの考えた、あなただけにぴったりの道具をきっと探し出せます。新しいキッチンライフを!