100均超強力マグネット 磁力強化防水に自作ヨークレジン

100均超強力マグネット 磁力を合成強化+防水する方法

100均の超強力マグネット、ネオジム磁石の磁力に不足を感じている人はいませんか。

もっともっと強力なものがほしい、例えば中身の入ったペットボトルや包丁、カメラなど重い機械を浮かせて使うDIYをやりたいなど。。もちろん錆びない防水付きで。

この記事では、ネオジム磁石をDIY合成して磁力を強化する方法をご紹介します。また、防水コートも付与されるので水場で使用することもできます。

磁石というのは乾電池のように単純ではなく、強力さを求めて単に複数直列につないでも思ったような効果は得られません。

ぜひ記事をご覧いただき、磁石を合成する基本の考え方と簡単な手順を身に着け、あなたのDIYアイデアをはじめ種々の目的にお役立てください。

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磁力を合成強化する考え方

磁力を合成強化する考え方

100均磁石のメリットは安くたくさん簡単に手に入れられることです。デメリットは1粒1粒のサイズが小さくて磁力に限界があることと、さびやすくて水場で使えないことです。

そこで、安い100均超強力マグネットを複数集め、防水材料で合体させて使うことを考えてみましょう。

あくまであなたのDIYサポートして役立つよう、制作記事ではなるべく安くて入手容易で簡単な方法としてラミネートと100均レジン、100均マグネット補助板を使う方法をご紹介しています。

磁力合成強化の基本「摩擦力」

磁力合成強化の基本「摩擦力」

磁石は乾電池などど異なり、単に直列つなぎしても思ったように磁力を得ることができません。

磁力を合成強化するには、摩擦力を活かすこととヨーク(継鉄)という媒体を使うことが必要です。

とはいえコツが分かればどちらも難しくありません。摩擦力を上げるには、集めた磁石を直列でなく並列に並べた状態で、なるべくざらざらあるいは粘りのある防水材料で連結して固めてしまえばよいのです。

そうすれば磁石の接着面が大きくなり、摩擦力が上昇します。

単純に単体の磁石表面の摩擦力を上げるより、合成して面積を増やしてから摩擦力を上げることで格段に高い効果が得られるようになります。

磁石が物体に張り付く力は磁力×摩擦力の掛け算で決まります。

磁石が物体に張り付く力は磁力×摩擦力の掛け算で決まります。

摩擦力はあまり数値や見た目で見えにくく、材料選びでも試行錯誤が必要なためつい面倒で省略してしまいがちですが、磁力を扱おうとするなら決して無視してはいけません。

どんなに強力な磁石を作っても、摩擦力がゼロなら物体はずり落ちてしまいます。

もし、過去に磁力で小物を浮かせるDIYに挑戦した結果、ずり落ちてしまってあきらめた経験があるならぜひ以降の記事をご覧いただき再挑戦してください。

磁力にかけ合わせる摩擦力の鍵は、ざらざらや凸凹よりも「粘り」がキーワードになります。

磁力強化に必要な媒体「ヨーク」

磁力強化に必要な媒体「ヨーク」

もう一つの磁力強化のカギは、ヨークという継鉄です。

磁石にはN極とS極があり、両側に同量の磁力が発生しています。例えば磁石を冷蔵庫につけたとき、この磁石の磁力はほとんど片側しか使っていないのです。反対側の磁力は空中に漏出しているだけです。

この、漏れた磁力を集め導き、被着体である冷蔵庫の側に集中させる役割を担うのが、ヨークです。ですからヨークを使いこなせば、磁石による磁力を一方向に集め、接着力を倍増できるということです。

ヨークの理想的な形状は下図のような概念です。こうするとN極とS極の力がすべて片方に集まります。

漏れた磁力を集め導き、被着体である冷蔵庫の側に集中させる役割を担うのが、ヨーク
出典:TDK

また、ヨークに最適な材料は鉄です。しかし金属加工は家庭のDIYではまず無理ですし、鉄はすぐ錆びます。

記事ではなるべく簡単にヨークの力を得られる錆びない材料として、100均の磁性ステンレス板、マグネット補助版を選択してご紹介します。

ヨークの力を実感し、興味を持ったら他にも良い材料がないか探して応用してみても良いでしょう。

100均ネオジム磁石の磁力を合成し、防水する

それでは磁力強化の基本がわかったところで、早速制作に入ってみたいと思います。

プレート加工で磁石を合成強化する

プレート加工で磁石を合成強化する

磁石を100均磁性ステンレス板の粘着テープの無い側に並べ、100均UVレジンでコーティングして一体化と防水コーティングを行います。磁性ステンレス板が簡易的なヨークの働きをします。

ヨーク継鉄の材質は純鉄低炭素鋼では?

ヨークの材質で最も頻繁に利用されるのは純鉄か低炭素鋼です。最も安いからです。しかしヨークたる資質を有するのは、純鉄と低炭素鋼だけではありません。

SUS430や410磁性ステンレスはヨークとしての働きを有することが広く知られており、特に防錆が必要な環境下における磁石のヨークとして、一般的な製品にも幅広く利用されています。

厚さの異なる磁石でもUVレジンを均等に盛れば合成できますが、表面張力の関係でなかなか難しいので、型取りできるのでない限りあくまで同じ厚さの磁石を揃えた方が良いです。

ラミネートのシートマグネットと同様に、磁石が引き合う位置関係で密着するよう並べ、隙間と周囲、表面全体にダイソーの速乾UVレジンを盛ります。

必ずダイソーの速乾UVレジンクリアを使用してください。他は硬化不良や気泡が生まれ失敗します。

UVレジンの硬化にはボンディックのUVライトが適合

UVレジンの硬化にはボンディックのUVライトが適合します。他にも市販のUVライトはいろいろあるのですが、波長とレジンが適合していないとやはりうまく硬化しません。

ボンディックEVOのUVライトは電池交換出来て長く使え、付属のレジンチューブは先端が極めて細く精細作業に使える優れものです。

付属ケースには100均レジン液ボトルがピッタリ収納できる
付属ケースには100均レジン液ボトルがピッタリ収納できる

今回の記事ではレジンを多く消費するのでコスパの関係から100均レジンを推奨しましたが、もちろんボンディックのレジンチューブでもOKです。

強化した磁力は体感で1.5倍になります。4粒合成したら6粒分程度の磁力が得られる感覚です。ラミネート加工法と両方作って比較体験したら驚くと思います。

完成したプレート磁石には初めから粘着テープがついている

完成したプレート磁石には初めから粘着テープがついているので、これで対象に貼り付けます。

冷蔵庫など被着体には、プレートではなくレジンを盛った面をくっつける形になります。

強化した磁石でどれほど重いものを浮かせられるのか

強化した磁石でどれほど重いものを浮かせられるのか

筆者の実験では、4粒の磁石を合成したプレート1枚で、水を満載した500mlペットボトルを冷蔵庫の垂直面に安定して浮かせられました。

浮かせたまま冷蔵庫扉を開閉できます。浮かせる重さと必要な磁石数関係の目安にしてください。

ところで、ここまでの制作風景を見るとプレートで磁石をサンドしたくなるかもしれませんが、磁力合成強化の基本、ヨークの概念を思い出してください。サンドすると磁力は大幅に低下します。

あくまでヨークとして使った磁性ステンレス板の反対側の磁石面だけが、強力磁石として機能します。

最後に摩擦力についてですが、ボンディックUVで固めたダイソーレジンは硬化後も適度に表面の粘りと柔らかさがあり、高い摩擦力を提供する理想的な素材の一つです。ぜひボンディックとダイソーレジンで制作し、力を実感してください。

100均磁石の超超強力化、防水化でDIYアイデアの幅を広げよう

100均磁石の超超強力化、防水化でDIYアイデアの幅を広げよう

記事では100均のネオジム磁石を題材に、複数磁石を合成強化し、防水機能を付与する方法をご紹介しました。

この安くて簡単な方法を身につければ、磁力にできることの限界と思い込んでいた範囲を大きく凌駕する力を手に入れ、あなたのDIYアイデアに新たな刺激と広がりをもたらします。

ぜひ頭の片隅にいれておき、つぎのDIYで引き出し使ってみてください。なお磁力を活用したその他のDIYヒントは、下記リンク先をご覧ください。

おまけ ペンチでヨーク加工し磁石のポテンシャルを限界まで引き出す

ペンチでヨーク加工し磁石のポテンシャルを限界まで引き出す
言うのは簡単だがステンレス鋼を曲げる作業は鬼のようにつらい。筆者の力作はゆがみ形状をもって握力の限界を示してます。しかし磁力は体感で2倍になります。

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