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耐水加工DIYに使える透明樹脂 ボンディックの物性分析

ボンディックは、ゆるいジェル状の液体プラスチックです。付属のUVライトを照射すると数秒で硬化し、耐熱・耐水性に優れた透明プラスチックとして固まる素材とライトのセット製品です。

この製品の性能情報や動画はネットに山ほどあふれています。しかし具体的な使い道となると、どこを探しても似たようなケーブルやパーツの修理例しかなく、いまひとつこの道具の真価を伝えられていないように思います。

ボンディック応用5選 耐水・補強・造形に使える透明樹脂

筆者はこれまでもタイトボンドやゴリラウッドグルーなど海外の高性能接着剤を ゴリラウッドグルー接着剤 性能検証と評価 などで詳細に分析してきました。

その経験を活かし、今回もこの道具だからこそできる実践的な使い道を米国公式サイト情報の物性分析に基づき確認していきます。

すでにボンディックやタイトボンド、ゴリラウッドグルーをお持ちの方も、ぜひ改めてご覧ください。きっとよい成果が発見できるでしょう。

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ボンディックの物性を活かしてできること

他のボンドや瞬間接着剤、パテなどにくらべてボンディックの優越性は下記の通りです。

  • 硬化後の耐水性と厚みが持つ強度
  • UV照射まで固まらず照射後はすぐ固まるという作業利便性
  • 小さな穴に充填し盛ることのできる充填造形性
  • 仕上がりの透明性

ここに着目してもっと便利に使うことができます。

耐水樹脂コート剤として使う

固まれば単なるプラスチックですから、当然に高い耐水性があります。ですから、防水したい対象に塗って固めると強力な耐水コート剤になります。

米国公式サイト情報

〇耐水性:確実にできる(Definitely Can)

〇耐酸・アルカリ・油・UV: 確実にできる(Definitely Can)

硬化後は硬さも耐酸・耐熱・耐紫外線もあるので、屋外環境にも強い頼れる耐水コート剤として活躍してくれます。

耐水樹脂コート剤として

当サイトではこの特性を応用し、錆びやすい弱点のある100均マグネットを家庭で簡単に耐水コートする技術として以下にまとめてあります。

補強プラスチックカバーとして使う

補強プラスチックカバーとして

透明ストローを型枠に使って厚く固める使い方をすると、接着力に乏しいボンディックが補強材として期待に応えてくれるようになります。

米国公式サイト情報

〇一時的または永久的に物を固定する:確実にできる(Definitely Can)

よく断線したケーブルにベタベタ塗り盛って固めている例がありますが、そのままだと脆く応急処置感があって、瞬間接着剤やボンドで塗り固めた状態と大差ありません。

ボンディックなら瞬間接着剤などよりもずっと硬さと美しさを兼ね備えた仕上がりにすることができます。断線した箇所を 透明ストローの切れ端などで包み、ボンディックを注入照射して円柱形に固めてみましょう。

ボンディック照射

硬化後綺麗に剥がす事ができます。同時に磁石を埋め込んで、鉄部にくっ付くようにすることもできます。

磁石を埋め込んで脱型

このように、セロテープやストローなど透明な素材を型枠として併用するのはボンディックを使いこなすためのひとつのコツです。

透明補修材料として使う

ボンディックは瞬間接着剤とくらべ、UV照射するまで固まらないので微調整できる作業性、足りないパーツや欠けた穴を埋められる造形性、隙間に入って硬化することで得られる防水性、硬化後白濁しない透明性が優れており、雑貨の補修材料として適材です。

米国公式サイト情報

〇欠けた部分を埋めて修復する:確実にできる(Definitely Can)

したがってガラスやプラスチック、フィルムや透明液を封印したいときなど透明雑貨の修理創作に適します。UVライトが透明な雑貨を透過して液体プラスチック塗布面に届き、完全に硬化させられるからです。

透明補修材料として

具体的な実践例は スマホガラスカバー修理 透明雑貨金繕いのコツ をご覧ください。透明型枠としてセロテープとフィルムを使用する例として実演しています。

造形材料として使う

造形材料として

たいへん都合のいいことに、ボンディックは樹脂粘土にほとんどくっつきません。それでいて樹脂粘土は透明なので、UVライトを透過することができます。従って樹脂粘土を使って複雑な形状の型取りをし、小物のための複製型枠をつくることができます。

米国公式サイト情報

〇充填・密封する: 確実にできる(Definitely Can)

できた複雑な形状の透明化枠には、奥までボンディックの液が流れ込み充填できます。UV照射して硬化後は、完成品を引き抜くか樹脂粘土を切り裂いて取り出せます。

また公式Q&Aでは、硬化後のボンディックにあとから重ね塗りして再照射し、積層硬化できる旨も記載されています。つまり、ふたつの別々のパーツをボンディックで作ってから、あとで接合して一体化することができます。

たとえばイヤホンやUSB、HDMIの差し込みピン先端をおゆまるで型取りし、ボンディックを流し込んで複製したパーツを、タブレットやスマホなどの使わないイヤホンジャック穴などに挿しておいて防水防塵カバーをつくったりできます。

粘りのある樹脂材料として使う

固めたボンディックはカチカチのアクリルに比べると、わずかに柔らかさと粘りがあります。

この粘性を摩擦力として利用し、モバイルキーボード裏などのすべり止め材に応用することができます。また、わずかな柔らかさを利用して開閉音のうるさい戸棚扉などの戸先に、戸当たりクッション材として用いることができます。

当サイトではこの性質を応用し、磁石の接着力を強化する技術を 100均超強力マグネット 磁力を合成強化+防水する方法 に整理しました。

磁石の合成強化

水満載の500mlペットボトルでも壁に磁力で貼り付けられるくらいの力が得られます。重い小物を磁力で浮かせたいDIYアイデアを実現したい時、ご利用ください。

ボンディックにできないこと

ボンディックは紫外線で固まる接着剤として売られていますが、実のところこの道具は自身が固形化する力はありますが他の物とくっつく接着力はとぼしく、接着剤としてはほとんど期待できません

ボンディックを対象に垂らし、UV照射して固めても、爪で横からひっかくとすぐに取れてしまいますし、引っ張りにも耐えません(テンシル、ピール、シア、いずれの破壊方向に対しても弱い)。

プラスチックが固まる時の収縮で若干対象にくっつきますがその接着力は弱く、接着剤として使うには能力が足りません。

接着剤として使おうとしてみせるいくつかのネット上のレビューや解説には実際上無理があると思います。あくまで、「光で固まるプラスチック液」なのだと理解すると、この道具を使いこなす能力が上昇します。

染み込む対象には使えない

液が染み込む対象なら硬化すると食いついて接着できそうにも思えますが、奥までしみ込んでしまった液はUV光が届かなくなるので、硬化しません。

従って、布や木材の接合には全く適しません。表面上固まって見えても、有害な液が液体のまましみ込んでおり、後からいつ染み出してくるとも分かりませんから木材など染みる対象には決して使用しないようにしましょう。

ちなみに木材の接合については タイトボンドⅢ DIYにベストな進化形木工ボンド が大変便利なので、いずれ見てみてください。

UVライトの光が届かないと接着しない

不透明の物体を接着しようと接合面にボンディックを塗って貼り合わせても、貼り合わせた面にUVライトの光が届かないので全然くっつきません。不透明の対象をくっつけたいときは、接合面からわざとはみ出させて覆うように塗布し、照射すると固められます。

しかしこんなことをするくらいなら、単に瞬間接着剤を使った方がずっと楽にうまくいくでしょう。

食品安全性はない

使い始めて臭いですぐ気づくと思いますが、他の多くの合成接着剤同様にこの製品も人体に有害な成分を含んでおり、食器や食品に触れさせられません。食品衛生法などの安全性認証はなく、公式サイトでもそのことが明記されています。

ボンディックを欠けた歯や義歯、差し歯に使うレビュー例が見受けられますが、絶対に使用してはいけません

食器修理などのために食品安全性を有する接着剤をお探しの場合は、食器に使える接着剤 タイトボンド応用4例 をご覧ください。

ホームセンター等のボンディックを購入可能な場所と注意点

ホームセンター等のボンディックを購入可能な場所と注意点
交換用のリフィルやライトさえホームセンターに置いてあったりします。割と国内代理店がしっかりしており、流通やサポート技術情報は他の海外接着剤製品にくらべ充実している方です。

実店舗だと、ハンズとホームセンターの一部に取り扱いがありますが、無い場合もあるので事前に電話確認をした方が良いです。製品は国内代理店が取り扱っており、価格はAmazonのほうが店舗より若干安い傾向です。

大きいホームセンターにはノーマルボンディックとボンディックEVOの2種類が置いてあることが多いですが、EVOの方がUVライトの電池交換が容易なため、こちらをお勧めします。

ただし公式サイトにも注意喚起がありますが、YouTubeから誘導する直販詐欺サイトが横行しているようです。確実に買うには、実店舗で買うか国内正規品の明示がある品をAmazonで購入するようにしましょう。

プラスチック樹脂が切れたら正規品のリフィルをAmazonかホームセンターで買えます。

ボンディックを使いこなして楽しもう

ボンディックを使いこなして楽しもう

以前に興味があってすでにボンディックを購入済の方も、今一度本来の特性を見直して新しい使い道を発見戴けたのではないかと思います。

ちゃんとくっつかなくて困っていた経験のある人は、記事をとおしてボンディックにできることとできないことを再確認し、適材適所な使い方を心がけてみてください。

ちょっと高価なこともあり購入を躊躇っていた方は、目的に見合った価値がありそうかどうか記事で確認のうえ、ご判断にお役立て戴ければと思います。

きっと、あなたの生活のちょっとした場面で役立ち、またDIYでできることの幅を大きく広げてくれる相棒となるでしょう。

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