ホームセンター木材 種類価格別DIY性能一覧表

DIYのためにホームセンターへ行くと、そこには実に多種多様な木材が有るわけですが、その説明は全くありません。

ネットで調べると高額木材や工具、学者顔負けの植物学を目にすることができますが、私たちには樹木の微差を検証したり、測って切って釘打ち塗装し乾かすような時間も高価な機材も置き場もありません。

ホームセンター木材 種類価格別DIY性能一覧表

もっと要領よくやるには、ホームセンターにある木材全体の価格分布を把握できる一覧表と、世間一般のみんなが各材料を何に使っているかの常識、厚さの目安、そして無加工でそのまま使った時にどんな雰囲気に仕上がるかの経験知識が必要です。

ホームセンターへ見にいったその足で、ホームセンターで格安綺麗にカットしてもらった材を持ち帰り、それをそのまま無加工で支障なく使える、そんな材料を素早く格安で選べるようになるならば、それに越したことはないでしょう。必要に応じてご利用ください。

この記事を著作する専門家

一級建築士

この記事は、数々の無加工・便利・時短系DIY記事を執筆し好評を博してきた現職設計士の筆者 デフラグライフより、実際に建設現場で種々の材に日々触れる立場からお送りします。

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ホームセンター木材 種類価格別DIY性能一覧表

ホームセンター
木材構造比較
コスト仕上重さ反り選択肢
無垢材15,000円〜
集成材5,000~15,000円
ランバーコア3,000~5,000円
合板2,000〜3,000円
木質ボード1,000〜3,000円
コストは概ね910×1,820×厚さ18mm(タタミ1畳分)程度の板1枚の価格
→天板長さ〜900mm900〜1800mm1800〜2400mm
無垢材30mm30mm40mm
集成材18mm18mm30mm
ランバーコア18mm18mm30mm
合板18mm24mm不可
木質ボード18mm24mm不可
天板厚さ目安表 長さは支柱間距離。条件:18kg常時荷重・たわみは容認・反りは回避

基本的に上記の表で構造別のコストと性能、天板(棚板)厚さの目安を理解すれば足ります。一応下記の表も載せますが、DIYにおいてはコスト以外ほとんど大差ないので、色を塗った箇所以外は別に知らなくても構いません。

ホームセンター
樹種比較
樹種コスト切削性釘耐力塗装性耐水性耐虫性耐久性
無垢材スギ18,000
集成材タモ15,000
ミックス12,000
アカシア10,000
アカマツ8,000
ヒノキ7,000
ラバーウッド7,000
スギ6,000
パイン6,000
ランバーコアポリ加工9,000
シナ6,000
ラワン4,000
合板ヒノキ3,000
ラワン3,000
針葉樹(SPF)3,000
ファルカタ3,000
木質ボードMDF2,000
パーティクル2,000
OSB2,000
コストは概ね910×1,820×厚さ18mm(タタミ1畳分)程度の板1枚の価格

ホームセンターで一般に入手できる木板材の構造種別は、最初の方の表にある5種類です。樹木の種類による微妙な差異よりもまず、構造種別全体の価格分布を知っておいた方が、コスパの良い判断ができます。

コストは概ね910×1,820×厚さ18mm(タタミ1畳分)程度の板1枚の価格です。一覧表で見れば、ホームセンターの木材が樹種ではなく、主に構造種別によって価格帯がうまく分かれていると気づくでしょう。

ホームセンター木材 種類価格別DIY性能一覧表

高価で上等な構造ほど仕上げ材としてそのまま使うことを、下等な材ほど下地材として隠蔽ないし仮設で使われることを企図されています。しかし、その意図通りに使う必要はありません。特徴を活かせれば下等でも良いのです。それは記事でガイドします。

そしてまた上等な構造ほど組成に接着剤量が少なく天然で、下等なものはその逆です。しかし、天然高価だからといって必ずしも物性に優れているわけでありません。

仕上

仕上は、その材料の表面仕上げが丁寧か荒っぽいかの傾向です。当然クズ材でも丁寧に仕上げることはできますが、コストがムダに上昇します。なのでホームセンターでは上等な材種ほど丁寧に、下等な材ほど適当な仕上げで発売されます。

重さは比重ではなく、ホームセンターの扱う厚さの傾向も総合した実態です。比重は基本的に、上等な構造ほど接着剤の含有量が少ないので軽くなります。

しかし無垢材は反りやすいため、反りに抵抗する目的で厚く切り出される材ばかりで、結果的に重くなります。重さは、構造(接着剤量)と密接に関係しています。

反り

反りは、無加工に近いDIYをするなら最も重要な性能です。せっかく作った力作が、短時間でがたつくのは嫌なものです。

反り抵抗には構造のほかに厚さも重要です。筆者が実際にいろんな構造材を10年近く使い続けた経験からいうと、いずれの構造種別であっても、1畳以下程度の大きさで扱うには厚さ18mm以上あると安心できます。

選択肢は、ホームセンターでその構造の樹種がどれだけ豊富に選べるか、バリエーションの多さです。

ホームセンターを見てみよう

木材はネットでも買えますが、ホームセンターへ見に行くことをお勧めします。少しだけ私がツアーガイドしますので、ホームセンターで実物を触りながら以下を読んでみてください。大切なのは性能もさることながら、あなたが気に入る板を見つけることです。

無垢材

無垢材
無垢材:スギ。無垢材は節や板目がそのまま出るのが特徴。断面に貼り合わせた痕跡が一切ない
デフラグライフ
デフラグライフ

高級なバーや古民家カフェの特注カウンターみたいな雰囲気を目指すときに良いよ!

DIYでは綺麗に仕上げて天板やお盆など目立つ部位に使おう。塗装までする甲斐のある最高級品です。側板や底板には勿体無いし、反って大変なので金物や他の材にした方が良いです。

一般的には特注家具などに用いられています

無垢材とは文字通り丸木からそのまま1枚板を切り出したものです。木目が一方向に限定されるので、非常に反り易い材料です。反りに対抗するため厚い材ラインナップが多く、結果的に重くなります。

ムクボード

無垢材はホームセンターには滅多に置いていません。代わりに「ムクボード」というものがありますが、これは節の多い一本ものの角材を貼り合わせた集成材です。

ムクボード:ヒノキ
ムクボード:ヒノキ。角材を貼り合わせて構成されており、集成材。

このように断面を見れば、名前がどうあれ混乱せず材種構造が5種のうち何なのかを正しく識別できます。

集成材

集成材:アカシア
集成材:アカシア。色調豊かな表情の楽しめる材で、縦継ぎ材特有のフィンガージョイント(ギザギザのつなぎ目)が分かりやすい
デフラグライフ
デフラグライフ

現代的なワーキングスペースやカフェのような空間にしたい時、特に合う材料。選択肢が豊富で部屋に合わせられる!

DIYでは何にでも使えるオールラウンダーで、初めての木工なら最適の材料です。

一般的には柱梁などとして、木造の見える部分に用いられているのを見ることが出来ます。

ちなみに最近の建築でよく見られるCLTは、ひき板の木目を直交方向に貼り合わせたもので集成材とは異なり、ホームセンターにはありません。

集成材:インドネシアメルクシパイン
集成材:インドネシアメルクシパイン。ラジアタパインより産地が赤道よりでやや柔いが大差ない

集成材は断面を見れば分かる通り、角棒を同一方向に接着剤で貼り合わせた材料です。無垢材に比べ木目方向が多少散り軽減されますが、長い時間と共に多少反ります

集成材
一般的な集成材はムクボードのような一本もの角棒でなく、長さ方向にも接着して継ぎ足しているので、表面でも継ぎ目がわかる。その代わり大きな節など欠点が取り除かれている
集成材:チリ、ニュージーランドラジアタパイン
集成材:チリ、ニュージーランドラジアタパイン

ホームセンターでは上等な材料の扱いで、綺麗に表面が整えられ、包装されています。ラインナップも充実しており、パイン(松)やタモ、スギ、ヒノキ、アカシア、ミックスなどいろんな種類選択を楽しめます。

集成材:樹種ミックス
集成材:樹種ミックス。個性的で目立つ、扱いの難しい材。価格はアカシア並みに高い

ランバーコア

ランバーコア
ランバーコアは節や欠点を取り除いた単板を表面に貼り付けており、クセの少ないすっきりした見た目になる
デフラグライフ
デフラグライフ

建築家のローコストデザイン住宅っぽくなる!シンプルでシャープな空間イメージになります。

DIYでは、軽くて反らないので長さ1m超えの大きな天板や棚板を作るとき集成材より安く合板より強く、すごく便利!

側板や底板には、釘が効きにくいので接着剤を併用しよう。

一般的にはスピーカーキャビネットや建具に用いられますが、その場合表面が仕上げで隠されているので、普段目にすることはありません

ランバーコアは角材を接着剤で貼り合わせ、さらに合板でサンドイッチした材料です。集成材に比べさらに木目が散るので、ほとんど反りません

ランバーコア:シナ
ランバーコア:シナ。シナとはシナノキという国産木。ラワンより高くつく

芯材となる角材にファルカタなど安く軽いが弱い材、表面の合板に比較的硬い材が用いられるので、軽さと硬さが両立された良い材料です。

ランバーコア:ラワン
ランバーコア:ラワン。断面を見れば角棒を貼り合わせ、合板でサンドイッチしているのが分かり容易に識別できる

ホームセンターでは中等な材料の扱いで、断面は集成材ほど処理されておらずササクレが多く危険です。怪我に気をつけて扱ってください。

ランバーコア:ポリ
ランバーコア:ポリ。表層を耐水ポリ加工した板。コストがかかり、風合いが失われるのでお勧めしない。ホームセンターの透明シートなどで防水した方が楽に済み、替えが利く

昨今の世界情勢により、ロシア針葉樹系の木材は特に品薄高騰しています。アジア広葉樹系の木材は安く買えるのでお勧めです。その意味で従来人気だった集成材や一般的だった合板、SPF2×4よりも、ラワンランバーコアのお買い得感は増しています。

合板

針葉樹を総称してSPFと呼ぶ場合もある
針葉樹を総称してSPFと呼ぶ場合もある。SPFとはスプルース(トウヒ)、パイン(松)、ファー(モミ)3種の頭文字。
SPFはツーバイフォーの素材として一般的
デフラグライフ
デフラグライフ

ガレージや作業場のような雰囲気作りにピッタリ!

DIYでは長さ1mを超すような天板や棚板には、18mm以上に厚くしないとたわみます。側板や底板の材料には十分な強さを発揮し、釘も効くので便利ですが、薄いので貫通に注意。

一般的には建物の下地、型枠、構造に用いられ、仕上げで隠されるので日常目にすることは少ないですが、誰でも一度はその断面を見たことがあるはずなので、そこまで悪目立ちしません

合板は単板を接着剤で貼り合わせた材料です。木目を直交させて貼るので平面方向に歪みにくいですが、角材がないので断面方向にたわみます

また、角材がないので集成材やランバーコアに比べ接着剤の使用量が増え、重くなります。

ベニヤ

ベニヤ

ベニヤとは、ホームセンターや広く世間一般では、普通の合板そのもののことを指しているのが実態です。本来ベニヤとは(単板/Veneer)のことですが、単板を貼り合わせた合板のことをベニヤ合板という人が多いので、混同されるようになりました。

ベニヤ:ラワン
ベニヤ:ラワン。断面をよく見ると単板が異方向に重ねられていて、これが合板であることがわかる。

なので一般の人は、ベニヤと言われたら合板のことを言いたいんだなと理解すれば足ります。逆に単板のことは、単に単板と呼びます。

野地合板:ラワン
野地合板:ラワン。野地合板とは屋根に使う目的の合板で、耐水性の高い樹種かつ、積層が薄くて軽い板です。

コンパネ

コンパネ
JASとは農林水産省規格のこと。規格合致しないNON JASという低品質の安い板もある

コンパネとは合板の一種で、耐水性の高いラワン等で作られ、基本的に厚さ12mmで作られたものを指します。プロの現場で文字通りコンクリートの型枠パネルに用いられるので、必ずそういう材料になっています。

合板:コンパネ
合板:コンパネ。厚い合板は積層枚数が多くなるが、ランバーコアを除いて常に奇数。単に木目を直交させて貼ると、互いの膨張収縮方向が異なるため合板が歪んで寸法が狂いやすくなる。奇数枚なら必ず隣接する両側の板が同一方向へ変形しようとすることになるため、中間材を介して応力がバランスし変形しにくくなる(片側一方へ引っ張られにくくなる)。一番外側の板は、反対側裏面とバランスする。

型枠は使い捨てと思われがちですが、現場では出来るだけ何回か転用するのが実態で、例えば5階と6階で同じ形をしているような建物の建設では、5階で使った型枠を剥がしてそのまま6階で再使用したりしています。従ってコンパネは丈夫なものです。

パネコート
塗装合板:製品としてはパネコートやドルフィンコートが多い。コンクリート脱型用の片面耐水ツルツル塗装済み製品

構造用合板

構造用合板

構造用合板とは合板の一種で、JAS規格により耐水性、強度、表面処理品質の度合いが明示刻印されたものを指しますが、ホームセンターにあるのは基本的に厚さ12mm程度のものが中心です。

12mmは建築の下地補強材として壁のエアコンや家具取り付け面へ頻繁に用いられ、周囲の石膏ボード12.5mmと合わせることが多いためです。

構造用合板:ヒノキ
構造用合板:ヒノキ。ラワンよりわずかに高い。合板同士を断面で識別することはできない。表面の刻印だけが手がかりになる

逆に言えば、コンパネとか構造用とか野地板用とか付かない、無印の合板やベニヤは、ホームセンターでは厚さのラインナップが豊富な傾向となります。

下等な下地材料

ホームセンターではいずれも下等な下地材料の扱いで、断面処理はなく荒れています。表面はデカデカとインキで刻印がなされていたりします。

単体では軽くて弱すぎる
ファルカタはランバーコアの芯材にも使われる、単体では軽くて弱すぎる木
合板:ファルカタ
合板:ファルカタ。断面が白っぽく綺麗な合板。強度が低すぎるが、反面、加工しやすい。無加工DIYでは無用の存在

木質ボード

木質ボードにはMDF・パーティクルボード・OSBがあります。MDFは繊維を無配向、パーティクルはチップを無配向、OSBは破片を直交方向積層し、多量の接着剤で固めたもので、非常に重い材料です。

無配向または直交積層なので収縮による反りは少ないですが、長さ80cm程度を超える大きいものは自重でたわみます

デフラグライフ
デフラグライフ

MDFを使うと独創的でモダンな仕上がりになる!

パーティクル・OSBは使うだけで部屋のバックヤード、資材倉庫感が強くなるぞ。

DIYでは長さ80cmを超える天板・棚板には厚くしてもたわむので向いてません。短い天板や、側板・底板ならどこにでも使えるけど、釘があまり効かないので接着剤を併用しよう。

一般的にMDFは中小型の量産家具、例えば無印良品の製品などでも堂々と露出使用されており、広く受け入れられやすい風合いです。

パーティクルはカラーボックスや安い作り付け家具の芯材や床下の下地材に用いられ、OSBはツーバイフォーの壁に用いられますが、どちらも仕上げで隠されるので通常目にされることがなく、使うと目立ちます

MDF

MDF

木質ボードは組成に接着剤量が多く、非常に重くなります。特にMDFは重くなりすぎるため、18mm以上の材料はホームセンターにほとんど存在しません。

まったく木目も継ぎ目も積層もない
MDF。まったく木目も継ぎ目も積層もないが、木質だとわかる不思議な断面が特徴。見かけによらず死ぬほど重い

ホームセンターで扱われているMDFは、繊維を押し固めている接着剤自体に耐水性がないため、結果として水に弱い材料です。

MDFの耐水性について

本来MDFは他の木質ボードと異なり、非常に細かい繊維を接着剤で隙間なく圧熱しているので、屋外にも耐えられるほど非常に耐水性が高くなるポテンシャルがあります。

しかしホームセンターにあるMDFは原則、使用されている接着剤自体に耐水性のないP(フェノール)型であるため、水濡れすると接着剤が膨潤劣化してしまいます。

接着剤がM(メラミン)か、U(ユリア)樹脂によるタイプのMDFは一般に耐水MDFなどと呼ばれ区別されますが、ホームセンターには通常置いてません。

パーティクルボード

パーティクルボード
通称パーチ

パーティクルやOSBは木チップ主体である分MDFより軽く済むので、厚さ18mm以上の材もありますが、やはり重い材料であり、大きいと自重でたわみます。

断面はカラーボックスでお馴染み

表面はツルツルに押し固められていますが、切断面の小口は荒く、そこから早く水が侵入するため耐水性は低くなります。

ホルムアルデヒド発散等級F★★★★とは

Fと★の数で表されるホルムアルデヒド発散等級が、材料や塗料・接着剤容器の表面に刻印されていることがあります。家庭のDIYにおいては、刻印のあった場合は最高等級の四つ星F★★★★だけを使うようにしましょう。

建材の等級なので、基本的にホームセンターでは合板と木質ボード、塗料・接着剤だけに刻印があります。集成材や、他の建材でないDIY材料には刻印自体ありません。

プロの現場でも法的に厳しく規制されており、基本的に現在多くはF★★★★が用いられています。天井裏などはF★★★を用いても適法ですが、実のところ筆者は逆にF★★★★以外の製品が使われているのをまだ見たことがありません。

量産現場ならまだしも、家庭のDIYにおいてF★をケチって浮く金は数百円にすぎません。また、建物全体に使うわけでもなくほんの一部のDIY材料だろうと思います。ですから、あまり神経質に気にせず、気づいたらF★★★以下の製品を避ける程度で心配なく扱えます。

パーティクルの表面にメラミンやポリなどで木目を印刷した材料も、低圧メラミン化粧板やポリ化粧板などといった名前でホームセンターで買うことができます。

化粧板にはウォルナットやオークなど天然だと高すぎる材の色味を手軽に楽しめる良さがあり、カラーボックスなど企業製品で極めて大量に用いられていますが、DIYでは断面を上手に隠す加工が必要になるため難しい材料です。

ホームセンターにある化粧板表面の手触りは総じてツルツルでやや光沢が出て質感に劣るので、直接手に触れる天板などを避け、戸棚など遠目や薄暗い部位に使うと長所を活かせます。

OSB

OSB

接着剤で表面をツルツルに押し固められていますが、パーティクル同様に切断面の小口が荒くそこから早期に水が侵入するため、耐水性は低くなります。

非常に重い
OSB。リサイクル感を演出したい場面なら露出で役立つ。非常に重い

ぱっと見グチャグチャに見えるかも知れませんが、あくまで木片を一定方向に並べて接着剤で押し固めた板を、さらに交互に直交方向に重ねて製造されます。従って合板の時と同様に、構造用も存在する曲げに強い材料です。

ホームセンターではMDFは中等、パーティクルとOSBは下等な材料の扱いで、MDFは滑らかに表面処理されており、パーティクルとOSBは切りっぱなしでインキの刻印もあります。

たわみと反りとヤング係数について

天板や棚板の厚さを決める時の目安を、筆者の実際の経験をもとに構造別で再掲し解説します。この基準を軸に、読者それぞれの環境に合わせて少し厚くあるいは薄くするなどアレンジすれば、反ったりましてや折れることなどなく、それでいて無駄に厚すぎない結果を短時間で得られるでしょう。

解説と前提条件も併せてご確認ください。

→天板長さ〜900mm900〜1800mm1800〜2400mm
無垢材30mm30mm40mm
集成材18mm18mm30mm
ランバーコア18mm18mm30mm
合板18mm24mm不可
木質ボード18mm24mm不可
天板厚さ目安表 長さは支柱間距離。条件:18kg常時荷重・たわみは容認・反りは回避
天板厚さ目安表の前提条件
  • 載せる物品の総重量は18kg常時荷重
  • たわみは容認する
  • 反りは容認しない

天板長さは、天板を架け渡す支柱間の距離です。片持ちは想定していません。

具体的には筆者の自宅で約18kgの食洗機を長年置いた経験から作った表です。18kgもの物品を常時の集中荷重で置いてこの薄さでは、無垢材基準以外は全てたわみます。

しかし多少たわんでも機能に支障はありません。程度が気になる場合、物品を棚板の中央でなく支柱のそばに配置すれば大幅に緩和されます。

反りは、軽い物品しか置かなかった場合の自然反りで2年経過後でも気になる反りが出ないことを前提にしています。このため無垢材は耐荷重でなく反りの問題に対抗するため、基準が厚くなります。反ると些細な物品も転がるので機能に支障が出ます。この表では大きな自然反りは容認しない方針です。

たわみと反りとヤング係数について

一般に天板の厚さ決定にはヤング係数を使った、たわみの公式を用いるとされますが、DIYにおいては机上の空論です。

第一にたわみを容認しないと計算値が異常に厚くなります。第二にどこまで容認するかの公的基準が建築基準法くらいしかなく、その基準でもDIYの棚作りに使うには計算値が異常に厚くなります。

結局計算しても個々人の容認加減に左右され、計算ツールやサイトも裁量でバラバラな安全率を設定しているのが実態です。ならば計算情報ではなく経験情報を軸に、DIYの作り手みずからが何をどこまで許容するか加減を裁量していくのが良いでしょう。

樹種別の加工性耐久性、コストについて

切削や釘打ち、塗装乗りなど加工性、耐水性や耐虫、耐久性については、以下再掲の通りです。しかし、DIYにおいては色付きの部分以外気にせず自由に選んで支障ありません。コストほどの実感できる差が得られないからです。

ホームセンター
樹種比較
樹種コスト切削性釘耐力塗装性耐水性耐虫性耐久性
無垢材スギ18,000
集成材タモ15,000
ミックス12,000
アカシア10,000
アカマツ8,000
ヒノキ7,000
ラバーウッド7,000
スギ6,000
パイン6,000
ランバーコアポリ加工9,000
シナ6,000
ラワン4,000
合板ヒノキ3,000
ラワン3,000
針葉樹(SPF)3,000
ファルカタ3,000
木質ボードMDF2,000
パーティクル2,000
OSB2,000
コストは概ね910×1,820×厚さ18mm(タタミ1畳分)程度の板1枚の価格。

ホームセンターには切削加工性の悪い木は置いてません。また、やれば分かりますがノコギリやソーガイド切削はひどい苦行で、電動工具は高価で散らかり面倒です。

ホームセンターに指示し切ってもらった方が安く美しく早く楽に仕上がり、1カット100円しません。もしそうするなら、樹種別加工性の知識はなおさら不要になります。

ミックス

釘打ち耐力は良質な接着剤とSUS釘を併用すれば結果に大差ありませんし、より強力に固定したいなら併用すべきです。固定度がカラーボックス程度で良いなら、市販品がそうであるように、ビスだけでも足ります。

塗装は結局下地処理しなければどんな木でもうまくいきません。どうせ目荒らしや薬で下地処理するなら多少の樹木特性差などコストほどの効果もありません。

アカマツ

耐水耐朽耐虫性はマニアックな木を知ったところで売ってません。ヒノキやヒバが優れるといっても、旅先でヒノキ風呂がカビているのを見たことがあると思います。

スギ

加工性耐久性について、要するにDIYにおいてはどの樹種でも微差にすぎず、20年使うログハウスでも作るのでない限り、DIYにおいて重要でありません。

少なくとも費用時間対効率が悪く、これらの目的には樹種でなく接着剤併用や防水シート、目荒らし下地塗布など加工による手段をとった方が良い結果が得られ、安く済みます。

性能を構造に求め、好みを樹種に求めよう

木材があなたのDIYに必要な性能を満たしているかどうかは選択の最低条件です。そしてホームセンターの木材性能を決定的に左右しているのは、樹木の種類でなく構造種別なのが実態です。

構造種別とコスパの分布さえ的確にイメージできるようになれば、失敗はなくなるでしょう。

性能を構造に求め、好みを樹種に求めよう

その上で最も大切なことは、あなたが気に入って使い続けられる材を見つけられるかどうかです。その時こそ、樹木の種類がものをいいます。千差万別の表情を見せる木々の違いの中から、本当に好きなものを、先に決めた構造種別の範囲内で選ぶと良いでしょう。

私からのガイドはここまでです。具体的な無加工DIYの実例には、下記の記事をご参考ください。あなたの休暇が実り多きものとなりますよう。。

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